第一九話
翌日。私となのは、ユーノは同じ場所に来ていた。
「あ、葵君。そのリュックの中みって・・・・」
「無論。フライパンだ」
「にゃははは・・・・やっぱり」
当たり前だ。あの屑がいるんだ。後エクスとルミルは魔力を感知させないようにさせてある。
近くのベンチに座っていると、あちらも来たようだ。
昨日の屑に、艦長さん、あと一人分からないが女性が一人。
「改めて自己紹介ね。時空管理局提督、戦艦アースラの艦長リンディ・ハラオウンです。で、こちらが」
「同じく時空管理局執務官クロノ・ハラウオンだ」
「時空管理局執務補佐兼アースラ通信就主任エイミィ・リミッタです。よろしくね」
最後の人は好感が持てそうだ。元気な人だね。
「高町なのはです」
「ユーノ・スクライアです」
「神無月葵だ」
そういって局組も向かいのベンチに座った。
「それよりも君も元の姿に戻っていいと思うが」
「そうですね。じゃあ「待て、ユーノ」え、なに?」
いや、少し考えろユーノ。
「まさかとは思うがここで変身を解くつもりじゃないだろうな?」
「そうだよ?「周りを見ろ」周り・・・・あ・・・・」
はぁ、全く。
「ふぇええええええええ! ユーノ君人だったの!!!!!!」
「なのはうるさい。周りの視線が痛い」
「うっ。ごめんなさいなの。でも、葵君はなんで驚いていないの!?」
「少し考えればわかる。人語を話す動物はいない。となれば理由は誰かが変身しているか機械。後者は無いから人の可能性となったというわけ」
さて、それよりも認識阻害の魔法をかけ、変身させますか。
「これでよしっと、変身といても大丈夫だぞ」
「うん」
そういうと光化にユーノが包まれ、それが晴れると人になったユーノがいた。
その後は、また驚いたなのはを黙らせるのに必死だった。
ちなみに、
「ねぇねぇ。葵君。そのリュックの中みって」
「えぇ。フライパンですよ?」
クロノの肩を見ると顔が真っ青になってガタガタブルブルと小刻みに震えていた。トラウマのすりこみには成功したみたいだな。
「そ、そんなの持ってても大丈夫なのか?」
屑改めクロノがそう尋ねてきた。
「あぁ。大丈夫だ。なぜn「ちょっとそこの君」はい?」
私の後ろには一人の警官。
「そのフライパンどうしたんだい?」
「お母さんに買ってきて言われたから御遣いしてきたの!」
かの有名な某少年探偵もびっくりの性格、声全てを変えた。
「そうか。お使いだったのかい。えらいね。こちらの人たちは?」
「友達がたまたまいたからちょっと遊んでたの!」
「そうか。最近物騒なので気をつけてあげてくださいね」
「え、えぇ。ご丁寧にどうも」
リンディさんもびっくりのようだった。警官がその場を去ると。
「き、君の演技はすごいな」
「学べばどうにでもなるさ。これも生きて行く上の知識だ」
さて、話はもどり、ユーノがジェルシードがなぜこの海鳴市に落ちたかの経緯を話す。以前に説明したと思うのでここは割愛!
