小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一九話


SIDEヴィヴィオ


 今日は陸戦試合の日。そして今はノーヴェからルールの説明を受けている。どうやらLPについては公式試合用のDSAAタグで管理するらしい。でも、ノーヴェの隣で笑っているパパがちょっと怖い。

 ちなみにチームは

【チーム赤】FA(フロントアタッカー)ノーヴェ・アインハルト。FB(フルバック)キャロ。GW(ガードウィング)フェイト。CG(センターガード)ティア。WB(ウィングバック)コロナ。

【チーム青】FA(フロントアタッカー)スバル・ヴィヴィオ。FB(フルバック)ルーテシア。GW(ガードウィング)エリオ・リオ。CG(センターガード)なのは。

ノーヴェ「で、以上が説明だ。次に葵兄からな」

 え? まだ説明続くの?

葵「えっと、今回は趣向をちょっと凝らせてみた。まぁ、ここにいない人間がどのタイミングかで敵かはたまた味方の度力で参戦する。無論私もだ」

アインハルト「え!?」

 それを聞いて驚愕したのは私だけじゃなかった。なのはママやフェイトママですらかなり驚いていた。

葵「オイなのは、フェイト。今回の戦闘訓練は何を重点的においたか忘れたか?」

フェ「えっと・・・実戦に近い戦闘」

な「でもそれわたし達聞いてないよ!?」

葵「言って無いからな。ホレさっさと始めるぞ」

 そして、各自セットアップを済ませると、目の前にモニターが出てきた。

メ『それでは皆元気に・・・・』

 すると、後方でガリューが思いっきり振りかぶって・・・・

メ『試合! 開始〜!』

 鐘を鳴らした。

――ジャァアアアアン!


SIDEout


葵「序盤は均衡。互角の勝負だな」

 私は近くにいたゼスト、メガーヌ、セインと話していた。

 ノーヴェのエアライナー、スバルのウィングロードで空戦適性の無い物も空間を大きく利用できるようにした。そして真っ先に戦闘を開始したのはFA同士だ。

ゼ「やはりというべきかこうなったか。そしてなのはとティアナは様子見か」

メ「数の均衡が崩れた時をねらっているのね」

葵「FBもカギを握るだろうな」

 全体を見たらあまり攻撃力が無いFBを軽視する者もいる。だが唯一回復できるのもFBだ。軽視しすぎたら痛い目を見る。

 そうこうしているうちにコロナVSリオ。フェイトVSエリオの戦闘が開始された。そして互いをけん制&援護するようにCGが攻撃する。

セイン「すっげー!? なに今の!?弾丸反射!?」

 セインのそのような声を聞いてモニターを見るとどうやらアインハルトがヴィヴィオが放ったソニックシュ―タをどうやら、

葵「受け止めて投げ返したのか(・・・・・・・・・・・・)」

セイン「そんなことできるの!?」

メ「えぇ。真正古代(エンシェント)ベルカ術者なら理論上はね」

ゼ「ただし、かなりの技術を要求される。あの年齢であの領域・・・一体どれほど苛烈な訓練を・・・・」

葵「期待できるだろゼスト? どうだ?」

ゼ「ふふふっ。良いだろ。久々に燃えてくる」

 ゼストの方を見たら静かに闘志を燃やしていた。

葵「ではこちらも行こうか。翼? 準備は良いな」

翼『はい。我々は―――』


SIDE第三者視点


 一方あちらではヴィヴィオとその後なのはに勝負を挑んだアインハルトが、なのはのストライク・スターズによる攻撃で前線を離脱したのを合図に、

各デバイス『援軍発動!』

チーム赤「来た!」

チーム青「だ、誰が・・・・」

 そして、発表されたメンバーにそれぞれ驚愕した。

『チーム赤に翼・夕璃・イクス・雷華・美夜・星那。チーム青に葵・ゼスト。なお援軍のためLPを1500とする』

 援軍の発動を見たティアは

ティア「・・・量的には有利ね」

 そしてなのは。

な「葵君とゼストさん。『葵については蒼騎士オンリー』・・・・これ勝てるよ!?」

 だが、その追加欄に皆唖然とした。蒼騎士。その一撃はあのSLBにも匹敵することを知っている。

ティア「・・・万能型が一人に対しこちら補充の量を取らされた。でも、勝たせてもらいます葵さん! 星那! 速攻で斬りこむわよ!」

星「了解」

 星那が砲撃の体制をとったことになのははすぐにこちらも防御の体勢に入った。だが、それが間違いだった。それはあくまでも囮。

ティア「かかった! クロスファイア・フルバースト!」

 その攻撃は一人を狙い打つ者ではなかった。全体的にダメージを与える。なのはに迎撃の隙を与えないために星那の砲撃で牽制をしかける。

葵「なるほどな。では、援軍をまず始末しようか。ゼスト頼めるか?」

ゼ「登場で即退場勧告か? 意外と酷だな」

葵「世間の厳しさだ」

な「葵君何を?」

葵「一撃必殺をね」

 それに感ずいたなのはは全員に後退の指示を出した。

 そう。誰が考えるだろうか・・・・。搭乗して間もなくいきなり大魔法。それもなのはのSLBに匹敵、いや上回る攻撃ABPを出すと。

葵「オール・ブレイク・・・・」

ティア「?! え!? ま、まさかいきなり!? 雷華止めて!!」

雷「無理! 距離がありすぎる!!」

ティア「星那、美夜は!?」

星・夜「・・・・・」

ティア「・・・全員後退!!!」

葵「ファンタズム!!」

―――ズガァアアアアアアアアアン!!!

