小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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前書き

イクスのドラマCD編です。ただ作者は詳細を知らないのでご都合主義を押し通していきます!

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空白期〜という名の日常編・・・・かな?〜
第一話

 
 これは零始事件が解決し数ヵ月後であり六課が解散する数ヶ月前のお話。


 私はただいま混乱中。

葵「・・・・で? これは何だ?」

 現在私こと神無月葵はセッテ、トーレ、ドゥーエを率いて海底遺跡に来ています。

セッテ「えっと・・・なんでしょう?」

ドゥ「これは・・・兵器?」

トーレ「多すぎだろ!?」

 えっと、現在なぜこうなっているかというと、


――数時間前


葵「海底遺跡?」

レジ「うむ。お前に頼むのもどうかと思うんだがな。実は湾岸部で大型レジャー施設を造ろうとしている企業があるんだ。だが、そこにこれだ」

 そういって見せるのは遺跡だ。

葵「だがこれがどうかしたんだ?」

レジ「調査団を数名送ったんだが帰ってくる連中が声をそろえて化け物が化け物がって呪文のように言ってた」

葵「なるほど。それでお鉢が回ってきたと」

レジ「うむ。頼めるか?」

葵「まぁ、良いだろ」

 で、その後セッテとトーレドゥーエを率いて現在に至ります。

葵「なんじゃこりゃ!?」

 かくいう私もかなり動揺しています。ですが

葵「ハァッ!!」

―ガシュゥン

 黒騎士となって切れば意外ともろい。だが、数が多すぎだろ!?

セッテ「斬っても斬ってもきりがありません!」

ドゥ「どうなってるのよ!?」

トーレ「キリがない。葵どうするんだ!?」

葵「下手に砲撃を撃てば遺跡が崩壊するし・・・・止むえんか」

トーレ「何かあるのか?」

葵「強行突破!!」

全員「えぇえ!?」

 そういってセッテを背負い、トーレを右わきで抱え、ドゥーエを左わきで抱えて、

葵「参る!!」

 そういって一気に別の場所に高速移動。

 その間の三人は、

セッテ「ヒィイイイイイイ・・・・」

トーレ「ギャァアアアアアアアアア」

ドゥーエ「あ、葵さんスピードを落としてください!!!」

葵「ドゥーエ後ろを見ろ! それでも落とせと!?」

ドゥーエ「え!? ・・・このままで!? むしろ上げてください!!!」

 後ろからはわけのわからない古代兵器が後ろを追っかけてきている。ので、

葵「トーレ、セッテ。両翼刀を後ろにブーメランを投げる要領で投げろ!」

セッテ「はい!」

トーレ「了解!!」

 そういって投げ、

葵「ウィング・オブ・ジャッジメント!!」

 そして轟音とともに数体は破壊したがまだいる!? どんだけいるんだ本当に!?

 そして、ちょうどよく人が入れるような入り口を見つけたためそこに入り、結界を張る。

葵「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

セッテ「だ、大丈夫ですか葵様?」

葵「なんとかな。お前らも無事か?」

トーレ「おかげさまでな」

ドゥ「あと、目的地にもついでに来れたみたいですよ?」

葵「なに? ・・・・確かにそうみたいだな」

 たまたま入った部屋はなんというか近代的な設備を整えている。

 そして、カプセルが中央にどんと構えている。

 そして落ちていた書類を見ると、

葵「冥府の炎王?」

ドゥ「ま、まさか冥府の炎王イクスヴェリア!?」

葵「知っているのか?」

 聞いた限りどっかの王族みたいだが。

セッテ「ガレア王国の君主で戦乱と残虐を好んだ邪知暴虐の王ですよ!?」

 物騒だな。特に後半。

トーレ「ど、どうするのだ!? あ、相手はあの冥王だぞ!?」

葵「ふむ。とにかく起こす」

三人「えぇえええええ!?」

葵「どっちにしてもこれを悪用する人間は現れるんだ。なら歴史通りの人物なら殺す。違うなら私が保護する。それだけだ」

セッテ「簡単に言いますがどういう相手か知ってるんですか?!」

葵「知らん。だが、伊達に創造神の称号を得ているわけではないんだ」

三人(そうだった。この人神様だった)

