小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一四話


SIDEアインハルト


 あぁ・・・・・どうしよう・・・・。あれから一週間という時間があった。でも、お父さんに伝えることが出来なかった。

アインハルト「・・・はぁ〜・・・」

 さっきから机に突っ伏し、溜息ばっかりが出ていた。

女子「ねぇ。さっきからストラトスさん溜息しか出てない?」

女子2「どうせ今日の参観日のことでしょ? 誰も来ないからって」

女子3「しっ! 聞こえたらどうするのよ」

 そういってひそひそといってますが聞こえています。それにあなた方が考えている以上に私は大変なんです。あぁ、来てもらうべきだったのでしょうか・・・・。でも、お忙しい中やっぱり・・・。

 そうこう考えている内にSHRの時間が来たのか担任が入ってきた。

担任「さっさと座れ。出席を取るぞ」

 そういっていつもの風景のように出席をとっていく担任の教師。いつもと唯一違うとしたら今日は一日授業参観。つまり、午前中に時間が取れる親が次々と入ってきた。

 さすがに昨日言いがかりを言って来た生徒も親のいる建前悪口が言えないようだ。

アインハルト(はぁ〜。今日が終わればまた・・・でしょうか)

 私がこの参観日が終わった次に日のことを考えていると、

――コツコツコツ・・・ガラッ

 どうやら、新しい親が入ってきたのか扉が開く音がした。だが、今までのと明らかに違い、生徒も親もざわめきだっている。そして、目の前にいる教師ですら驚いた顔をしていた。

 いったい誰が入ってきたのかと思い後ろを振り返ると、

アインハルト「え!?」

 そこにいたのはガーディアンの制服を着たお父さんでした。

葵「おっ」

 お父さんも私に気付いたのか、手を振ってくれた、

 私はどうしたらいいのか顔が真っ赤になったまま固まってしまいました。

 すると、担任が、

担任「え、えっと、総統閣下がなぜこのような場所に?」

葵「私が自分の娘の参観日に来て何かおかしいかな」

 さも当然のように答えるお父さん。

担任「え? こ、この中に神無月の性を・・・」

葵「? 書類は一通り全部提出したはずだが」

 すると、担任は何かを思い出したのか急いで教室を出て1分後教室に戻ってきた。

担任「申し訳ありませんでした! なにも問題ありません!」

 何かを確認し終えたのかすごい勢いで戻ってきて報告した。

 そして、カチカチになった担任がSHRを終えると、私はすぐにお父さんの元へ行った。

 でも、その前に、

男子「おい、アインハルト。その人はお前みたいなやつが話す人じゃねえよ」

アインハルト「・・・・・(プチッ)」

 私しか聞こえないように話したのが運のつきでしたね。私にも欠片程度ですがプライドと言う物があります。

アインハルト「・・・・では言わせてもらいます。娘が父と話をして何が悪いんですか?」

男子2「・・・・は?」

アインハルト「私の名前はアインハルト・S・神無月です。正式な神無月家の娘です」

 そういってお父さんの元へ急いだ。後ろの男子は目を見開き信じられない物を見ているようだった。

アインハルト「お、お父さん!」

葵「ん? どうしたアインハルト?」

 お父さんは私が来ても普段通りでした。

アインハルト「あ、あのどうして今日・・・」

葵「来たのか――て?」

アインハルト「は、はい・・・・」

葵「娘のためを思ってな。それにヴィヴィオ達から聞いたぞ。一週間前に連絡は来てたみたいだな」

アインハルト「えっと・・・それは」

葵「私を思ってか?」

アインハルト「はい。お忙しい中きてもらうのは「アインハルト」は、はい」

葵「お前は私の娘だ。なら、もっと甘えても良いんだ。子供に甘えられてなんぼの親だ。それに、娘に甘えてもらえることが信頼の証でもある。まぁ、雷華ほどまでは言わないが・・・」

 そ、そうですか。でもそれを聞くと雷華さんはかなりの甘えん坊ということですね。ということは・・・・。

アインハルト「それ以下なら?」

葵「ん? まぁ、雷華以上になるというも差ならそれも見てみたいがな」

 そうですか。分かりました! では!

アインハルト「では、これからは思いっきり甘えさせていただきます!」

 その日の授業はいつも以上になぜか、積極的になりました。それを見ていたほかの人たちも何か信じられないようなものを見ているようでした。

 それから日を以降に私は思いっきりお父さんに甘えるようなった。あと、いじめもなくなりましたね。さすがお父さんです!

 ちなみにこのことは当然娘同盟の皆さんにも連絡すると、

星「そうですか。なら雷華を例にしていきましょう」

雷「え!? ぼ、僕をお手本!」

翼「性格ではない。行動をだ!」

夜「そうだな。ではこれからもっと積極的に行動しよう!」

ヴィヴィオ「まずは!?」

夕「抱きついたり?」

リオ「一緒に寝たり?」

コ「い、一緒にお風呂入ったり?」

イクス「!? ら、雷華。あなたはまだ一緒に父上と入っていたのですか!?」

雷「ん? うん! だって、皆入り終えてて僕だけの時って結構あるよ?」

 それを聞くと、何とも羨ま・・・ごほん。お手本にしなければ。

アインハルト「ではまずは」

娘「お風呂からだね!」

 有言実行。その日お父さんと一緒に入ったお風呂は幸せでした。

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