第五話目 はぁーメンドクさ。by一斗
俺は夢を見ていた。深い深い海の底にゆっくりと漂ってる。
夢何て見るの何年振りだろうか。三年?五年?いや、もっとだ。
久しぶりに見た夢が海なんて最悪だ。俺は海だろうがプールだろうが水に入る物はほとんど嫌いなんだよ。
あ!誰かが此方に来る。横に美香藻を抱えて。何で俺の夢の中まで出てくるよ?
ワケワカンナイ!
あ、ヤバいな意識が薄れて来たYO!
逝っちゃうん。
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唐突に目覚めた。見知らぬ天井が見える。
映画版バイオみてーな目覚め方だなおい!
嫌だよ俺、レーザーメス避けたり、リッカーと戦ったり、アンデットの大群と戦かったりとか。
「目が覚めたか。」
「うい?」
俺の目の前にえらく背の高い男がいた。体格は線が細いが筋肉質で、髪の毛は俺よりも少し長い位。まぁ、顔はかなり整っていていわいるイケメンっていう人種だろう。
どうやら、武器の類いは見たところ持っていない。が、信じれる訳でもない。
この男が放つ異様な気配、散々修羅場を潜った挙げ句に出来る用な気配である。最も、こんな気配無くとも初対面の人間を信じるほど俺は馬鹿では無い。
「あんたは?」
「ん?僕?僕は佐々木 萩(ささき はき)だよ。そういう、お前は?」
「俺?教える程の者じゃない。」
相手に情報を渡さない戦いでは最も重要なポイントだ。相手の素性が知れない以上無闇に情報を渡したく無い。
しかし、名字が同じだな。
「まぁ、教えたく無いなら良いけどで?お前達は彼処で何をやってたんだい。」
ん?お前達?
「おい!アンタ、お前達って事は俺、意外にもいたってことか?」
「彼女も同んなじ反応をしてたぞ。お前達二人とも知り合いか?」
「どこだ?」
「此方の部屋で寝てるぞ、少し疲れたみたいで。」
別にドタドタ走る訳でもない。あくまで冷静に冷血に非道に行く。って最後の要らなくね!
「ここか?」
「うん。」
俺が二階に(この、家は三階建てらしい、なにげに金持ちかこの家?)いて、美香藻は一階に居た。しかも、意外に適用していた。
ふざけんな!俺の心配を返せ!(そこまで心配していません。by作者)
んっでまぁー とにかくあれだ無事で良かった、うん。
「良かった、良かった。」
「何が良かったの?」
やべっ!声に出てた?」
「うん、出てる。」
おい、嘘だろー。いたい人確定じゃん。嫌だ、嫌だ。
「で?お前達は彼処で何やってたんだ?」
「「彼処って、どこ?」」
二人の声がシンクロした、すげーなおい!でも、彼処って何処?
「とぼけんな、あんな海のど真ん中で沈んでりゃあ誰だってそう思うだろ。」
あーあー、はいはい。そうだ、思い出した。俺らコプターから飛び降りたんだ、んで、海を漂流中にこの人に助けられたと。てか、なんでこの人こそ、そんな所にいたんだか。
「ダイビングだ。」
「そうすか。」
言ってもいないのに心を読まれた。
ナニコレコワイ!!!
「で?何であんな所にいたんだ?」
普通に考えたら謎の研究所とか謎の薬品を打たれたとか言っても子供の冗談だとかたずけられるだろうし。
ここは適当に誤魔化すか。
「え〜と、俺達は遠い星k・・・「変な研究所からヘリで脱出してきたの。」いきなりばらすなよ!」
しょうがない全部話すか。人間諦めが大事だ。(俺は人間じゃ無いけど。)
かくかくしかじか・・・・・説明中、説明中。
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「え〜と、じゃあお前達は謎の非合法研究所で実験を受けた実験体でそこからヘリで脱出してきたと。」
「「コクコク。」」
まぁ、こんなこと信じる大人もいるまい。はぁ、今夜の寝床どうしよう?
公園のベンチにでも行ったら不良とかにリンチられそうだし、道端にでも寝れば不良とかにリンチられそうだし、廃工場とか行ったら不良とかにリンチられそうだし。あれ?何処行っても不良にリンチされるしか選択肢無いじゃん。
「その話を聞く限りじゃお前達行く所無いんだろ?」
え?さりげに信じられてる?
「まぁ。」
「じゃあ・・・
萩は充分に溜め。
「僕の家にこないかい?」
「「はぁ?」」
二人の声がしっかりシンクロした。