葵「えーと、起動パスワードは・・・これか?」

 そういって見つけた文章をそのまま呼ぶと、

――プシュゥゥゥ・・・

 すると、カプセルが開くと、そこから出てきたのは、

イク「あぁ・・・また目覚めさせてしまうのですね」

全員「・・・・・え?」

イク「あなた達ですか? 私を起こしたのは?」

葵「おい。セッテ、トーレ、ドゥーエ。この女の子がガレア王国という国の王?」

セッテ「・・・・多分」

葵「ただの子供じゃないか!?」

トーレ「数百年前の人間ですよ!? 知るわけないじゃないか!?」

葵「文献ぐらい残ってるだろ?!」

ドゥーエ「写真とかは乗って無いんです!」

イク「あ、あの・・・・」

 なにやらイクスヴェリアが何かを言おうとしたとき結界外から、

――ガンッガンッ

葵「少し黙ってろ!!」

――ピタッ

全員「え!?」

 結界を壊そうとしていた古代兵器が葵の一声で止まった。その光景を見て全員唖然とした。

葵「・・・幾つかつ聞いていいか?」

イク「は、はい」

葵「君はガレア王国の王、イクヴェリアで間違いないか?」

イク「はい」

 その目は悲しみに染まっていたが間違いなさそうだ。

葵「二つ目。あれは何だ?」

ジェ『それについては私が答えよう!』

全員(イクスを除く)「・・・・幼女の臭いをかぎつけたか?」

ジェ『なぜそうなる!? 違うだろ!!』

葵「まぁいい。とりあえずあれは何だ?」

ジェ『扱いが雑だな?! ごほん。あれは、マリアージュ。ガレアで作られた自立増殖兵器。まぁ間違いなく第一級ロストロギアだな』

クア『あと、マリアージュというのは人の言葉は理解できるのに作戦行動能力が昆虫並みという意味がわからない兵なんですよね〜』

葵「・・・意味無いじゃん!?」

ジェ『で、あと行動不能になると自爆し、敵の死体を基に生まれるため確実に敵地を劫火に包む。故にこれが『冥府の炎王』の由来であるらしい』

葵「・・・ん? まてよ。無限に生まれるのであればそれごと無に帰せばいいのでは」

ジェ『そんなこと不可能・・・・ではなかったな君には』

イク「いえいえいえ。そんな不可能ですよ?!」

 と、イクスは手を横に振りながら不可能だろといっているが、

葵「それに試したいこともあるし。イクスヴェリア。最後の質問だ。ここにいるマリアージュで全てか?」

イク「え、えぇ。おそらく」

葵「なら。エクス、ルミル。スリープモードへ移行」

エ・ル((了解!))

ウーノ『あ、葵さん、何を?』

葵「絶望へ誘い、その先に無しか残らない。赤騎士(・・・)!!」

全員「『えぇええええええええ』」

 本日三度目の驚愕。そして、目の前に現れたのは赤黒い鎧を身にまとった私。

葵「・・・・・・・・」

トーレ「あ、葵・・・その大丈夫なのか?」

葵「ん? あぁ大丈夫だが」

ドゥ「いえ?! 何で大丈夫なんですか!?」

葵「あの後赤騎士をちょっといじってな。生命力を使わなくても生命力を使った並み以上の力を発揮するようにいじった」

セッテ「で、でたらめすぎますよ」

葵「まぁ、使わないようにはしているがな。だがここでは使うがな」

 そう言っている間に結界は壊れマリアージュが中に入ってくる。

葵「ダークメガホール!!」

 黒い球体状の塊をマリアージュ目がけ投げると、

――ボワッ

 その球体はだんだん膨れ上がり、闇が広がる。

トーレ「!? 何って力なんだ・・・・」

ドゥ「本当にでたらめにもほどがあります!?」

セッテ「す、すごい・・・・」

イク(か、彼はいったい何者なんですか・・・)

