第三話目 今日から俺は佐々木 一斗ではなく佐々木 一斗R (リスボーン)だぁぁぁ! by一斗
「ブェックション!」
「どうしたの?一斗。風邪?」
「いや、何か俺の事をまるまる一話使って誰かが話してた気がしたから」
「?」
皆さんこんにちは!今日も元気にメタ視線、年は六才 心は大人がキャッチフレーズの佐々木 一斗だよ!
突然で悪いけどみんなは監禁された事って有るかな?
俺はねぇ、前世で二度程あるんだよねぇー。
しかも、どっちも知り合いに。最も二人に悪気はなく。俺の事を守る、的な理由で俺を監禁したらしい。カレンダーな吸血鬼高校生の用な気分になっが、少し嬉しかった。
おっと話がずれてしまった。
まぁ、ともかく俺が何を言いたいかと言うと。
絶賛監禁中でーーーーーす。
そう、目を覚ましたと思ったら此処にいたんですよ。
この訳のわからん研究所の用な所に。
最初は驚きましたよ、はい。こんな、訳のわからん場所に来て。でも、もう慣れました。
慣れって怖いね♪
風紀の奴、今度合ったら文句言ってやる!
「本当に大丈夫?」
やべっ!妄想の海に逝ってたらこいつの事、忘れてた。
「ごめん、ごめん。ちよっと、妄想の海に逝ってたからさ。」
「はぁ?」
こいつの名前は美香藻(みかも)。俺の研究所(仮)監禁生活の同居人である。
年齢 六才
身長 現在の俺と同じ位
性別 女
まぁ、一言で言うと面白い奴で、あっという間に名前で呼び会う仲になった。
話相手がいないと言うのは意外にもきつかったので何げに助かってる。
だが、此処がどういう所か解らない以上手放しでは喜べない。
さて、どうやって脱出しよう?
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俺が転生してから約一年後。
え?飛ばしすぎ?良いじゃん特に何かあった訳じゃ無いし。
まぁ、強いて言うなら俺と美香藻が謎の実験を受けたこと位か←充分大事です。
謎の黄色い膿の用な物を腕に注射で打たれた。特に変わった事は無いが、その分気味が悪い。
あぁ、後は少しだが此処の事が解ってきた。
此処はどうやら人体強化?実験場らしい。
時々聞こえてくる、警備兵の話を断片的にまとめただけなので正しいかどうかはしらんが、どうやら、俺ら以外にも監禁されてるガキがいるらしい。
まぁ、助けようとも思わんがな。
ただこんな呑気な事言っていられない事態になった。
2日ほど前、俺達の監禁室の前を見るも無惨な人間の死体が運ばれていった。
恐らくは何らかの実験のせいでそんな状態になったのだろう。と予想はついた。
だがそれはどうでも良い、問題なのは俺が今、恐らくその実験を受けそうになっている。と言う所だ。
嫌だなぁー
まだ、死にたくないなー
せっかく転生したのに一年で死ぬとかマジ勘弁。
人間、死が近づくと冷静になるもんだねぇー。
出来れば一生、気づきたく無いことだった。
ってか、こうやって実験台の上にいるとまな板の上の鯉みたいな気分だな。
「これから、実験番号T-103番の実験を開始する。」
忙しそうに動き回っていた研究員の一人が言う。
お!番号がタイラント(ラクーンver)の型式番号と同じだ!超嬉しい♪
そして、俺の左腕の静脈に薄紫の薬品?が打ち込まれた。
いよいよか。
それは、唐突に始まった。
「ぐっ!んがっ!」
左腕の静脈から全身に焼けただれた鋏で切り刻まれるような痛みがはしる。
身体中から汗が吹き出す。
皮膚の下で何かがうごめいてる用な不快感。
息が荒くなっていく。
段々体の感覚が無くなってきて、さらに痙攣を始める。
もう、体が言うことを聞かない。
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル
ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル
しかし、それは始まった時と同じ用に唐突に終わった。
まるで、曇った硝子を雑巾でふいたかのように。
何もかもくっきりと見えた。今までの人生をずっと目をつぶって生きてきたかのような気分だった。
・・・・・・・
そして、俺は思い出していた。
高温で高圧の地獄の用な環境で生まれた原始的な生命である自分を。
初めて、増殖することを可能にした有機物である自分を。
そして、骨格を手に入れ、脊椎を作り出し、小さな脳みそを生み出した己を。
やがて、人と呼ばれる生物になるまでの三十八億年の歴史を。
そして、俺は悟った。
自分が今、その進化の頂点にいることに。
俺は笑った。心の底から笑った。
そして、俺は赤黒く変色した眼で成功に歓喜する、研究員達を見る。
人間と言う、偉大な歴史の中で生まれた下等な生物を。