小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二十話


道『というわけさね。お願いできないさね?』

葵「・・・あいつらがか? だが放置するわけにもいかんな」

道『部隊を新しく新設し、メンバーを送るさね。それが確実さねよ?』

葵「分かった。あいつらにも声をかけておこう」

 そういって私は道実との通信を終える。だが、今は休日最後の夜。ある程度休息を取らせるつもりだ。

 部屋から出ると、

フェ「あ! 葵!」

葵「フェイトか。どうした?」

フェ「ご飯だって」

葵「分かった。一緒に行くか?」

フェ「うん!」

 そういってご飯を終え、一息入れていると、

エリ「お父さん。何かありましたか?」

葵「え? どうしたんだ急に?」

キャ「いえ、思いつめた顔してたもんですから」

 不幸中の幸いなことに子供たちはどうやらルーテシアに連れられて部屋にいるらしい。まぁあれだけの訓練をしたんだ。疲れて当然か。

葵「まぁ仕事だ。しかも難易度の高いな」

 その場にいたのはまぁ旧六課時代のメンバーにノーヴェ、セイン、ゼスト、メガーヌ。

葵「そういえばはやてと連絡していたな」

メ「えぇ。そんなに急なの?」

葵「あぁ。かなりな。翌日新部隊を発足させる手続きに入る。その時には頼めるか?」

 そういって後ろにいた妻たちと愛人たちを見る。

 それぞれ首を縦に振る。

葵「すまんな。まぁ今日は休日なんだ。ゆっくり休むといい」

 だが、ここは皆まじめというべきなんだろうか。

な「ぶぅ〜〜〜。葵君! 確かにそうかもしれないけど、どういう事件なのかちゃんと聞きたいの!」

ティア「そうですね。どんな事件なんですか?」

葵(先に話してもいいか? でも、出来ればはやてたちとまとめて一回で話したいしな)

 そう考えていると、

は『そんなご要望に応えてみせよう!』

 いきなり目の前にモニターが出てきた。そこには旧八神家の面々とアリシアがあった。

葵「いきなりだなはやて、アリシア」

シ『すまんな葵。急でおどかせて』

シャ『先ほどまではやてちゃんがアインハルトちゃんと話をしてまして』

 なるほど。ルーテシアあたりからか。

葵「道実から聞いた話だ。【不の者】が出現したらしい」

全員『!?』

 その言葉に明らかに驚きと、全員が仕事モードに入った。

アイン『場所は?』

葵「それがわからんのだ」

ヴィ『は?』

ス「発見したから場所も分かってるんじゃないんですか?」

葵「反応はあったんだが、場所まで特定しきれてないらしい。いまヴェルと孤狐が必死になってるらしい。あと不測の事態に備えてアリシアとジェイル、プレシア、すずかが何かを作ってるみたいだ」

ノーヴェ「不測の事態・・・・まさか平行世界か!?」

葵「良い感をしているな。その通りだ。まぁ今回使えなくてもいずれ使うだろう」

アリ「ん〜。出来ればその予想は外れてほしいよね。以前のように下手をすれば歴史干渉みたいになるのは嫌だし」

 すると、はやてが、

は『部隊の方はどうするん? 平行世界に行く行かんにしろ必要やろ?』

葵「多分三提督とレジアスと話すことになるがおおよそ旧六課の再編になると思う。技術班にはアリシアとジェイルが加わると考えれるな」

リイン『葵パパ! 騎士団の方はどうするんですか?』

アギト『確かにそうだぜ!? 相手が【不の者】なら動くんじゃないのか?』

葵「まぁ、動かす予定だ。それとアリシア。下手をすればお前も前線に出る羽目になるかもしれない。シグナムに鍛えてもらっておけ」

アリ『な、なですとぉ〜〜〜!?』

 その言葉にアリシアはムンクの叫びみたいな表情をしていた。一方のシグナムは、

シ『ほぉ。なら徹底的に来たてやろう』

アリ『ちょ!? シグナム!? あ、あなたにこのアリシアさんが勝てると思ってるの!!?』

シ『そうだな。百回やって一回勝てるかどうかだろうな』

アリ『99回は負けること確定なの!?』

フェ「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。ほら、六課時代に鍛えてもらったでしょ?」

アリ『何年前の話!?』

シ『ならやる気の出る褒美でもやろうか』

アリ『な、なに?』

シ『私に勝てばその日葵と寝ることを認めよう。でも、負ければ私が葵をいただく』

アリ『ちょ!?』

全員「それはなしだよ!?」

 ・・・・その場合どちらに転んでも私は被害者になるんじゃないのか? 翌日の仕事に支障が出なければいいが・・・。

葵「はぁ〜・・・。とりあえず詳しい話は決定してからな」

 そういって通信を切り、最後の休日を堪能することにした。


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