小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二八話


SIDEアリア


アリア「手こずらせた。でもこれで」

ロ「闇の書が「悪いがそれは返してもらうぞ」え?」

 後ろを振り返ると、そこにいたのはあの守護獣みたいな女性と、青を基調とした鎧の二十歳ぐらいの
男が立っていた。

???「さぁ、第二ラウンドだ。黄泉路への案内。忘れたとは言わせないぞ?」

アリア「なっ!? こいつさっきの!?」

 するとさっきのやつは一本の剣を出し、

葵「フッ」

―ブォオン ゴスッ

ロ「グハッ!?」

 かなり距離はあった。でもたった剣を一振りしただけで、ロッテをふっ飛ばした!?

孤「はあ〜い。アリアちゃん! よくもボクにとってかわいい家族達をいじめたね」

 いつの間に!?

孤「吹っ飛びな。雷明嘗覇」

 すると、雷を拳にのせ、

孤「あの子の後を連れってってあげるよ」

―ドスッ ゴスッ ゲシッ ガスッ  

 殴る殴る殴る。永遠のサイクルのように。

孤「これはヴィータちゃん、これはシャマル、これはシグナム、これはザフィーラ、これははやてちゃん、そしてこれは・・・・」

 すると、今まで以上に両手に雷を乗せ、

孤「葵の分!!!」

―ズガァアアアアアアアン!

