第二十話目 バイオで一番あだ名が多いのはきっとラモン・サラザールよ! by美香藻
・・・・前回の続き
「どうしてここまで弱くなっている!」
「受験勉強してたから、か?」
「・・・・中学では部活は何に入っていた?」
「確か帰宅部だったわよね?一斗と同じで。三年連続皆勤賞!なんちゃって。」
「まぁ、そうだけどさぁ。」
まぁ、ホントは年齢偽ってバイトしてらしいけど。余計な事は言わない方が身のためね。
・・・・あれ?篠ノ之が何か黙ってる。地雷踏んだかしら?
「ーーーーー直す。」
は?何を?
ああ、一夏の鈍感+天然女たらしを?
「へ?何言ってんだ箒?」
「鍛え直す!IS以前の問題だ!これから毎日、放課後三時間、私が稽古を付けてやる!」
いやいやいや。それは流石に長すぎでは?一夏だってやりたい事とかあるんだろうし。
「え¨?それはちょっと長すぎなような・・・・ってか俺はお前にISの事をだな。」
「だから、それ以前の問題だと言っている!」
うわー。凄い怒ってるわねー。ホォローの達人と呼ばれた私にも止めれそうに無いわね。
「情けない。ISを使っているならまだしも、生身の戦いで男が女に負けるなど・・・悔しくは無いのか!」
そりゃあ、まあ、悔しいだろうけどさ。
「そりゃ、まあ、格好は付かないと思うけどさ。」
「格好?格好を気にする事が出来る立場か!それとも、なんだ?やはりこうして女子に囲まれるのが楽しいのか!」
あ〜あ。知ーらない。これで一夏と不仲になっても私は知ーらない。
「楽しい訳あるか!珍獣扱いじゃねーか!その上、女子と同居までさせられてんだぞ!これの何処が楽しいんだよ!」
普通の男子なら楽しいんじゃ無いの?・・・多分。
「わ、私と暮らすのが不服だと言うのか!」
そう叫ぶと竹刀をいきなり一夏に降り下ろす。って危ないわよ!!
「いっつ。」
とっさの判断で一夏を右手で庇ったが物凄く痛い。
嗚呼、私の美しく気高い純白の肌が紅くなってしまう。
・・・・と言うか右手で庇うって某不幸少年じゃあるまいし。私の右手は電撃だって消せないしベクトル操作ができる白髪もやしロリコンにも勝てないわよ!
おっと話がズレちゃった。
「悪りぃ、助かったぜ。美香藻。」
「みんなのヒーロー超天才スーパーウルトラ品行方正完璧美少女美香藻ちゃんは性別なんて気にしないでみんなを助けるから良いって事よ!・・・と言うか篠ノ之!!危ないじゃないの!私が庇って無かったら一夏が死んでたかも知れないのよ!」
いや、まぁ、実際は骨折程度だろうけどね。
「じゃまをするな!佐々木!私が一夏に教えているんだ!!」
「アンタの教えるって、何?体に教えるって感じ!?SMプレイなの!?と言うかそんな事してたらホントに死んじゃうってボロボロになって死んじゃうって!!」
思わず銀○っぽい?突っ込みをしちゃったけど。どうやらギャグでは流されないらしい。
「一夏に教えるのはこの私だ!貴様に邪魔される筋合いは無い!」
「いや、アンタ普通に一夏嫌いなんだね?そうなんだね!そうじゃなきゃアンタそんな事言わないもんね!!」
若干、話が噛み合って無い用な気がするけど私は気にしな〜〜〜い♪
「昔からそんな事ばかり言って邪魔をして、そんなに楽しいのか!!」
「楽しいのか!って・・・楽しい訳無いでしょ!人がせっかく殺人行為を止めてあげてるんだから、少しは感謝しなさいよ!」
どうでも良いけど一夏が私達を止めようとしてるけど私は何も聞こえな〜〜〜い♪
「貴様に怨みこそあれど感謝なんてあるかぁ!!」
そう言っていきなり竹刀で切りかかってきた。・・・否、この場合殴りかかってきた。って方が正しいか。
「一夏。ちょっと竹刀を借りるわよ!」
喋りながらも最初の一撃を後ろに下がる事で避ける。
「いや、俺が止め・・・」
一夏が言い終わる前に竹刀を奪い取り、篠ノ之の二発目を受け止める。
「クソッ!」
一斗が居たらもうちょっと穏便に済ませれるだろうけど、生憎私は言葉より拳の方が得意なのよ!
「アンタみたいにやってたら絶対に一夏を振り向かせれないわよ!!」
「なっ!?」
二発目を受け止めた自らの竹刀を篠ノ之の方に押し出しながら防具の胴の辺りを狙う。
「ドォォォォォッウ!!」
押し返した竹刀を横に動かし真っ直ぐ胴に当てた。いえ〜〜〜い、私の勝ち!
「良しっ!華麗に決まりました!美香藻選手!点数は・・・なんと!?百点満点です!!」
「ま、まて!まだ勝負は着いていないぞ!」
「え?てっきり竹刀で攻撃してきたから剣道勝負かと思ってたんだけど?違うの?」
え?何か違う勝負だったの?
「美香藻。お前ってさ。」
「なによ?」
急に一夏が話掛けてきた。
「やっぱ良いや。」
「ちょっと!気になるじゃないの!」
本当になんなのよ!
「おい!」
「何?」
もう一度戦うのは御免デスヨ?
「私と一緒に一夏を鍛えてくれ!」
「はぁ?なんで私がそんな面倒臭い事をしなくちゃなんないのよ!そういうのは一斗に頼んでよ!」
「奴は頼り無い。それにお前は久しぶりに会って戦ったがやはり強い。お世辞では無く。」
まぁ、一斗は緊急時以外は全くと言って良いほど役にたたないけどさ。
「そういう事だ。良いな!一夏。」
「ま、まぁ、そりゃ教えてくれる奴が増えるのは嬉しいけどさ、やっぱり美香藻にも都合ってもんがあるだろ?」
言えない。実はこの先一週間なんにもやることが無いなんて言えない。
「う、う〜ん。どうしようかな?ま、まぁ、どうしてもって言うなら私の忙しい用事の合間を縫って教えてあげても良いけど?」
珍しい。私が嘘を吐くのにこんなにも罪悪感を感じるなんて。
「本当か!?良かったな一夏!」
「ああ、ありがとう!美香藻!」
「う、うん。礼には及ばないわよ。うん。礼には及ばない。うん。」
どうでも良いけど、アンタらさっきまで喧嘩してたわよね?
そんなに早く仲直りって出来るもん?
私には到底無理ね。
「え〜と。じゃあ、取り合えず走りましょう。グラウンド二周。」
「行こうぜ、箒。」
「ああ。」
まぁ、良いか。仲が良いのはどんなときでも良いことだしね。
「あ、その前に防具とか脱がなきゃ。」
「「あ¨。」」
結局、外へ走り出すのは十分程遅れた。トホホ。