第二十二話目 ウェスカーの厨二病は死んでも直らない by一斗
「ああ、一夏負けちゃったわね。」
「Zzzzzzzz。・・・・ん?何。」
「寝るなぁぁぁぁぁ!」
皆さんこんにちは!人が真面目に戦ってんのに平気な顔で熟睡してた佐々木一斗だよ!
現在、織斑一夏VSセシリア・オルコットを不真面目に観戦してました。
「アンタってこう、戦いに対する血気の向上とか無いの?」
「人をみんな、テメェみたいな格闘バカにすんじゃねぇよ。格闘バカ。」
「格闘バカ言うな。・・・でもあれよねぇ。」
「あぁ?」
「なんで一夏にだけ、専用機が行ってアンタには専用機が来なかったのかしらね?」
「イケメン補正。ってやつじゃねーの?」
ISには専用機と言う物が有る。解り安く言うならば赤色に塗った通常の三倍の速度で動けるモノアイパワードスーツみたいなもん。
ただ、モノアイパワードスーツと違ってISに必ず必要な部品“ISコア”の数が限られているため専用機の数も自然と限られて来る。
んで、その専用機とやらを一夏君は一足先に政府の支援で手に入れたらしい。
「いや、そんなトンデモ理由な訳無いでしょ。あれよあれ、あのISの開発者が一夏に関係してるからじゃないの?」
「さぁ?」
俺もよく知らんが、そのISの開発者がポニーさん(箒)の親族らしくて、
更にその関係で一夏とも親しくなったらしい。
なんでもそのISの開発者、中々ぶっ飛んでる用でたった一人でISを基礎から組み立てて、謎のエネルギーを構成。それをIS起動エネルギーに変えたらしい。
ホント、何処のレオ○ルド博士だよ。またはク○ルかよ!
「と言うか一夏帰って来たからアンタもさっさと出た方が良いんじゃ無いの?」
「ん?ああ、敵さんの補給が終わるまで待たなきゃいけねえし。・・・と言うかお前も戦うんだろ?」
「糖分の神が私には憑いてるのよ。」
「言いたい事はよくわからんが兎に角勝つって事ね?」
うん。何回も聞くけどコイツの糖分の神は理解不明だわ。
「ってかマジでその格好で行くの?」
「おうよ!ウェスカーパワー全開だわ。マジで。」
今俺が着ているのは特注のISスーツ。(ISスーツはISを最も動かし安くするための服)全身ピッチリ黒一色。皮っぽい素材。両脇下をなぞる用に延びるホルスター。後ろ腰にあるナイフ。
そう、5の初戦ウェスカーの服装、瓜二つである。(サングラスもオールバッグも健在。金髪じゃねえけど。)
ちなみに大佐達の組織に発注した。
「これでクリスがアクレシアを倒した用にあの貴族ちゃんを叩きのめす!!」
「いや、ウェスカー、あん時アクレシアにボコボコにされてたよね?それって負けるんじゃ?」
ちっちゃい事は気にするな!!
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彼女はアリーナの中央に蒼の鎧を纏い、宙を浮かんでいた。
既に補給は済み、後は対戦相手を待つだけなのだが。
(一体、何分待たせるつもりかしら?)
