小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第八話


 さて、あれから数日。その後もガジェットは出てくるものの【不の者】が出てきていない。これはこれで不気味だ。

葵「というわけだ。ティーダとゼストさんには申し訳ないが頼めるか」

ゼ『あぁ。それぐらいなら構わん』

ティ『そうだ。俺たちは友だろ!』

葵「ありがとう。それからもう少しで応援も来る。御三家の方には話がすでに言っているからな」

 あいつらが来たらこちらとしても戦力は大きく跳ね上がる。

ティ『しかしよくやるよな。本当にそんなことが可能なのか?』

ゼ『まぁ、お前のことだ。無理でも無茶でもなんでも押し通して進むまでなのだろうな』

葵「そう言うこと。済まんが頼む」

ティ・ゼ『『了解』』

 さて、なぜこうなったのかというとつい数十分前。



は「というわけで出張任務です!」

葵「・・・どういうわけかは知らんのだが?」

 執務室ではやての書類整理を行いつつリインに簡単なやり方を教えているとはやてがそう言い始めた。

葵「出張任務というわけで全員に集まってもらった」

 一応目の前には隊長副隊長達。

は「聖王教会からの依頼でな、私らが行くことになったんや」

葵「ということはカリムからの依頼か」

な「はやてちゃん。任務の内容は?」

アイン「高町。ここに回ってきたということはレリック関連ではないのか」

ヴィ「まぁあたしらはレリック関連の専門だからな。あれ? でも葵がいるから【不の者】関連か?」

ヴェ「それはない。ミッド以外に現れたという情報はないから」

 一応偵察部をいろんな場所に派遣し探索を行ったがそういった情報はない。もしかしたら殺されたという可能性もあるかもしれないと考えたが全員の無事が何よりの証拠だ。

は「レリックの可能性もあるんやけど、一概に管轄外とも言えんねん。その派遣先の管理外世界に現れたロストロギアっていうのが正体不明なんよ」

孤「・・・どこも人手不足だからお前らがやれ! と言われたようなもんだねぇ〜」

は「うっ・・・ま、まぁそうなんやけどな。その鉢がここに回ってきたんよ」

 よよよっと嘘泣きをしているのが丸わかりの演技。

フェ「こ、孤狐・・・・。は、はやて、それで派遣先は!?」

 ごまかすようにあわててはやてに聞くフェイト。

は「よくぞ聞いてくれたフェイトちゃん! 派遣先は地球や! しかも場所は海鳴市!!」

な「ほ、本当なの!?」

フェ「本当に海鳴市なの!?」

アリ「わ〜い。母さまとアルフ、リニスに会える!」

 三人は喜んでいるが、

葵「・・・あそこは本当に何かあるのか? というか場所自体が大きい魔法遺跡じゃないのか?」

 私が現れ、なのはは魔法と出会い、フェイトと出会い、夜天の書が現れる。なんだこれ? 魔法を呼びこむ力でもあるのか?

 まぁよく見えるとシグナムやヴィータもかなり喜んでいる。

は「はい! という訳で、現地の民間協力者に連絡をとり、転送ポートの準備をします!みんなも準備してや」

隊長副隊長「了解!」

 皆やはり戻れると思い喜んでいるな。敬礼しながらも笑顔だ。

葵「そうだ。はやて」

は「ん? なんや?」

葵「リオとコロナを連れて行ってもかまわないだろうか?」

は「そうやな。お留守番させるのもかわいそうやしな。ええよ連れてっても」

葵「ああ。では娘達の準備でもするか」

ヴェ「私たちも手伝いましょう」

孤「ボクも〜」

 そういって準備に取り掛かり、数十分後前線メンバーとロングアーチ、シャマルにリオとコロナ、そしてガーディアンの私たち三人転送ポートへ行くため移動中。移動中に少しでも知識を得るためなのかティアナが地球の情報について調べていた。

キャ「第97管理外世界、文明レベルB・・・」

キャロはモニターを見ながら呟く。

ティア「魔法文化無し・・・次元移動手段無し・・・って、魔法文化無いの!?」

ティアナは地球に魔法文化が無いことに驚く。

ス「無いよ。うちのお父さんも魔力ゼロだし。」

スバルは当然のように答える。スバルのご先祖は地球人らしい。

エリ「スバルさんはお母さん似なんですよね?」

ス「うん、そうだよ」

ティ「いや・・・、なんでそんな世界からなのはさんや八神部隊長みたいなオーバーSランク魔導師や、葵さんみたいな人がと思って・・・」

は「まあ突然変異というか、たまたまみたいな感じやな?」

葵「まぁ私はもともとが違うけどな」

 ティアナは突然の声に振り返ると、そこには葵とはやてがいた。

ティ「へ? あ、すいません!」

はやて「ええよ、別に」

 葵とはやてに続き、なのはも言った。

なのは「わたしも、はやてちゃんも魔法に出会ったのは偶然だしね。まぁ葵君は違うみたいだけど」

は「そやね。葵君は別世界の住人やし」

フォワード「「「「へ〜。・・・え!?」」」」

 そんなやりとりをしていると、リオとコロナが葵に話し掛けてくる。

リオ「お父さん! 別世界の住人ってどういう意味ですか!?」

コ「地球の人じゃないの!?」

葵「地球だよ。ただし平行世界のな」

ティア「平行世界。つまり可能性の世界ですか?」

葵「そう言うこと。私のいた地球となのは達のいた地球の根本的違いは魔法の存在の有無だ。私がいたところは世界人口の98%が魔法を保有していた。孤狐もその世界の住人で神族に当たる」

リオ「しんぞく?」

孤「神様のことだよ。まぁ実際は私がじゃなくて私のお母さんがなんだけどね。でも神様の血は引き継いでるね」

コ「孤狐お母さんは神様だったんですか!?」

ティア「というか98%の人間が魔法を保有!?」

葵「こっちに来て感じたが私の元いた世界はかなりでたらめだったみたいらしい。神族、魔族、精霊なんでもありだったからな。まぁ私が使っている魔法がミッドでもベルカでもないことがいい例だろ」
リオ「お父さん。地球ってどんなところですか?」

コ「お父さんのいた地球とかとどう違うんです?」

葵「大きな違いはさっきも言った魔法の有無。後は大差ないな。自然も豊かで科学もミッド並みに進んでいる。ミッドとの違いも魔法の有無だろう。後は変わりはないな。自然も、そして人も」

 結局どこへ行っても人は人だ。何も変わらない。欲にまみれ、そのために犠牲をいとわない。子供であっても。

コ「お父さん、大丈夫ですか?」

葵「え?」

リオ「暗い顔をしていましよ?」

葵「そ、そっか。すまないな」

 そういってごまかすように二人の頭をなでる。

コ「ふにゃ〜〜///」

リオ「んっ///」

 二人に心配されるとはな。

 その後は地球についての話と私がいた世界の話をした。そこでどうして強くなったかについてエリオが聞いてきたので、

葵「・・・・死ぬ気だな。変な意味でも何でもなくいろんな意味で・・・本当に何回死にそうになったか・・・魔力ゼロの状態でナイアガラの滝からつき落とされた時はホントに死んだと思ったな〜・・・」

ティア「あ、葵さん!?」

 過去を振り返って軽い鬱になりそうだった。

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