小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二四話


は「入院!?」

 シャマルの口から出た言葉。おそらく石田先生と相談した結果だろう。

シャ「えぇ、そうなんです・・・」

 はやてもヴィータもやはり顔が暗い。

シャ「あ、でも、検査とか、念のため、とかですから、心配ないですよ。ね?」

 シャマルは同意を求めるためにシグナムの方を見る。シグナムは花瓶を近くの場所に置き

シ「はい」

は「いや、それはええねんけど、もし私が入院したらご飯は誰が作るんや?」

ヴィ「ん!?」

 はやて、こういうときにボケに回るか。ヴィータもびっくりしてずっこけたぞ。

シ「それは、まぁ、葵もいますし」

葵「だな。安心しろ」

 そういってほほ笑む。

は「///そか?」

ヴィ「毎日会いにくるよ! だから・・・だいじょうぶ!!」

 はやては心配そうにするヴィータの顔を見て頭を優しくなで、

は「ふふっ。ヴィータはええ子やな。でも毎日やのうてええよ。やることないしヴィータ退屈やん」

ヴィ「うっ・・・」

葵「はやて。無理はするなよ。何かあったら呼べ。私は、いや私達は君の家族なんだから遠慮はするな」

は「そやな。それに三食昼寝月の休暇やと思えばええしな」

 本当にこの子は強いな。自分が死と隣り合わせなのかもしれないのにこんなにも明るくふるまえる。その強さが。

は「あ、あかん。すずかちゃんがメールくれたりするかも」

シャ「私が連絡しておきますよ」

は「うん・・・おねがい」

シ「では戻って着替えと、本を持ってきます。ご希望がありましたら」

は「う〜ん、なんにしようかな」

 そういって私たちは一旦家に戻ることにした。

葵「・・・・・すまん。忘れ物をした。先に戻っておいてくれ」

シ「忘れ物?」

葵「あぁ」


SIDEはやて


は「うぅ・・・くっ・・・(あかん。みんなに迷惑がかかる。みんなに心配かけんようにせなあかんのに)」

ーガラッ

 石田先生やろか。まずいところ「やっぱりか」

 え? この声・・・・

葵「少しじっとしていろ。癒しの風よ。汝の力を持ってこの者の怪我を癒したまえ。ヒーリーングフール」

 葵君の手から緑色の光が輝きだし、その光が収まると、

は「・・・・苦しくない」

葵「このバカが」

―ズビシッ

は「あうっ」

 葵君のチョップが脳天を直撃する。

葵「はやて。私たちとお前は家族だといったはずだ。迷惑をかけたくないとかそう言ったこともわかる。だがな」

 そういってわたしを抱きよせてそっと抱き締めてくれる。

葵「別にいいんだよ。家族なんだ。迷惑をかけても、心配をかけても。そしたら助け合えばいいじゃないか。弱音を吐いてもいいんだ。ここまで頑張っているんだから」

は「ええん? 泣くよ?」

葵「あぁ、思いっきり泣け」

は「石田先生にも怒られるよ?」

葵「その時は私が説明してやる」

は「・・・う、うわぁぁぁぁぁぁああああああああああ! こ、恐い! 恐いんよ! 死ぬなんて嫌や! かじょくができた! せやのに、しにとうない!」

葵「大丈夫だ。絶対に君を死なせなんてしないから」

は「ほんまか? ほんまにほんま?」

葵「あぁ約束しよう。この命と体に変えてでも」

 葵君はその後も胸を貸してくれたり、息が詰まらんよう背中を優しくなでてくれた。

 しばらくして、ようやく涙もおさまったけどヤッパ恥ずかしいから泣きやんでも胸を借りて、

は「あ、ありがとな、葵君///。でも服濡らしてもうてごめんな」

葵「これぐらい洗濯すればどうとでもなる。君の不安を取り除ける対価としたらやすすぎるぐらいだ」

は「ありがとな」

 ホンマにありがとう。葵君がおるから生きていけるようなもんやで。


SIDE Out

-55-
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