第十七話目 レベッカとマヌエラをずっと見ていると似ている気がする。 by一斗
二時間目終了時。俺と美香藻は机に突っ伏していた。
「いや、マジ意味わかんねえよ。意味不明だわ。マジ消えろ、勉強。誰だよこんな凄まじく横文字しかない教科書作ったのよぉ?誰だよISなんて物騒な物作ったのよぉ?・・・と言うかなんで略すんだよ英語解らない奴が出てきたらどうすんだよ。絶○先生じゃねーけど英語だらけの世の中に絶望したよ!」
「・・・・・・・・・・・」(返事が無い。ただの屍のようだ。)
上が俺で下が美香藻。いやマジ理解不明。
なんだよイグニッションブーストって?普通に瞬時加速で良いだろ、おい?
シールドバリアってなんだよ?ATフィールドとかベクトル操作で反射とかで良いだろ、おい?
「なぁ!美香藻君。」
「・・・・・・・・・・」(返事がない。ただの屍のようだ。)
「チッ!役立たずめ。良いもん!こんなゴミなんかより約に立つ風紀先生に聞くもんね!」
「誰がゴミよ!この雨合羽マスク不審者丸メガネ!」
「誰が某お彼岸な島の白髪あんちきしょーナルシスト恋人の仇吸血鬼を狙っていたけど吸血鬼化した上に恋人が生きてたせいで吸血鬼側に回って教会の上から落ちて上半身と下半身を切断した主人公の兄貴だ!」
長々しいツッコミだけどこの位言わないと。
「と言うかなんでお前こんな馬鹿なのにここ入れたんだ?個々って偏差値超高い上に倍率もパネェんだろ?・・・・ハッ!お前もしや賄賂を!?」
うわー!事件だ!俺の義理の妹が犯罪者だ!早く警察に行って死刑にしてもらわなくちゃ!
「んなわきゃないでしょ!!!普通にやったのよ!普通に。」
「え?普通に?・・・・ハッ!お前の普通って言ったら暴力だよな?お前まさか!?試験官を暴力で脅したのか!?」
うわー!俺の義理の妹が今度は恐喝犯だよ!今すぐ警察に来てもらってミンチ機に送らないと!
「だ・か・ら!!!普通に決まってるでしょ普通に!!!」
「ふーん。」
「そこでボケないの!?」
「いやまあ。」
ジョークは程々に。やり過ぎ注意。
「まぁ、あれだ俺達は“あれ”よりはましだな。」
「まあ“あれ”よりはね。」
美香藻がひとつの席を指差す。最前列真ん中。つまり・・・・
「おーい。一夏!生きてるぅぅぅぅぅぅぅぅ?」
「一夏くーん。聞こえてるぅぅぅぅぅ?」
「・・・・・・・・・」(返事が無い。ただの一夏のようだ。)
死んでる。一夏君は机に突っ伏して死んでいる。
おーい。頼むからそのまま<奴ら>なって周りの人間を襲うなよ?
・・・いや、俺的には活性死者か。
「いや、そのままで良いじゃないの?学園○示録のままで良かったんじゃ無いの?なんで無理やりバイオに持ってくの?」
「それが俺クオリティ!流石佐々木クオリティ!」
「うるさいわよ!!!」
なんで切れられなきゃなんないの?
「・・・・おい、お前らなんでそんな元気なんだ?」
あっ!やっと活性死者・・・じゃねーや、一夏が甦った。
「元気って・・・俺はもう諦めてるんだ。勉強することを!」(キリッ!)
「上に同じく!」(キリッ!)
