小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二六話


 さて、あれからまた翌日。というか二日酔いで仕事どころじゃない。あの日はメンバーに胃に優しいモノを作ったり、書類整理と一人でその日の仕事を全員分こなすって・・・地獄だよね。


SIDEフォワード・隊長副隊長陣


は「えぇ〜、いつもの朝練の前に連絡事項や!」

 はやてがそう言うと、横の二人が前に出てきた。

は「陸士108部隊のギンガ・ナカジマ陸曹がしばらくの間六課への出向となりました」

ギ「はい。ギンガ・ナカジマ陸曹です。よろしくお願いします」

 そう言って敬礼するとフォワード陣も元気良く返事をし敬礼した。

フェ「それからもう一人」

な「十年前からわたし達隊長陣のデバイスを見てきてくれている本局技術部精密官」

マ「マリエル・アテンザです」

アリ「しばらくの間、六課に用事あるってことなので六課に滞在することになりました」

シャーリー「デバイス整備も見てくれるそうですので」

マ「気軽に声をかけてね」

ヴィ「で、今日の朝連の指導官っていうのが・・・」

ウル「は〜い。ウルナさんね〜」

 制服に赤い槍をもった場違いのウルナだが、

シ「葵から指導官としては問題ないといわれている。あとウルナ・・・階級はなんだ?」

ウル「一応二等空佐! で、朱音ちゃんも二等空佐で竜也が一等空佐ね」

シ「・・・ウルナ二等空佐、葵からの命令だ。力を抑えろ。もし抑えなければ減給する。だそうだ」

ウル「・・・・・そ、そっか・・・。お! そうだ。ウルナさんも階級で呼ばれるの嫌だからウルナでお願いね!」

 さて、今日の訓練はウルナがやることになった。なぜかというと

葵「今日はレジアスと会議だ。ヴェルと孤狐もつれてくるよう指示があったから連れて行く」

 ということで葵とヴェル、孤狐は離脱。

竜「必要書類を取ってくる。すぐに戻ってくると思うが」

朱「私もまだ必要な物があったから」

 と、竜也と朱音離脱。結果。

 結果指導できる人物はウルナ唯一人となった。ただしこれがのちに悲劇を呼ぶ。

ウル「さて! 今回指導を行うウルナさんだよ!」

 訓練場にいるのは六課メンバー並びにチンク、セッテ、ノーヴェ、ウェンディノ、オットーディエチ、ディード。

 ちなみにウーノとクアットロはジェイル、アリサと共に研究の手伝い。ドゥーエ、トーレは葵の護衛である。

ウル「いい? これから教えるのは訓練でも何でもない。文字どおりの戦いを教える」

全員「?」

ウル「う〜ん。包み隠さず言うと【殺せ】ってこと」

は「なっ!?」

チ「だが、それでは!?」

ウル「言いたいことはわかるよ〜。でもね、言ったよね。あいつらは容赦なく殺して人間を餌にするって」

な「そ、それは・・・」

ウル「別に勝たなくてもいい。でも最低負けないようにして。葵はあなた達のうちだれか一人でも欠けると壊れると思う」

ギ「壊れるって?」

ウル「・・・・ううん。君たちは知らなくていいこと。多分見ないと思うし」

 そう神に願いつつ。訓練を開始することになった。

ウル「いいかな。まず座学になると思うけどみんなにはあることを知っておいてほしいの」

チ「なんだ?」

ウル「今回の戦いにおいてはまず生き抜くことが大前提においてね」

ウェ「それって当然のことじゃないっすか?」

ウル「・・・・当然ね。じゃあ聞くけど卑怯、セコイこういったモノを戦いに入れて戦いたいと思う?」

シ「そんなのはごめんだな」

ウル「はい。シグたん死んだ〜」

シ「なっ!? というかシグたんってなんだ!?」

ウル「え? あだ名。だってそっちの方が可愛いじゃん! それともシグみんの方がいい? 他にもシグちゃん、シッグー、シーちゃん、シ―たん、シグシグ、ナムナム。ほかにも「やめろ〜〜〜〜!!」えぇ〜」