「そう。立派ね」
「だが、無謀だ。あれほどの物を一人で回収しようなど」
「はい。僕もそう思いました。でも、今の僕にはなのはや葵がいます。友達として、仲間としても信頼できます」
「ユーノ君」
ふむ。嬉しいね。ユーノからからそう頼られると。
「・・・・そうですか。ではこちらも」
そして、次にリンディ提督から時空管理局というものとロストロギアおと鋳物の説明をされた。
ロストロギアとは、過去に何らかの要因で消失した世界、ないしは滅んだ古代文明で造られた遺産の総称。多くは現存技術では到達出来ていない超高度な技術で造られた物で、使い方次第では世界はおろか全次元を崩壊させかねない程危険な物もあり、これらを
確保・管理する事が時空管理局の任務の一つであると言うことだ。
(ふむ。何か怪しいな。エクス、ルミル。時空管理局のデータを集めてくれ。アースラをハッキングしてもかまわん)
≪≪イエス、マスター≫≫
そしてジュエルシードの説明もあったが、これはリニスから教えてもらった知識以外もあった。
なんでもジュエルシードは【次元干渉型のエネルギー結晶体】で、複数発動させることで次元空間に影響を及ぼす【次元震】と呼ばれるものを引き起し、最悪の場合、幾つもの並行世界を壊滅させるほどの災害【次元断層】の切欠になる、と。
何とも物騒なものを人は作るものだ。
なのはやユーノを見ると暗い顔をしていた。
≪マスター管理局についてのデータ集めてきました≫
(ふむ。どれ)
そういって脳内に直接電波を送り、管理局についてのデータを見る。司法、警察、軍隊を一手に担う巨大組織。
(バカか。これでは独裁体制国家と変わらない。まさかこの子たちも・・・・。あり得るな。クロノも見たところまだ15以下だ。何を言うか分からないな)
そういって私は表目状は出していないが、リンディの言葉を一つ一つ聞き逃さないようにしていた。
「ところで、神無月君、高町さん。なぜあなた方はジュエルシード集めをしているのかしら」
リンディさんの質問を受け大雑把にだが説明をした。
クロノとなのはが出会い、なのはが危険な目に合わないためにジュエルシード集めに協力し始めたこと。
ジュエルシードを集めている途中で出会ったフェイトという子。
だが、たがいに理解を含め良い好敵手になっていったこと。
そして互いに協力し合って封印した昨日のことを。
「クロノ君。そりゃあ葵君も怒るよ。それにその、フェイトちゃんだっけ? その子何かうれしいことがあって葵君達に教えてあげようとしたのに邪魔しちゃねぇ」
「うっ・・・申し訳ないことをした」
そういってクロノは私に向かって頭を下げた。だが、
「クロノ。それは私に謝っても意味がない。一番の被害者は私ではなくフェイトだ。それを忘れるな。さもなくば」
そういってフライパンを手にする。
「わ、わかった! 分かったからそのフライパンに手を伸ばすな!」
昨日のあれがやはり聞いたか。トラウマにしておいて恐怖を植え付ける。じゃないと連鎖は繰り返されるからな。
「こほん。そろそろいいかしら?」
「どうぞ」
そういって私はコーヒーを飲む。リンディさんも近くにあった極甘珈琲を口にして、
「これよりロストロギア・ジュエルシードの回収については時空管理局が全権をもちます」
「「え・・・」」
「ほぉ。大口をたたくな。ということは私たちは元の生活に戻っていいということか。クロノ?」
「あぁ。君達は今回のことは忘れて、それぞれもとの世界に戻り普通の生活を送るといい」
「でも・・・そんな・・・」
「次元干渉にかかわることなんだ。民間人に介入してもらうレベルの話じゃない」
「でも!」
(まぁ、そうだな。これだけ危険なことだ。さて、フェイトとの約束もある。どうするか)
そう私が今後のことを考えていると、
「まぁ、急に言われても気持ちの整理がつかないでしょう。今夜一晩ゆっくり考えて、三人で話し合ってそれで改めてお話しましょ」
・・・はっ? まて、今この人は何と言った。エクス、ルミル。認識阻害の魔法をここだけにかけろ。後防音も。
≪≪い、イエス! ま、マスター!!≫≫
「おい、貴様」
「ひっ・・・」
なのはを怖がらせてしまったか。だが今はいい。それよりも。
「貴様、よくもそうぬけぬけと戯言が言えるな?」
SIDEリンディ
「おい、貴様」
え? な・・・ひっ
葵君から低い声がしたのでそちらに振りむいてみると、鋭い目でこちらを見ている葵君がいる。それだけじゃない。殺気も子供、いえ常人が出せるレベルじゃない。そのせいか、クロノ達も震えている。
「貴様。よくもそうぬけぬけと戯言が言えるな」
「ど、どいう意味かしら」
「おい、クロノ」
「は、はい!」
「お前はさっき今回の事件が民間人が介入するレベルじゃないといったな。それは今回の事件はお前らにとって最優先項目で対処しなければならないということで間違いないか?」
