小説『これはゾンビですか?−はい、夜の王物語です!』
作者:音無()

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【 第5話 】



「終わったぁ〜!!」

なんとか服を作ることには成功した。

服って作るの難しいんだな!

まあ。分かっていたことだけど。

これ作ったのすごくね俺!

ワンピースと半袖をとりあえず2着ずつ作ったんだぜ。

後、俺のジーパンを切ってズボンも作ったんだぜ。

やっぱり俺ってすごいんじゃないか?

どう思う?

って俺は誰に聞いてんだよ!

眠ってないせいか非常にテンションがおかしくなってきた。

ちょっとだけでも寝るとするか。

その前にミラージュの部屋にこれを置いておくか。

明日が楽しみだなぁ〜。

俺はミラージュの部屋に行く。

「おじゃましまぁ〜す」

おお。綺麗に使ってるな。

ミラージュの部屋に入るにはこう見えてこれが初めてなのだ。

ミラージュは『スゥースゥー』と寝ている。

なんてかわいいんだ。

「ん〜もう食べれぇないよぉ〜龍輝」

夢の中でもご飯を食べてるのかよ!

ほんとによく食べる子だなお前は。

太らないでくれよ……頼むから。

「風邪ひくぞ」

俺はミラージュに布団を掛けなおす。

ミラージュが寝ている枕の横に包装紙で包んだ服とズボンを置き部屋を出た。

「さて、散歩にでも行くか」

寝顔を見たせいか眠気が覚めてしまった。

俺は静かにドアを開け外に出た。



「涼しーなぁ」

夏というのは気温の変化が激しい?のか意外と夜は涼しかった。

ミラージュと散歩している道を1人で歩く。

「お〜い龍輝」

振り向くとそこにはアユムがいた。

「どうも」

昨日会ったのに今日も会うとは偶然だなぁ。

っと言っても日にちをちょっと過ぎただけだけど。

「昼間はごめんな」

「全然いいんですが、あの人たちは?」

「えっと……親戚っていうかとにかく今は俺の家に住んでるんだ」

……えっ。マジかよ……あんな美少女3人も

うらやましいなぁ〜。

まあ。俺にもいるんだけどな。

「ふ〜ん。そうなんだ」

こんな反応でいいだろ。

「ところで今、暇ですか?」

「大丈夫だぜ」

こうして話しているうちに、墓場に行こうって話になった。

俺も墓場で休憩しようと思っていた所だからちょうどよかった。

俺とアユムは墓場に向かった。



これはちょうどよさそうだし闘いを挑んでみようかな?

「アユムは喧嘩とか強い?」

「まあ。そこそこかな?」

「じゃー勝負しない?俺とアユムどちらが強いか!!」

よし。これでいざとなってのアユムとの闘いに役に立つかもしれない。

「いいけど、負けたらおごりだからな」

作戦成功だ!

始めるぜぇ。

君の能力を試させてもらうよ。

「じゃー俺と闘おう」

「マジで闘うの?」

やっぱり直接闘う方がわかるし。

「じゃー来ていいぜ。俺、意外と強いから油断しない方がいいよ」

「じゃー手加減しないからなぁ!」



「はぁーはぁー」

意外とアユムもやるもんだ。

俺みたいに直ぐに傷が治るし人間の力をはるかに超えている。

まさかだと思うがゾンビだったりするのか?

アユムが魔力を持っているのは知っている。

もしかしたら向こうも知っているかもしれないな。

「100パーセントっ!!」

「おっと、あぶねぇ〜」

連続の攻撃は正直つらい。

だからと言って俺が本気を出すわけにはいかない。

今の俺ならたぶんだがアユムをすぐに倒すことは、できるだろう。

なぜか?

それはアユムが魔装錬錬器というやつを持っていないからだ。

まあ。今日はどんなけ強いかを確かめたかっただけだしもうそろそろ決着をつけたいなぁ。

「じゃー150パーセントっ!!」

「攻撃のパターンが同じだよこんなのだったら反撃できちゃうよ」

っといいながら俺はアユムの腹を殴る。

そのままアユムは地面に倒れるがすぐに立ち上がる。

「もう終わりにしようぜ!!俺の負けでいいからさ」

早く帰らないとミラージュが起きる時間になっちまう。

「ああ。俺ももうそろそろ終わりたかったんだよ」

「龍輝って強いな!どうやったらもっと強くなれると思う?」

「さぁーな。俺にもわかんねぇーよ……でも一つだけなら言える」

「それは?」

「それは、守りたい奴がいるから俺は強くなれる。それだけだ」

どう?

意外とかっこよくない?

「そっか、そうだよな!」

気に入ってくれたみたいだ。

「じゃーまたおごるから」

「おう!」

そういって俺はアユムとわかれた。

それにしてもあいつが魔装少女だなんてありえないな!!

まったく、恐ろしい奴と友達になったぜぇ!!

-7-
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