 安全圏にいたFBのキャロとその場にいたアインハルト。

アインハルト「あれが・・・・全ての幻想を壊す光・・・・」

キャ「・・・・これはまずいよ!? 多分数の差が一気にひっくり返ったよ!?」

ティア「・・・さすが葵さん。奇策をよく用いる。誰もこれは無いだろうとい部分を的確につついてくるわね」

 これによって赤組は星那、フェイト、コロナ、美夜、ノーヴェを失った。かろうじて穴のあいた場所には援軍で賄える。フェイトの変わりは雷華。コロナの代わりを夕璃、ノーヴェの代わりを翼が引き受けられる。さらに言うなれば数の差は完全にひっくり返った。

 さらに、青組みの追撃は止まらなかった。

ルー「葵のおかげでやりやすくなった! 青組みの皆さん! 一気に攻勢に出るわよ!!」

青組『了解!』

 すると、翼の元にはヴィヴィオとスバル、雷華の周りはなのはとエリオ、キャロとアインハルトの場所にはルーテシアとリオ、そして、


SIDEout


葵「さてティア。どうなるか?」

ゼ「良いのか?」

 葵は何かを考えてそういう。

葵「たまには穴を作り油断という恐ろしい物を教えるのもまたってね」

ゼ「相変わらず怖い教官だな」

葵「実戦から学ぶものは大きい。特にヴィヴィオ、アインハルトといった若者たちにな。さて、では、どうやって撃墜される?」

ゼ「・・・・あれを喰らうか?」

 ゼストは何やら意味深げにある場所を見ている。そこには、乱戦場が次第に中央によって行っている。おそらくなのはとティアナによる集束砲で一網打尽にするのだろう。

葵「・・・・・恐いがそれで行くか」

ゼ「まぁ、大丈夫だろ。あと一度体験しておいた方がいいだろ。O☆HA☆NA☆SIとやらを」

葵「・・・・さらっと怖いこといったな」

 しかし、その必要はなかったようだな。

葵「・・・・余波・・・だと!?」

ゼ「・・・・それでこの勢い!?」

 すでに二人からはSLBが放たれており一秒でどれだけのライフを持っていくんだといわんばかりに減っていく。そして、

葵「・・・・0になったな」

ゼ「あぁ」


SIDE第三者視点


セイン「・・・・何この最終戦争」

メ「あ、あははっ・・・まぁ、集束砲同士がぶつかればね。さて皆はどうなったかな?」

セイン「え?! ゼストと葵兄ぃまで!?」

メ「安全圏にいたはずだけど最初かららLPが少なかったこと、それから余波が予定外に大きかったことかしら」

 そして、立っていたのは、LP110を残してなんとか相殺しきった、

ティア「なんとか、たってられるわね」

 そして、モニターで誰が生き残ったかを確認すると、

――ピコーンピコーン

 かなりのスピードでこちらに近づいてくる点が一つ。

ティア「スバル?!」

ヴィヴィオ「じゃなくてヴィヴィオです!」

 ヴィヴィオのLP1800。

ティア「ウソ!? 何でほぼ無傷なのよ!? ・・・まさかスバル!?」

ス『見たか! レスキュー魂!』

 さすがは本職。スバルがヴィヴィオをかばったことによってヴィヴィオのダメージはほぼ皆無。そして、いまにも迫る勢いのヴィヴィオをけん制しようと弾丸を放つ。

ヴィヴィオ「ティアナママ! 行くよ! お命頂戴!」

ティア「来なくていいけど! それに命までとらなくていいわよ!!?」

 しかし、そこで思わぬ介入者が、

アインハルト「覇王・・・空破断(仮)」

 アインハルトの一撃によって、ヴィヴィオの攻撃はティアナにはあたらなかったと思われる。

アインハルト「ヴィヴィオ。ティアナお母さんはやらせません」

 すると、後方から、

ティア「あ〜アインハルト?」

アインハルト「?」

ティア「ごめん。さっきので実は・・・」

 ヴィヴィオの攻撃はティアナに当たっていた。つまりLP0。

 ティアナが撃墜されたことによってそこからはアインハルトとヴィヴィオの一騎打ち。だが、何かを学びながら、何かを覚えながら、そして、なにより楽しみながら戦っていた。

 最後はヴィヴィオの一撃が決まったかに思えたが、思わぬカウンターによってヴィヴィオのLPも0になり試合終了。

結果は引き分けだった。

 その後、メンバーやシステム入れ替えたりして何試合か行い終了した。


SIDEout

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