は「プフッ・・・し、シグたん・・・あ、アカン腹が・・・」

フェ「し、シ―たん・・・クククッいいんじゃない」

ヴィ「あはははははっ!!! いいっ、いいんじゃないか? シ、シッグー?」

な「う、うん・・・い、いいと思う・・・シーたん・・・・プフッ」

 あたりを見渡すと皆お腹をからえて笑っていた。どれ位すごいかというと、

セッテ「・・・し、シ―ちゃん・・・クフ・・・」

ディエチ「し、シグシグ・・・あは、だめ、お腹痛い・・・」

オットー「あぁ、だめ、お腹痛すぎる・・・」

ディード「だ、ダメだよオットー・・・そ、そんなにわら・・たら」

 と、無表情組がおなかを抱えて笑っているぐらいだ。

ウル「さて、シグたんがなんで死んだかっていうと戦場にそんなの言い訳にしか使えないから」

シ「・・・もういいそれで」

 シグナムは訓練所の隅でのの字を書いていた。

は「あ、シグナムが拗ねた」

フェ「し、シグナム。だ、大丈夫だから」

 その後六課並びに派遣部隊員の慰めによって立ちなおったのだ。

シ「でさっきの続きだが、言い訳にしか使えないっていうのは?」

ウル「セコイ、卑怯。でもそれは言葉を変えれば作戦上! と言えば全てが無視されるの。戦争っていうのは知略と武力全てを相手より上回っていないと勝てないの。たとえ知略が優れていても武器が数世代前だったら負ける。たとえ武器が優れていても突撃ばかりだと負ける。たとえばゲリラ戦。これって卑怯と言える?」

エリ「・・・地の利を使ったいい作戦だと思います」

ウル「そう。でも見方を変えればセコイよ? 突然不意に敵を撃つんだから。でも有効だよね。戦争ってのは勝てばいいってわけじゃないけど結果を求めらる。つまり勝たなきゃいけないの。その辺理解してね」

 その言葉には確かに重みがあった。そして彼女たちは気づいた。彼女もまた葵と同様大戦で多くの命を奪った。そして奪われたのだと。机上の空論を語る評論家よりも実戦を経験し、その身で体験した者の言葉ほど重いものはない。

