小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一二話


SIDEヴィヴィオ


 あの後、アインハルトさんを連れてパパは自分のお部屋に入った。で、それから数十分ぐらいかな?

 すると出てきてこういった。

葵「えぇ〜。新たに我が家に加わりましたアインハルト・S・神無月です」

ヴィヴィオ「・・・・・え?」

翼「父よ。いくらなんでも冗談にしては酷いぞ?」

夜「うむ。笑える冗談と笑えぬ冗談がある」

 うん。確かにアインハルトさんが家族になったらうれしい。でも、それだと、

アインハルト「えっと、大丈夫ですよ。書類手続きももう終わりました」

 その後、アインハルトさんの現状を話し、そのうえで娘にすることにしたと説明された。とうぜんヴィヴィオ達に反対は無い。ママたちも同意してくれた。

 そして、その日からアインハルトさんは、ううん。アインハルトお姉ちゃんというべきなのかな? まぁ、どっちでもいいかな。アインハルトお姉ちゃんは家で生活するようになった。

 そしてこの課題。お姉ちゃんと呼ぶべきか、それとも今まで通りにすべきかが本日二番目の娘同盟会議に上がった。もちろん一番目は、

リオ「アインハルトさん。あなたはお父さんのことをどう思っていますか?」

アインハルト「え? お、お父さんというと、葵さんですか?」

 ん〜、まだどこかよそよそしいな。

ヴィヴィオ「アインハルトさん。いまヴィいヴィオ達は家族! つまり葵さんではなくて葵パパ!」

アインハルト「え? あ、そ、そうですね。お、お、おおおお父さんのことですか///?」

 でも、今の反応を見て、皆同じ考えに至った。

星「審議の必要性はなさそうですね」

夕「そのようですね議長」

翼「うむ。アインハルト。あなたは父のことが好きですね。父としてではなく男として」

アインハルト「///!?」

夜「その反応を見るとそうみたいだな」

雷「ではではこの書類にサインと印鑑を!」

アインハルト「これは?」

イクス「娘同盟加盟書です」

アインハルト「娘同盟?」

コロナ「簡単に説明します。今お父さんを取り巻く女性環境は妻十六人。愛人十一人。そして私たち娘です」

アインハルト「・・・・・ニュースで聞きましたが、改めて聞くとすごいですね」

ヴィヴィオ「で、皆が皆パパが好き。でも一人で立ち向かうとママたちに負けちゃう。だから協力してパパを奪っちゃおうてこと」

娘たち「だから協力を!!」

 すると、アインハルトさんはすっごく悩み始めた。頭からは桃色の煙、顔はゆでたタコみたいに真っ赤。

アインハルト(た、確かに葵さん、お父さんのことは好きです。で、ですが確かに一人で戦うには不利です。な、なら一層のこと・・・・)

 そして、

アインハルト「わ、分かりました。では加盟させていただきます」

 そして、代表して美夜が、

夜「ようこそ同志よ。我等は君の加入を歓迎する」

 これでパパをものにするための戦力が増えた! 

 で、呼称だけど好きにしていいとのこと。今はちょっと抵抗があるけどなれないとね。ということでヴィヴィオはお姉ちゃん、と呼ぶことにした。大半がそうみたいだ。

 でも翼は、

翼「ふむ、なら私はアインハルトとしよう」

 と、呼び捨てのままらしい。


SIDEout

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