小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二十話


 あの後ヴィータと合流し、陣形を整えた。

ス「あ、葵さん今のは?」

葵「私の世界から呼び寄せた援軍だ」

ティア「そんなことができるんですか?!」

葵「御三家、神様に頼んでな」

エリ「か、神様って・・・」

キャ「お父さんの世界っていったい・・・」

ヴィ「御三家って、あのじいちゃん達か?」

葵「あぁ。それよりも今は前の敵に集中しておけ」

 私は両翼刀を構える。

ギ「あ、あれはいったい・・・」

???「ほぉ、テメぇが親父が言ってた完成形か」

 そこに立っていたのは人とは思えないほど白い体をしているが、どこかチンピラを連想する言動。それに反した我体の良さ。

葵「あいつを父と呼ぶとはな。今の【不の者】は相当な愚か者か?」

???「けっ、親父はスケェんだよ。この世界を一から作り直すっていってんだからな!!」

葵「屑が。全てを壊した後に再生することのどこが作りなおすというんだ?」

アフェ「この腐った世界はそうしないと変わらねぇだろ? まぁいい。親父もお前とは敵対することは想定していたみたいだしな。冥途の土産に教えてやる。オレの名はアフェシオ! お前と同じ双剣使いだ!」

 そういって禍々しい赤と黒に染まった剣を出す。

葵「〈お前らはガジェットを叩け。あいつは私が・・・殺す〉」

 その言葉には明確な殺気が込められていた。

アフェ「おぉ、恐えぇ、恐えぇ」

 一気に間合いを詰め、

―ガキィン

葵「ほぉ。受け止めるか?」

アフェ「いきなりとはご挨拶だねぇ?」

 相当できるな。

 それに構わず、一閃、一閃と隙のない攻撃を続ける。

アフェ「それで本気か? 【鬼神】?」

葵「!? ほぉ。もう一つの異名を知っているとはな。だが、挑発のつもりか?」

 切り裂き、そして突く!

アフェ「グボォッ」

 もろに腹部に刺さったが、

葵「あの一瞬で避けたか」

アフェ「・・・へぇ、やんじゃん。こっちも楽しませてもらうぜ!!?」

 すると、双剣が形を変える。木の枝のようにいくつにも枝分かれをし、そこから樹液の用に何かが滴る。

アフェ「これは猛毒でな、ちょっとかすっただけでも致命傷だぜ?」

 もう一度剣を構え直し、

葵「はぁぁああああ!」

 再び剣劇となる。

葵(そこ!)

 剣を相手の腕を捕えた。だが、器用にも相手は枝分かれした刃の間に剣を挟んだ。だが、

葵「!?(剣が!?)」

 すると、まるで生きているかのように黒翼刀を間に挟み込んだ。

葵「くっ・・・」

 刀を手放し、

葵「ジャッジメント!」

 剣ごと爆発させる。だが、

アフェ「ヒャァアアア!」

 攻防が一気に入れ替わった。だが、

ヴィ「葵!?」

葵「・・・大丈夫だ」

アフェ「えらい余裕じゃねぇか!?」

 だが、突然念話が入った。

???「〈兄貴! 1、2、3で目をつむってくれ〉」

葵「〈アギト? 了解した〉」

アギ「1、2、」

 そして、三のタイミングで距離を取り目をつむる。

アギ「Starengeheul!」

 すると轟音と共にまばゆい光が辺りを照らす。

アフェ「ぐっ!?」

葵「ガリュー!」

 すると、ルーテシアの人型召喚獣が現れ、同時にアフェシオの腹めがけ蹴りを入れる。

アフェ「ガハッ!?」

 それと共にアフェシオは機を失った。

葵「チェーンデストクレッシェンド」

 そして、魔法を封じる拘束魔法と、物理的に拘束する鎖でアフェシオをしばりつける。

葵「ヴィータ悪いがお前のところの魔法でバインドをかけといてくれ」

ヴィ「お、おぅ!」

 だが、アフェシオはすぐに目を覚まし、

アフェ「フフフッ、アハハハハッ!!」

ヴィ「なにがおかしい!!」

アフェ「ここに貴様?がいることは親父も分かっている。にもかかわらず俺一人でここを任すと思うか?」

葵「・・・・囮か」

ヴィ「・・・まさか、ヘリが!?」

アフェ「そうだよ! お前はまた大切な者を守れない! 友がまた、仲間がな!!」

ヴィ「!?」

―ゴスッ!!