ウル「さて。じゃあ訓練だ! 本日は私対皆! 実力を見るため! いいかな!?」

全員「・・・・・え?」

ウル「いい? 葵も得意だけど幻術ってのは使えるの。だから決して一対皆じゃないわけ。まぁ体験したらわかるよ【猪】の強さを」

 そして始まった。そしてみんなが彼女がなぜイノシシと言われるのかを理解した。

シ「な!? ここで突g「甘いよ! シグたん!!」いぃっ!?」

ティア「し、シグナム副隊長!?」

 そういって射撃をする。確かにあたっている。当たっているのだが・・・

ウル「無駄無駄無駄ぁあああああ!!!」

ギ「・・・うそ・・」

ス「当たってるのに・・・」

は「あまりの速さに周りの風圧に相殺されてる・・・」

な「なら! スターライト・ブレ!?」

フェ「なのはどうしt・・・・えぇええ!?」

 なのはの目の前にいたのは幻術のウルナ。だが、

ウル(幻)「紅龍・・・一閃!!!」

 幻のウルナは迷うことなく槍をなのはに投げつる。だが、それを避けるなのはだが、

な「うそ!? 幻術なのにBJに傷を!?」

キャ「フリード! お願い!」

ル「・・・ガリューお願い」

 だが、それすらをもウルナは回避し、

ウル「召喚士の弱点は召喚獣を無視し、士その者を倒す!」

 幻術は迷わず子供の首元に槍をつきつけ敗北を知らせる。

アイン「あれも幻術・・・ならウルナ本体は!?」

ノーヴェ「・・・いねぇ・・・」

 そして、

ウル「いっくよ〜〜〜ウルナさん最大魔法!!」

フェ「!? 皆回「ライトニング〜〜〜ブラスタァアアアアアアアアアア!」あ、終わった・・・」

 そして、訓練場一帯にまばゆい光が包んだ。


SIDE out


 現在私はレジアスと話をしています。今後の予算やら、まぁ難しいお話ですよ。

ピピッピピッ

葵「? すまんなレジアス」

レジ「構わんよ」

 そう言ってモニターを出すとそこにはシャマルがかなり焦っていた。

葵「シャマル? どうした?」

シャ『あ、葵君! 大変なんです!! 急いで隊舎に戻ってきてください!!』

葵「なんかよくわからんが分かった。レジアス悪いが」

レジ「まぁこっちもそれほど急いでないからいいだろう。車を呼ぶか?」

葵「いやいい。ガンシップで戻る」

孤狐とヴェル、ドゥーエ、トーレを連れヘリポートにガンシップを呼びそこから六課へ向かっていると、

ドゥ「シャマルさんがあれほどの慌て様。どうかしたんでしょうか?」

トーレ「分からん。だが、何か嫌な予感がするな・・・・」

孤「あ。トーレも?」

ヴェ「私も実は・・・」

葵「・・・嫌な予感ほど当たるからな。六課が見えて・・・えぇえええええええ!?」

ヴェ「どうし・・・これは酷い・・・」

孤「・・・納得した」

ドゥ「・・・・・ねぇトーレ。あそこにあんな穴あったかしら?」

トーレ「・・・・あるわけ無いだろ。じゃないと訓練ができない」

 私が戻ってきて目にしたのはど真ん中にどでかい穴をあけられている訓練場だった。

 真っ先に医務室に向かうと、そこには・・・・しかb「まだ生きとる!!」

葵「よかった。というかこれは」

 そういって視線をウルナに向けると、こっそり逃げようとしていたので、

葵「チェーンデストクレッシェンド!!」

ウル「むぎゃ!?」

 そして、

―ゴツンッ

ウル「フギュッ!?」

葵「私はシグナムに頼んで言ったよな!? 力を抑えろと!!」

ウル「いやぁ〜抑えたんだけどね〜」

葵「・・・・抑えてあれか・・・はぁ。ちなみに修繕費ってどれぐらいの予定なんだ、はやて?」

は「・・・・今グリフィス君に頼んで出してもらっとるとこ」

 すると、

グリ『八神部隊長・・・費用・・出ました・・』

 そういって額を見るとはやては顔が真っ青いになった。それにつられてみんなが見ると、

な「!? あれってこんなにも高いの!?」

フェ「・・・私のお給料何カ月・・ううん、何年分何だろ」

シ「こ、これは・・・」

ヴィ「アイス何箱・・いや、店ごと買えるぞ」

アイン「ど、どうします主?」

リイン「へ、下手をすればクビ・・・」

 リインの言葉にはやてが

は「い、いやぁああああああ!!!!!!!!!!!」

 そして、私も額を見ると、

葵「はぁ・・・はやて、これ」

 そう言って小切手を渡す。

は「え? こ、この額!? ちょ、葵君これどこから出すん!?」

葵「まぁ、これぐらいなら何とか出せる。あと、一応保険が降りるから、これぐらいかな?」

 そういって修正する。

グリ『葵さん!? いつの間に保険に!?』

葵「・・・こいつが来てから」

 そういって後ろの犯人を指差す。まさか、数日以内に破壊されるとは思わなかったが・・・

葵「修理班はこっちからも出す。だが一週間は使い物にならないな」

は「お金は問題なくなった・・・でも訓練はどこで?!」

 ・・・・あ。

葵「ふむ。久しぶりだしいっか」

竜「戻った。葵、あれはなんだ?」

朱「・・・・あぁ、これが」

 そういって朱音は鎖に拘束されたウルナを見て全てを察した。

葵「竜也、朱音、ウルナ。久しぶりに我等の誇りを見に行くか?」

竜「・・・・そうだな」

ス「誇り?」

葵「訓練場の場所なら見つけた。あそこならいけるだろ。後連絡手段も取れば・・・うんいけるだろ」

な「葵君?」

葵「明日から訓練場を心の世界へと移行する。とりあえず服など三日分持っていくように。以上!」

 その後、簡単な旅行気分で皆準備をした。

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