 そして、闇が晴れるとその場にいたはずのマリアージュは一体も残っていなかった。

イク「なっ!? ありえない!?」

葵「イクスヴェリア。受け入れろ。これが現実だ」

イク「あ、あなたは一体・・・・」

葵「なに、ただの人だ」

イク「ひ、人って・・・余計にありえないでしょ」

 すると、イクスヴェリアは鋭い目をこちらに向け、

イク「あなたは本当に何者なんですか」

 その目を見て、彼女の覚悟を見たような気がした。だから、

葵「詳しく話すが長くなるぞ?」

イク「・・・・構いません」

SIDEイクス


 彼ほどの力の保有者は私がいた時代でもいない。そして彼はこういった。

 そして失礼だろうが聞いてしまった。

イク「あ、あなたは一体・・・・」

 すると彼は笑って、

葵「なに、ただの人だ」

 ありえない。あれほど膨大な魔力を人間の体が耐えるはずがない。

 だがそれ以上に、魔力以上に彼は重いなにかを背負って生きているような気がした。

 そして、彼は彼自身の過去を話した。戦争に次ぐ戦争。明日が無く未来なんてない。ただ、それを求め戦い続けた。そして友を失った。友を、大切な者を守るために戦った。だが、それは同時に大切な物も傷つけていたことに気付いた。だがもうすでに遅かった。

 私も戦乱を生き抜いてきた。だが、彼もそれと同等、下手をすればそれ以上の戦争をくぐりぬけていた。そして彼はこの場に新たな命を与えられ、彼をここまで追い詰めた零始という男と決戦を行った。今度こそ守るために。そしてそれに終止符を打ち、彼は神の座に座ったという。

イク「か、神様なんですか・・・あなたは・・・」

葵「まぁね。本来はそんな大層な座に就くつもりなんて無いんだが。ところでイクスヴェリア」

イク「なんでしょうか?」

葵「お前はこれからどうしたい」

イク「・・・・分かりません」

トーレ「どうしてだ?」

イク「私を狙ってくる大半のモノがマリアージュ狙いでした。ですがそのマリアージュはもう無い。であれば私を必要とする者はいない。だからです」

葵「・・・・ふむ」

 すると、彼は何かを考えるように腕を組むと、隣にいたピンク髪の・・・確かセッテでしたね。葵に話かけた。

セッテ「葵様。まさかとは思いますが・・・」

葵「セッテは分かったか。どうやらドゥーエやトーレも」

ドゥ「まぁ、葵さんなら思ってましたけど」

トーレ「お前なら大丈夫だろ」

イク「?」

 私にはわかりません。

葵「イクスヴェリア、いや、イクス」

イク「はい」

葵「お前は私の子供になるつもりはないか?」

イク「・・・・はい?」

 この人は何を言っているんだろ。いえ、人ではありませんでしたね。まぁ、どうでもいいことですが。彼は何を言ったんだろ。

イク「子供・・・ですか? つまり私を養子として受け入れると?」

葵「そうだ」

イク「私に利用価値はもう残っていないんですよ?」

葵「利用価値ね。利用するつもりはない。お前はお前の道を歩いてみたらどうだ?」

イク「私の道?」

葵「冥府の炎王としてではなく、イクスヴェリアとして。ただの一人の女の子として」

イク「・・・ですが」

セッテ「関係ないと思いますよ。今までのことなんて」

イク「え?」

トーレ「そうだな。こいつのいつも言うセリフを借りるならば」

ドゥ「生きているのであればそれだけで幸せをつかむ権利も、未来を見る権利もある。でしたね、葵さん」

葵「あぁ。だが、お前はまだ子供であり、この世界のことを知らない。だから私の子供にならないかと聞いている」

イク「・・・いいのですか?」

葵「なにが?」

イク「私が生きて、未来をつかんで、幸せをつかんで」

葵「いいに決まっている。お前は生きているんだ」

イク「・・・あ、あぁああああああああ」

葵「おっと」

 私は何故かはわからない。でも、彼の、父上の身体にしがみついて泣き続けた。

 あぁ、これが父のぬくもりというモノなのか。大きく、そして太陽みたいに暖かく、草原の上に寝転がるように優しく包み込んでくれる。

 本当に良いんですね? 私はわがままな駄々っ子ですよ。

SIDE out

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