心の中の苛立ちをそのまま顔に出しながらも彼女は待った。
「へいへいへい。遅くなってサーセン(笑)武装選ぶのに時間かかちゃって(笑)」
「遅いですわ!一体わたくしがどれだけ待ったとお思いで!!」
彼女。・・・セシリア・オルコットの声が空気を振動させる。
その声を右から左な男。・・・佐々木一斗。
「ああもう、うるせぇなぁ。トラップ作りもテレポートも出来ねえ癖にギャアギャアほざいてんじゃねぇよ。」
「はぁ?」
正直言って彼女には彼が何故、訳の分からない技術が出来ないからと言って非難されるのか意味が分からない。
彼が言ったのはアニメ作品の御嬢様言葉を話すキャラクターの事だったのだが彼女が知るよしも無い。
「いや、解んないなら良いや。さっさと始めようぜ。」
若干機嫌を悪くしたような表情をしながらも彼の纏うIS『ラファール・リウ¨イブ』が戦闘態勢に入る。
「それは此方の台詞ですわ!」
そう言い、彼女の機体『ブルー・ティアーズ』も戦闘態勢に入る。
ジリジリと息も着かない緊張感・・・を放っているのはセシリアだけだ。
何しろ彼女は一回、IS無しとはいえ一斗に敗北している。
嫌でも緊張せざるおえない。
対する一斗は呑気に耳をホジっている。
「随分と余裕そうですけど、このわたく・・・ってきゃあ!」
セシリアが喋ろうとした瞬間、一斗はいきなり彼女の方に突っ込んできた。
「いきなり卑怯ですわよ!」
「生憎ながら卑怯は俺の特権でねぇ。・・・それに、」
彼は一度、言葉を切る。
「もう、戦いは始まってんだよ。テメェがこの世に産まれた時からな!!」
と。突如の方向転換しながら咄嗟の動きに反応しきれていなかったセシリアに平進掌底を放つ。
だが、彼女は寸前の所で彼の攻撃を避ける。
「IS戦闘に武器無しとは舐められたものですわ!」
そう言い、持っていた二メートル強のレーザーライフル『スターライトmk-lll』を構える。
「んな、でかい得物でこの俺を捉えられると思っちゃってんの?・・・まぁ、武器を出すってんなら此方もその気にならねぇとなぁ。」
そう言いつつも魔法の用に彼の両手には一メートル弱のやけに機械的なランチャーが現れている。
彼はそれを構えいきなり引き金を引いた。
最初、彼女はランチャーの方から攻撃が来るのかと思っていたが何も来ない。
だか・・・・・・
空から極太の青色のレーザーが降ってきた。
セシリアは咄嗟に横にずれて逃げたが逃げ遅れたスターライトmk-lllと腕の装甲の一部が起動不能なまでに溶ける。
「は?」
彼女が感じたのは恐怖や驚きでは無く呆れだった。
(シールドエネルギーを一撃で破るなんて、一体どれだけ馬鹿げた威力をしてますの!?・・・と言うかISアリーナのシールドを破る程ってどうなってますの!?)
そのセシリアの疑問を見透かした用に一斗が嬉々として説明を始める。
「我らがシンシゲート(大佐の組織)が新たに現実に還したバイオウェポン!!衛星砲ディンゴだ!!」
堂々的な宣言と共にランチャーを構え直す一斗。
「こいつは地球軌道上にある衛星“ディンゴ”に向かって位置情報を転送“ディンゴ”が目標地点到達と同時に正確な射撃位置情報を計算、数秒後にはミクロ単位の誤差も許さずに目標へ照射開始、あっという間にISだろうがなんだろうが起動不能さ。」
彼は得意げにランチャー式位置情報発信機を構えながら言葉を続ける。
「今日はちょうど“ディンゴ”がこの近くにあるからな、ここまで来るのを待たなくてすんだぜ。」
嬉しそうに顔を歪める一斗。
「まぁ、一回撃つと衛星自体を冷却しなきゃいけないから連射は出来ないんだけどね。・・・全く宇宙の温度で直ぐ様冷やしゃ良いのによぉ。」
最後には残念そうにランチャーを背中に預ける彼。
「くっ!・・ですがいくら威力の強い武器を持った所で扱う人間が素人であれば意味はありませんわ!!」
「哀れだなぁ。」
何処か遠くを見るような目でセシリアを見る一斗。
「一方○行じゃねぇけど。それ本当に言ってんなら抱き締めてキスしても足りない位哀れだわ。」
実にめんどくさげに怠惰その物の表情で言う。
「俺が素人っつうなら織斑千冬は普通の主婦だっつうの。」
本当にめんどくさげに彼は言う。・・・そしていきなり文字通り飛び出した。
またもや会話に気を取られていた彼女の反応は遅れる。
「瞬時加速!?」
「ウェスカーダッシュと呼べ。」
瞬時加速。改めてウェスカーダッシュを行った一斗はセシリアの懐に入る。
だが・・・
「かかりましたわね!!」
彼女のISの腰の部分の装甲が開きミサイルビットを放とうとする。
「ンだァ?その思わせぶりな表情はァ?・・・って解る訳無いかこのネタ。」
一斗はミサイルビットを撃とうとして完全に無防備になった顎にキックオフを決める。
「グフッ!」
思わず舌を噛みそうになった彼女が慌てて舌を元の位置に戻した時には既に一斗は次の動作に移っていた。
「まずはジャブ。」
軽い右打ち。
「次にフック。」
左打ち。
「最後にストレート!」
空中で腰を入れながらの強力?な一撃が彼女の眉間に突き刺さる。
無論、ISを装備しているので吹き飛ばれる事は無いが彼の腕力にISのパワーアシストも加わりシールドエネルギーを破る。
「さーってとそろそろ終わりにすっか。早くバイオやりたいし。」
後半戦に続く。
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