小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一六話


葵「学校?」

は「せや。葵君は学校どないしとるんかなって」

葵「行く必要性は感じられないな。なにせ大卒の学力は普通にある。というか小学校でいまだに因数分解しないってどんだけ遅れているんだ」

は「いんすうぶんかい?」

 その後因数分解の説明などをしていると、

は「そんなもんは高校生の範囲やろ!」

 と、突っ込まれた。

は「と、こんなことはどうでもいいねん」

 どうでもいいことを聞いたのか、君は。

は「気にしなさんな」

 こ、心が読まれた!?

は「今度うちに友達が遊びに来るんよ。で、一緒にみんなも晩御飯どうかと思ってな」

シ「御友人ですか? 私は構いませんが」

シャ「私もです」

ヴィ「で、そいつどんな奴なんだ?」

は「ヴィータ、奴って失礼矢で。シャマルとシグナムはしっとるよ。ほら、図書館出会ったあの女の子や」

シ「あぁ、あの子ですか」

シャ「確か月村すずかちゃんでしたね」

葵「ブフゥー」

 すずか!? なぜあいつが!?

は「だ、大丈夫か葵君?」

葵「けほっけほっ。あ、あぁ、でどうやってその子と知り合ったんだ?」

 その後、はやてとすずかの出会いを聞いて納得した。

 まぁ、いまさら拒否や反対をすれば変に感ずかれるため避けるしかなかった。一応適当に嘘をついて、すずかと知っているということとした。

 そして現在管理外世界。岩がごつごつしたような場所。

葵「亀だな」

 なんと言ったらいいんだろうか。ワニガメを大きく成長させたような感じの魔法生物。

葵「・・・足は遅い。シグナムお前が相手をするか?」

シ「いや、これぐらいなら・・・そう言えば葵。お前は孤狐と白騎士以外にも何か持っているのか?」

葵「あぁ。ルミルの黒騎士。そう言えば最近使っていなかったな。ルミル、今大丈夫か?」

(はい。マスターの命ならいつでも)

 すると、黒い光と共にルミルが現れた。

葵「久しぶり行くか。漆黒の闇夜へ誘う者、黒騎士」

エ「シンクロイン!」

 そして黒騎士の姿になる。

葵「時間がもったいない。一気にけりをつける」

(イエスマスター)

 そういうと両翼刀を構えるが、すぐに上に放り投げる。

葵「その翼に終わりはない」

(終わりがないことが悲しく)

手には再び両翼が現れていた。私は両翼刀を空に投げた。

シ「なっ!?」

葵「永遠に紡がれ、終えることを知らない」

(永遠に負の連鎖がつながる)

 さらに上に投げ、さらに手に両翼刀が、

葵「神は憐れんだ」

(そしてその翼に使命を与える)

 そして六枚の翼は魔物の周りを舞うようにあたりを囲んだ。

葵「咎人を裁く役目を」

(裁きの時は来た)

 その詩が謳い終わることには白黒合わせて6本の翼が舞を舞っていた。

葵「翼による(ウィング・オブ)」

 すると、剣の羽の部分が一枚ずつり白き羽と黒き羽が咎人めがけ一気に向かった。

――ザシュ ザシュシュ


―グォオオオオオオオオオオオ

硬い鱗にもかかわらず、まるで肉に刺さるような音が聞こえる。魔物の姿は白黒の羽に刺されて見るも無残な形になっていた。

葵「裁き(ジャッジメント)!」

 爆発を起こし、魔物はそのままドスンっという音と共に倒れた。

シ「こ、殺したのか?」

葵「訓練用だ。死んではいない。蒐集もできるぞ――待てシグナム。蒐集はあっちだろ?」

 目の前には目を輝かせたシグナムがいた。

シ「これが終わったら模擬戦をしてくれ!」

葵「・・・・分かった。だから蒐集をしろ。急いで戻るんだろ。今日ははやての友人がくるんだ」

シ「はっ! そうだった!」

 オイオイしっかりしてくれ。

 蒐集し終えたシグナムがこちらに向かってやって来た。

シ「神無月、さっきの技はなんだったんだ?」

葵「あぁ、あれ? この両翼刀って言うのはさっき言ったように永遠に生成され永遠に失われることのない刀なんだ」

シ「つまり、先ほどみたいに6枚でもそれ以上でも可能というわけか」

葵「あぁ。で、この羽根一つ一つが強力な魔力刃で大抵のものは貫通するな。で、その魔力を爆発させるとあぁなると言うわけ」

シ「なるほど。だから羽根による裁きか」

 私は持ってきた懐中時計を見ると、まだ一か所ぐらいは世界を回れると考えた。

葵「後一か所回っておくか」

シ「そうだな。お前のおかげで時間が「〈シグナム! 葵君! 聞こえる!?〉シャマル?」

 なにやら焦っている様子の声でシャマルからの念話がかかってきた。

葵「どうした?」

シャ「〈ヴィータちゃんとザフィーラが管理局の結界に閉じ込められて、それにあの白い子と黄色い子も参加しているみたい。それに知らない魔力反応も一つあるし〉」

葵「急いで戻るか」

シ「そうだな」

 私の転送魔法で海鳴市に戻った。

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