「かっこいい顔してなにとんでも無いこといってんだよ!!」
一夏のツッコミ炸裂!これからは志村新○と呼ぼう!・・・あっ!いや、もうその呼び方してるやつ居たんだ。
じゃあ、孫で良いや。
「んでよぉ、孫。」
「誰が孫だよ!俺の名前は一夏だよ。」
「失礼、噛みました。」
「違う。わざとだ。」
「かみまみた。」
「わざとじゃない!?」
まぁ、化○語ネタは置いといて。
「どう?調子は。阿良○木君?」
「誰が阿良々○君だよ!俺は一夏だ!・・・って調子ってなんの調子だよ?」
「あれだよ。箒と再会したんだろ?変わってねえな。あの髪型。」
篠ノ之箒。俺の前に居る織斑一夏の幼馴染みで俺と美香藻の知人でもある。
家が剣道の道場で千冬さんと一夏が通っていた。
俺も気まぐれで何度か見に行って居たが、千冬さんと道場の師範(つまり箒の父)だけが以上にいい動きをしていた。
だってあれだぜ?残像出来てたんだぜ?残像。
どこの雨の日に産まれた戦士だよな全くよぉ。
ちなみに箒は通例の如く天然フラグ建設師織斑一夏に落とされた哀れな一名である。
「どうって、別に久しぶりに再会出来て嬉しかった。・・・って位だけど。」
ちなみにこいつは超が着くほど恋愛に関しては鈍感。お前も雨の日に産まれた戦士かよ!
「ああ、可哀想ね。箒。」
美香藻が正直な感想を言う。全く最もだ!あんな美少女(+α巨乳)に好意を寄せられてるのにさぁ。
死ね!犬に引かれて死ね!(注 微妙に違います。)
「は?なんで箒が可哀想なんだ?」
この鈍感め!叩き潰すぞゴラァ!
「一体どれだけの女の子がこいつに落とされたのかしら?」
「ホントだよ、まったくよぉ。」
「へ?なに言ってんだ二人とも。俺は女子なんてつき落とした事なんて無いぜ。助けた事は何度かあるけど。」
マジでこいつ気がついてねぇ。しかも何処かに落ちかけた女を救ったのか?ほんっとお人好しだなお前。
「実はわざとやってんじゃ無いの?」
「確かにな。」
「は?へ?なに言ってんだ。」
本気で解らないと言うふうな顔をする一夏。いっぺん。死んでみる?
「ちょっと宜しくて?」
「え?」
「何?アンタ。」
「ほわい?」
上から順に一夏、美香藻、俺だ。
なんか訳の解らん金髪ロール青目美少女外人に話かけられました。
え?なんで日本語しゃっべってんの?・・・ああ、俺の頭が勝手に翻訳してるのか。
「聞いておりますの!」
「え〜と。」
「だから、何って?聞いてるじゃないの。」
「ぱーどぅん?」
美香藻!一夏!お前らいつの間にか英語を!?・・・あ、いや。こいつらも脳内勝手翻訳か。
「まぁっ!なんですか、そのお返事は。わたくしに話かけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるのではなくて!」
俺の脳内翻訳は結構きつい事言ってんな、やたらと高圧的だし。
でも現実はきっと超おとなしいに決まっている!
そしてアニメやゲームが好きな訳でもなく、ゴーストバスターでも無く、関西人でも無い。
趣味はきっとチェスとかテニスだろうなぁ。
んで、行動全てが上品で決して声をあらげずに静かにゆっくりと話すと思う!きっと!多分!いつか!
「悪いな。俺、君が誰かさえも知らないし。」
「上に同じく。」
「わっつ?」
確かに、俺も名前は知らないしいい加減、俺の脳内翻訳でも良いから教えてくれ。
「知らない!?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試二位のこのわたくしを!?」
おお!絵に書いたような優秀っぷりだなあ。こいつが二位って事は美香藻が恐らく一位か?
「あ、質問良いか?」
「ふん。下々のものの要求に答えるのも貴族の勤めですわ。よろしくてよ。」
ヘエ〜。一夏の脳内翻訳の中には質問するような事があったんだな。
「代表候補生って、なに?」
がたたっ。と周りの連中(俺も含む)がずっこける。
ここの人間はYO・SI・MO・TOの人間ではありません。
・・・ってか一夏の脳内翻訳でも美香藻の脳内翻訳でも周りの連中の脳内翻訳でも代表候補生って単語が出てきたんだね。すごいや!サイコキネスだね!
