小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第一一話


 私が蒐集に参戦することが決まって数日後。久しぶりに学校に登校する。あることをするために。

先生「転校ですか?」

葵「はい。叔父が急な出張でスイスのベルンに。そのために今まで書類事項や手続きなどで学校に来れなかったんです」

 場所は職員室。蒐集のために時間が作れないのと、恐らく遠くないうちになのはとフェイト、下手をすればアリシアとの戦闘になる。フェイトが戦闘の才能があるんだ。アリシアもあってもおかしくはない。そのためには学校に行くと正体がばれるかもしれない。そのための退学だ。

先生「そう、ドイツの首都に」

葵「・・・・それはベルリンですよ先生。私はベルンと」

先生「そ、そうだったわね、知ってるわよそれぐらい! ほほほほほっ」

 必死にごまかす先生。まぁ、これで何とかなるだろう。

先生「まぁ、細かい書類などはこちらからがするわ。いつ行くの?」

葵「今日の昼には。それなのでできればもう行きたいので」

先生「そうね。あっちでも元気にやってね」

葵「はい」

 そういって教室を後にする。さて、まずは成田に行きますか。


SIDEなのは


 葵君の席を見るが、やっぱり来てないの。

ア「今日も来てないわね、あいつ」

す「うん。どうしたんだろ? なのはちゃんは何か聞いている?」

な「ううん。分かんない」

 チャイムが鳴り先生が入ってくる。すると、

先生「えっと、今日は残念なお知らせがあります」

 なんだろ?

先生「神無月君がおじさんの都合でスイスのベルンに引っ越すことになりました」

クラス「えぇえええええええええ!?」

 えぇ!? き、聞いてないよ!?

先生「今まで、どうやらその手続きなどで来れなかったそうです。先ほど来て教えてくれました」

 そ、そんな〜。


 休み時間ではやはりそのことが中心になって話をしていた。

 このことをクロノ君に教えると、

ク「〈そうか。ん? だがおかしくないか?〉」

な「〈え? 何が?〉」

ク「〈彼は次元漂流者だ。叔父もいなければ身よりもいないはずだ。何か理由があるのかもしれない〉」

 確かにそうなの。でも何か理由があるのかも。

な「〈そうだね。クロノ君頼める?〉」

ク「〈あぁ、そうだな。何とかしてみよう〉」

 その後念話を切って授業に集中したの。


SIDE Out


―ジャジャジャジャーン♪

葵「やっぱり来たか」

 電話の着信音(運命:ヴェートーヴェン作曲のやつ)が鳴り誰からか見るとやはりクロノだった。

 場所は当然このことを予測して成田国際空港にいる。

葵「どうした?」

ク『どうしたじゃない。なのはから聞いた。スイスに行くそうだな?』

葵「あぁ、それがどうした?」

ク『どうしたじゃない! 君は何をしにスイスに行くんだ!?』

葵「簡単だ。情報収集だ。【不の者】の事件でこの世界に【不の者】のいる確率が0から1になった。そのためにスイスに行くんだ。私が以前いた世界でもヨーロッパが一番の被害があったからな」

 まぁ、実際はスイスに行くつもりはない。それにいざこちらに電話がかかっても転移魔法でスイスに行けばいい。電波で探知されるようならそれをごまかす方法もいくつもある。

ク『だが!』

葵「クロノ、契約を忘れたか? 管理局という組織と協力するのはあの一回限りだ。つまりあの後私がどう行動しようと勝手というわけだ。そろそろ搭乗の時間なので失礼する」

 そういって電話を切る。

 さて、ではスイスに土地と小屋を建てそこに電話を置いて、電話が鳴ったらこちらに知らせるよう魔法でも作るか。

 その後は、まぁ、さっき言ったことを実行した。

 それを終え、はやての家に帰宅する。

 帰宅すると狼形態のザフィーラが脱色されたように真っ白になっていた。

葵「ざ、ザフィーラ!? どうしたんだ!?」

ザ「あ、葵殿か・・・・あ、主を、私に代わって守ってくれ・・・(ガク)」

 と、とりあえず回復を。

 急いでザフィーラの回復に取り掛かろうとした時、キッチンから辛いのか甘いのか酸っぱいのか苦いのかわけのわからない臭いがした。しかも、マンガやアニメでよく見る悪臭の色が目に見えた。

葵「ま、まさか!?」

(マスター・・・もうだめですぅ〜)

(待機状態の私たちにもダメージを与えるとは、シャマル、お前の料理は・・・)

 え!? 待機状態のエクスとルミルにもダメージが!?

 キッチンに近づくにつれそのにおいが強烈になってくる。まずい。これはすごくまずい。

 急いで空間から防護マスクを取り出し、キッチンに行くと、予想通り、

葵「シャマル!!」

シャ「あ。葵君。帰ってたんですね? って、そのマスクは何ですか!?」

葵「(この匂いをかいでも無事なのは君ぐらいだぞ)お前は皿を出してくれ、あとは私が「ただいm・・・な、なんやこの匂い!?」はやて・・・何とタイミングが悪い」

 その後、急いではやて、ヴィータ、シグナムがキッチンに向かうと、

シ「な、誰だお前は!?」
葵「私だ。これがないとまともに呼吸ができない。これはお前らの分だ」

 帰ってきたメンバーに防護マスクを渡す。

は「た、助かった」

ヴィ「便利だなこれ」

シ「原因は、やはり・・・」

葵「あぁ、さっさと料理を改造する。あとシグナム、犠牲者(ザフィーラ)を頼む」

シ「・・・・すまん。ザフィーラ」

 そういってシグナムはザフィーラの元へ行き、私は料理の改造に取り掛かり無事昼食を乗り切った。あのあと、鍋の元へ行くと、

―ピキッ

葵「防護マスクのレンズにヒビ!? 目が、目がぁああああ!? 」

 割れたヒビから目にしみるわけのわからない空気が・・・思い出したくもないので割愛させてもらう。

-42-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのはViVid (5) (角川コミックス・エース 169-7)
新品 \588
中古 \1
(参考価格:\588)