ア「・・・・」

 そのままアリアはロッテと同じ場所に落ちた。


SIDEOut


葵「・・・終わりだ。さて、無事かお前ら?」

 そういってシグナム達に声をかけると、

ヴィ「だ、誰だお前!?」

シ「返答次第では「「葵(君)!!」」え? あ、葵!?」

 シグナムとヴィータがデバイスをこちらに向け構えた。だが、なのはとフェイトがいきなりこっちに走ってきて、そのまま抱きついてきた。

葵「いきなりな挨拶だな」

フェ「葵だ、葵だ葵だ葵だ! さっき消えちゃったんだよ!」

な「大丈夫なの!?」

葵「あぁ、この通りな」

 ヴォルケンズの方を見ると、状況がいまだに飲めていないようだ。

葵「どうしたお前ら?」

シャ「あ、あの本当に葵君なんですか?」

葵「あぁ。そうだな・・・・あぁそうかお前らにこちらの姿を見せたのは初めてだったな。なら、これで信じるか?」

 そう言って右手を出す。すると、

ヴィ「じゃ、じゃあ、お前は本当に・・・」

 すると、ヴィータ目に涙をため、

ヴィ「あ、葵ぃいいいいいい!」

 そのままヴィータが抱きついてきた。

ヴィ「ひっぐ、き、きゅうに、きえ、るから!」

葵「あぁ、心配かけたな」

 そういってヴィータの背中をなでる。

シ「本当に神無月なのか・・・」

葵「あぁ。こっちが本当の姿なんだがな」

シャ「でも、無事でよかったです」

ザ「ではあれは?」

葵「ワクチンだ。うまく作動するといいんだが。それより」

 そういって私は墜落したであろうあの二人を転移魔法で連れてきた。

葵「さて、どう愉しませてくれる」

全員「・・・・・」

 全員があまりの葵の出す殺気の恐怖に声が出ていない。

葵「私の家族を傷つけたこと、大切なものたちを傷つけたこと、殺される覚悟ああってしたんだろ?」

アリア・ロ「・・・・」

葵「まぁいい。武装を解除してもらう。あと、チェーンデストクレッシェンド」

 そういってデバイスを没収した後、鎖が二人に巻きつき、

アリア・ロ「あぁあああああああ!?」

葵「その鎖はただの鎖だと思うな。魔力を吸い込み鎖自身の強度を強化する代物だ。さて、そろそろ正体がわかるか」

 すると、仮面の男の姿が晴れそこからは、

な「アリアさん、ロッテさん!?」

 地面にはカードの形をしたデバイスが落ちた。おそらくグレアムたちが考える封印方法に欠かせないものなのだろう。それを拾うと一人がこちらを睨みつけて、

アリア「!? それを返せ!」

葵「断る。小さい命を犠牲にし、自分たちだけが助かる世界の道具なんてない方がいいからな」

ロ「一人の命の犠牲で世界が助かるんだ!」

ク「ふざけるな!」

 すると横にクロノが降りてきた。ということは、

葵「この二人に指示を出したのは貴様か? ギル・グレアム」

 すると、一つのモニターが映り、

ロ「違う!」

アリア「私たちの独断だ! 父さまには関係ない」

ギ『ロッテ、アリア良いんだ。クロノに、神無月葵君だったか。彼らはもうあらかたのことはつかんでる。違うかい?』

葵「そうだな」

 静かに言葉を言った。

葵「11年前の闇の書の事件の後、貴様は独自に書の転生先を探した。そして見つけた。八神はやてという闇の書の主を」

 グレアムはむろん後ろの者たちも黙っていた。

葵「だが、闇の書を初期段階でとらえても意味がない。すぐに転生されるのが見えているからだ。だから監視をしながら闇の書の完成を待ち続けた。そして見つけた。闇の書の永久封印の方法を。たったひとつの命を犠牲にしたな」

な「それって・・・・」

フェ「・・・・どんなの」

 二人が不安ながら聞いてきた。

葵「闇の書を完成させ、魔力を蒐集させる必要性のない状態にする。そうすれば転生する恐れが無くなる。そしてそのすきに主ごと封印する。その後は次元のはざまなりどこへなりに閉じ込めるといったところだな」

全員「!?」

グ『・・・両親に死なれ、体を悪くしていたあの子を見て心は痛んだが運命だと思った。・・孤独な子であればそれだけ悲しむ人が少なくなる』

ク「はやての父親の友人を語り援助をしていたのも」

ギ『永遠の眠りにつく前ぐらいせめて、幸せにしてやりたかった・・・偽善だな』

葵「・・・・・ちっ」

 あまりにも吐き気のするような言葉に、つい舌打ちをしてしまう。

ク「封印の方法、その後の処理は葵が言ったとおりですね」

ギ『そうだ・・・それならば転生機能は働かない』

ロ「これまでの闇の書の主だってアルカンシェルで蒸発させたりだってしてんだ! それと何にも変んない!!」

アリア「クロノ、今からでも遅くない、そいつにアタシ達を解放するように命令して! 凍結がかけられるのは暴走が始まる瞬間の数分だけなんだ」

 だからどうした。方法はまだある。そう、まだ・・・

ク「その時点ではまだ闇の書の主は永久凍結をされるような犯罪者じゃない・・・・違法だ」

ロ「その所為で!そんな決まりの所為で悲劇が繰り返されてんだ!クライドくんだって・・・アンタの父さんだってそれで!!」

葵「それで、そいつは報われるのか」

ロ「どういう意味だ!?」

葵「お前らはこの11年という歳月をどう過ごして来た。たったひとつの可能性を見て浮かれてただけじゃないのか。なぜ他の方法を探さなかった」

 嫌気がさす。他の方法を探さず、何もせず、それのみに賭けることに。

葵「大切な物ぐらい誰にだってある。それを守りたいという気持ちもだ。それは他人から見ればくだらないかもしれないが、自分だけがその価値を知っていればいい」

 昔大切な者がいた。友がいた。でも、護れなかった。力がないがために、世界を救いたいと大きく出たがゆえに。自分の大切な者を失った。

葵「それにお前らがもしはやてを犠牲にして世界を助けたとしても、私やなのは、フェイト、ここにいる皆の気持ちはどうするんだ。悲しみは怒りを呼び、怒りは憎しみへ、憎しみはやがて殺戮へ向かう」

アリア「知ったような口を聞くな!!」

孤「知ってるんだよ! 葵は!!」

アリア・ロ「「!?」」

孤「世界を救うためにたちあがった。友を失ってもなお彼は世界を救おうとした! そして多くの犠牲を払って世界を救った!! でも世界は結局裏切った。なんでだと思う?」

 孤狐の眼にははっきりと怒りの目があった。

孤「殺した側にも殺された側にも大切な人がいたからだよ。憎しみ、怒り、悲しみそう言った憎悪が復讐心となり葵を殺す方向へとすすませた。あんたらには一生分からないよ。あんたらの殺しは誰かのためでもなければなんでもない。覚悟も何もない! ただの自分勝手の殺人だ!」

 私は、孤狐の言葉を停める。

葵「たとえどんな理由があっても殺しは殺しだ。それに変わりはない。だからいいわけもしない。だが、これだけは言わせてもらう。目の前ではやてにとって家族同然のヴォルケンズを、はやてにとって大切な物を奪おうとしたお前たちが取った行為は今までの【闇の書】と同じ行為だ」