・・・・・・ってオルコットが日本語喋ってるだけじゃん。
何だよ!日本語、話せるなら最初から言えよ!無駄に恥かいちまったろぉ!(←逆切れ)
「貴方っ、本気で言ってますの!?」
「おう、知らん。」
絶望した!一夏の馬鹿さ加減に絶望した!!
「一夏。あのね、代表候補生ってのはようするにエリート(笑)なのよ。解る?」
は?なにいってんだ?美香藻。そんな、わざわざケンカを売るような事を。
「そう!エリート(笑)なのですわ!・・・って誰がエリート(笑)ですの!!!」
「のりツッコミってさあ。文字でやるとちょっと痛い人みたいよね。」
「キーーッ!貴女、ケンカを売ってますの!」
あ〜あ。怒らせちゃった。そういうタイプは怒らすと面倒そうだから俺は一人で逃げるわ。・・・んじゃ。
「お待ちなさい!そこの貴方!」
(ビクッ!)「何?俺は今から俺の個人的アイドル宮本風紀に逢いに行くんだけど?」
「よくもまぁ、堂々とこのわたくしの事を無視してくれましたね。」
え?無視っすか。まぁ、俺も無視したからお会い子か。
「ああ、ワリイ、ワリイ。すまん、このとおりだ。通してくれ。」(超棒読み)
「この通りだ。って何もしてないじゃありませんか。」
「心の中で土下座してた。」
「ふざけないでくださいまし!!だいたい貴方は、女性に対する態度がなってません!良いですか女性に対しての態度と言うものは・・・・・」
「はいは〜〜い。聞いてま〜〜す。(右耳から左耳へ)」
ああ、メンドクセ。だいたいなんでこう言うやつは説教が好きかね?
そんな楽しいのか?
「きちんと聞いてますの!」(バンッ!)
おい、あぶねーな。机を叩くなよ。
「男でISを動かせると聞いていましたので少しは出来るかと思いましたが所詮はただの野蛮人ですわね。そこの貴女も。」
うわー。言っちまったよ、おい。空気全体の温度が下がったような気がするぜ。
あ¨!箒がオルコットを超睨んでる。ちょっと愉しくなってきたね。
「ちょっと、アンタ言い過ぎじや無いの?」
超短気な美香藻さんがオルコットに声を掛ける。
おおっ!ケンカになるか!?
「あら?ホントの事言ってなにが悪い・・・」
ガスッ!と音がした。恐らく美香藻さんがオルコットを殴った音でしょう。あ〜あ。やっちまった。・・・俺。知ーらね。
「いきなりなにしますの!」
「殴りたいから殴った。それだけ。」
おおっ!流石だね、美香藻さん。熱いよ!
「別に私の事はどうでも良いけど友達二人を馬鹿にしたのは許せないわ。」
「許せない。と言っても何をするおつもりで?」
小馬鹿にした用にオルコットが言う。・・・死んだな、オルコット。
「こうするのよ!!」
美香藻はそう叫ぶなり既に立って居たオルコットの腹に回し跳び足突き・・・つまりハンクのサイスシュートを放つ。ISを装備しているのなら別だがオルコットは人間、人外である美香藻に敵う訳もなく・・・・
音も無く吹き飛ばされるオルコット。止めようかな?
「ハッ!」
美香藻は掛け声と共に吹き飛んだオルコットに正拳突きを放とうとしたが・・・
「止めんか馬鹿者。」
ガシリと美香藻の頭を掴む我が担任タイラント。
「別にケンカをするのは構わんが今は授業だ。席につけ。」
タイラントの言葉に皆が反応して速やかに席へつく。流石、タイラント!
「何か不愉快な事を考えたか?」
「い、いえ。なんでも。タイラントとか全然言ってませんからね!ホントですからね!」
「ふんっ!」
ドガシャッア!
愛の鞭。有り難うございまあ〜〜す
。