「あ、あぁ」
「そうか。なら、リンディ・ハラウオン。お前は何を考えている。なぜ、私たち民間人が介入するべきものじゃないにもかかわらず、気持ちの整理や、もう一度話し合う必要性がある?」
「え、どういうこと?」
「なのは。管理局というのは簡単に言うとこの世界で言うと軍、警察みたいなもんだ。そんな組織が最も危険だと言っている事柄に民間人は手を出すなといっているんだ。ここまではわかるか?」
「え、うん」
「なら次だ。手を出すなといっているのになぜ気持ちの整理をして、もう一度こいつらと話し合う必要性がある」
「・・・・あ!」
「たしかに。これはどういうことですか!」
「違うわ! 私たちは・・・」
でも、葵君は次の一言で私にチェックメイトをかけた。
「違うも何もないだろ。お前らは私たちを使い捨ての駒としたいんじゃないのか?」
「な! 適当なことを言うな!」
クロノが神無月君に飛びかかろうとするが、
「なら、クロノ。なぜお前が昨日あんなにボコボコニされたのに、増援がこなかった? 最優先項目以上に大切なことがあるのか?」
「そ、それは・・・・」
「昨日君の元へ増援がこなかったのが証拠だ。さらにいうなら」
そういって彼はその鋭い目のままこちらを睨みつけてきて、
「お前は危険感をあおり、なのは達から協力させてくれというように仕組んだんじゃないのか?」
すると、彼と私以外がはっと顔を上げる。
「なのはならこう思う。自分で切ることがないか必死に探す。そして自分には魔法がある。なら、それを生かせれば! とね」
「う、うん。ユーノ君やみんなのためにジュエルシードを集めるって決めたから」
さらに、彼はとどめの一言を言い放った。
「さらに管理局は慢性な人手不足だそうだな。そこに現れた高レベル魔法保持者。あなた方から見ればよっぽどのどから手が出るほど欲しいんじゃないのか。さらに今回の事件を乗り越えられるほどなら適性もあるでしょうね」
「そうなんですか艦長!?」
「ち、違いますよね!?」
・・・・・・
「沈黙は肯定」
「そ、そんな」
「ウソ・・・だろ」
彼は、神無月君はおそらくクロノやエイミィより年下だろう。にもかかわらず子の洞察力、情報量の多さ、殺気。全てにおいて彼らだけでなく私以上なのかもしれない。
「さて、私たちはこれで失礼しましょうか。あなた方の目的も分かりましたからね。なのはいくz「待ってください!」まだなにか?」
彼の視線はさらに鋭くなっていた。それこそ比喩でも何でもない。視線で人を殺せるぐらいに。
「白状します・・・。立場上こちらから協力要請するようなことは言えないんです。だからああいう風に誘導するようなことをしまいました。こんな卑怯な手段をとってごめんなさい」
もう、頭を下げるしかない。立場も関係ない。
「母さんどうして!?」
「彼が言った通りよ。管理局は慢性な人手不足。それだけにたまたま見つけた魔法保持者二人。それもかなりレベルが高い。正直今の戦力だけじゃ不安なのよ」
すると、彼は考えるように。
「正直でよろしい。ここで嘘をつかれるようであれば迷うことなくあなた達と敵対していたでしょうね」
そういって彼は笑顔を向け、もう一度席に座った。
「一つだけ忠告しておきます。あなた方の組織を信用したわけではない。少なくともあなた方という人間を信用したんです。そこをはき間違えないようにお願いします」
「はい」
「後も一点。だまそうとしたことは変わらないのですからこちらの要求をのんでもらいます。難しいことではないので」
「出来うる限り善処します」
「一つ。私となのは、ユーノの独立行動権を認めること。二つ。協力体制は今回のみ。三つ。なのは並びになのはの周りの人へ手を出さないこと。四つ、私の魔法に関しての情報提供並びに撮影は一切禁止すること。以上の四点を守っていただければ結構です」
「分かりました」
「では、今後ともよろしくお願いします」
そういって彼は手を差し伸べてきたので、私はそれを握り返す。
彼の手はどこか、とても懐かしいぐらい暖かかった。
SIDEOut
「なのは、勝手に進めて悪かったが良かったか?」
「うん! 大丈夫だよ」
なのはもどうやらこの内容で満足してくれたみたいだ。
「ところで、一つ聞かせてくれないか?」
すると、クロノが何か話しかけてきてた。
「ん? なんだ?」
「も、もしもだ。もしもさっき言ったうち一つでも破ったらどうなる?」
「一つ目はまぁ、状況によるが、後半三つは絶対厳守だから破った瞬間管理局をつぶす。あと、君達はしないと思うが上層部がやってもつぶすから」
そういうと彼らは顔を真っ青にしていた。
ちなみにこの後私が男だと言ったらやはりアースラメンバーが全員が驚いた。
ただ、リンディ提督だけ、
「じゃあこれ着てみる?」
そういって取り出したのは黒色のゴスロリ服。着てみたけどヤッパ動きやすかった。