 そのままアイゼンで、そいつの胸元をぶん殴ると、

―パリィン

 何かが砕け散る音がした。

アフェ「〈負けちまった・・・後は頼むぜ〉」


SIDEヘリ


???「〈・・・アフェシオ・・・あなたの死は無駄にしません! あなたの意志はボクが!〉」
 そういってビーム砲を二つ構え、

???「ディノス・ヴァレスター!」

 すると、赤と青の光がヘリに向かって一直線に向かう。

ヴァ「!? 高エネルギー反応!?」

 そして、

―ズガァアアアアアアン


SIDE out 


 ヴィータもそれを見ているしかなかった。

ヴィ「・・・あ・・あぁ・・」

葵「まぁ、これぐらいで落ちるとは思わないがな。竜也。砲撃主の位置を割り出せ」

ヴィ「!? 葵、てめぇ!」

葵「落ちつけヴィータ。あそこにはだれがいた?」

ヴィ「シャマルにヴァイス、ヴェルにお前の部隊のやつら」

葵「まぁな。それにあの攻撃は物理攻撃。だがそれに対応できる連中はあそこにはいない」

ギ「じゃ、じゃあ」




 司令部でも混乱していた。ただ一人を除いて。

竜「反応確認。朱音、ヘリの状態は?」

朱『問題ない。座標は?』

竜「今から転送する。頼む」

グリ「!? あなたは仲間を信じていないんですか!? ヘリを落とされたというのに!?」

竜「グリフィス准尉。一つ聞こう。俺はなぜ高町一等空尉とあいつをヘリの護衛につかせんたんだ?」

グリ「・・・あ!」




ヴィ「じゃ、じゃあ!」

 ヴィータは再びヘリの方を見ると、炎の壁と、ピンク色の壁が二重になって守っていた。

葵「獄炎の姫君。力は健在か」





 一方のヘリはというと。

ヴェ「! お前は何者だ!?」

ウェ「とまるっす!」

ノーヴェ「敵か!?」

アイン「・・・まて、こいつは」

朱音「さっき竜也から連絡あったでしょ。私は卯月(うつき)朱音(あかね)。ガーディアン所属二等空佐」

 すると、なのはが、

な「その人のことは本当だよ。葵君の世界の人らしいよ」

朱「さて、座標も貰ったし」

 すると、一瞬でその場から消えた。





???「ばかな!?」

 【不の者】はというと確実に撃ちおとした自信があったのか、それが失敗したことに驚いていた。

朱「あんた? さっきの砲を撃ってくれたのは?」

???「貴様!!」

朱「名前いいなよ。聞くだけ聞いてあげる」

ジャ「ジャネットだ。あまり調子に乗るなよ、獄炎の姫君!」

 ジャネットは砲を撃つが。

朱「遅い。目に見えるほど。面白くもない。瞬殺する」

 朱音の腕には赤い炎がまとわり、

朱「獄炎・・・拳嘗覇!!」

 迷いなくジャネットの顔面をぶん殴ったと思うと、

朱「煩悩の数だけ死ね。108連撃!」

 そういって蹴りを連続で蹴り続け、最後の一発に炎を宿し、

朱「滅べ、そして塵も残さず燃え消えろ!」

 にわかに信じがたいが、蹴りで朱音はジャネットを切り裂いた。そして周りから燃え始めた。

ジャ「クソクソクソクソ!!」

 それを最後にジャネットは消えた。

葵『お疲れ。朱音』

朱「もう少しやりごたえがあると思ったんだけど」

葵『無かったか?』

朱「えぇ」

 
SIDEフェイト


 あのウルナという女性が参戦して、さらに竜也という男性から情報によって的確にガジェットを撃破していく。

ダグ「くっ、レベル1投入!」

 すると、ダグラスの足元から無数の【不の者】が現れた。

 でも、

ウル「無駄無駄無駄無駄無駄ぁあああああああ!」

 彼女の一撃一撃はあまりにもすごすぎる。槍を振り回したところから【不の者】が消えて行く。

ダグ「皐月ウルナ・・・これほどなのか!?」

 すると、急にダグラスの動きが止まった。

ダグ「なっ!?」

ウル「タイムストップって言う時間を止める魔法! 覚えて損はなかったな! さぁって!とっておき行くよ!」

ダグ「無詠唱だと!?」

 すると、槍の切っ先に魔力が集まりだし、そして、

ウル「行くよ! ウルナさんの砲撃魔法! ライトニング・ブラスター!!」

 赤黒い光と共に砲撃が放たれた。

 その砲撃の威力はSLBにも匹敵すると思っていしまった。

ダグ「ば、ばかなぁあああああああああああ!!!」

フェ「うっ!」

 光が収まると、ダグラスだけじゃなくガジェット、そして【不の者】がいた場所には何もなかった。

フェ「・・・うそ・・」

孤「・・・あんたやりすぎ」

チ「・・・・なんという魔力だ・・・」

セッテ「・・・敵じゃなくて良かったと思います」

 ただ一人ウルナは、

ウル「暴れたりないよ〜!! 葵と一戦したら収まるかな! 葵、葵葵葵!!」

葵『だぁ! うるさい! 今こっちは竜也と話しているんだ!』

ウル「闘おうよ! いまから、すぐに!」

葵『そんな暇があれば自分の書類ぐらいきっちり書け!』

ウル「うぅ〜。分かりました・・・」

葵『はぁ。とりあえずそっちにガンシップ(スターウォーズに出てくるやつ)を向かわせた。それに乗って六課に行け』

ウル「了解。おっ来た来た!」

 私たちもそれに乗って六課に向かった。


SIDE out

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