アリア・ロ「「!?・・・・・あ、あぁ・・・」」

葵「クロノ、これはお前が使え。後この二人を邪魔にならない場所に。後二人に言っておく」

ロ「え?」

アリア「なに?」

葵「私も君たちのことは言えない。私は明日をつかみたいがために、未来をつかみたいがためにはやてと同い年の子を何人も殺して来た。前世だからといっていいわけもしない。私も君たちの気持ちがわからないわけじゃない。こんなとことが言えた義理ではないがはやてを救いだしたら彼女に謝るといい。グレアム。君もな」

ギ『だが・・・』

葵「彼女なら許してくれるだろう。きっとな」

 そういって私はデュランダルを渡す。

ク「君は?」

葵「やるべきことをする。それだけだ」

ク「分かった」

 そういってクロノは二人を連れていった。

葵「予定通りには事は進まなかった。はぁ、作戦は失敗。別の作戦に変更する」

シ「それはどういう意味だ?!」

葵「当初はシャマルあたりに疑似リンカーコアを摘出しそのまま闇の書に蒐集させる予定だったんだが、無理やり引き抜いたせいでプログラムがうまく作動していない。それに、どうやら動き始めたみたいだしな」

 そういって病院の屋上の出入り口の方を見ると、ベルカ式の魔法陣が浮かび上がりそこから闇の書の管制人格が出てきた。

管「・・・・また・・・全てが終わってしまった・・・・いったい幾度この悲しみを続ければいい」

 管制人格は涙を流し、こちらをにらんだ。

葵「・・・暴走寸前までもっていく。そこが最後のチャンスだ」

 剣を鞘におさめ、

葵「管制人格でいいか?」

管「お前は、そうか・・・・お前が・・・」

葵「話し合う余地はないか? 出来ればはやてを解放してほしいのだが」

管「あなたが、それを言うか!?」

 すると、彼女の顔が怒りに染まる。

葵「は? 原因が私にあるようなことを言っているがなにが原因なんだ?」

管「あなたがあのような姿を見せたせいで、主はこれが夢であってほしいと思った! 貴方が事の発端だ!」

 何が原因かよくわからん。

葵「だが私はこう生きているのだ。それでいいのではないのか!?」

管「もう遅い!」

 エェ――――!? どんな駄々っ子なんだ!?

管「ディアボリック・エミッション」

葵「そして容赦なしの広域攻撃!? エクス白騎士! 全体防御、全員を守れる空間防御同時展開!」

 葵の身体は白く染まり白色の球体状の防御魔法がその場にいた全員を包む。

管「闇に染まれ・・・」

 それと同時に闇の書の闇が全員を包み込む。

葵「〈くっ、孤狐空間転移!〉」

孤「〈わかった!〉」

―シュン

 闇が晴れると、その場にはだれもいなかった。

管「逃げたか・・・・」


―ビルの陰

葵「ディアボリック・エミションだったか。白騎士の防御魔法にひび入れるとはな」

 シールドを持っていた左腕の方を見ると、切り傷がついていてそこから血が出ていた。

葵「はぁ、どんだけ魔力の貯蔵できるんだあいつは?」

(おそらくですがなのはちゃん、フェイトちゃんの魔力も吸収しています。つまり二人を足したぐらいでは?)

・・・・恐ぇ。久しぶりだな、こんな嫌な汗を背中で感じるのは・・・。

 とまぁ、言ってますが実際は主人公も加担してますよ?

ユ「なのは!」

アル「フェイト!」

 そこにユーノとアルフが来た。

ユ「葵!?」

アル「あんた、いつ帰って来たんだい!?」

葵「話したいことはいろいろあるだろうがその前に・・・ヴォルケンズに聞きたいことがある」

シ「なんだ?」

葵「魔力もそうだがお前らはあれの一部だったな」

ヴィ「お、おぉ」

葵「となると、あいつの命令もお前らは従うのか?」

シャ「はい。おそらくは」

 つまり別世界に行けと言えば地球外に飛ばされる可能性もあると言うわけか。

 ここで戦力のダウンは避けたいな。

葵「・・・やむえないか。一時的だがお前らを闇の書の制限下から外し私の管理下に置く」

ユ「そんなことができるの!?」

 まぁ、こういうときに契約が役に立つとは。そう思い白書を取り出す。

葵「白書よ覚醒の時来たり。我、汝に名を与え、我がものとなれ」

(はい。我が主)

葵「(明日はクリスマスか。なら安直だが)汝の名、聖なる夜に生まれし書、【聖夜の書】」

(ありがとうございます。我が名は聖夜の書。我は常にあなたと共に)

葵「さて、我は聖夜の書の主。我が書に記されし者達よ。我が命に従い、我が意に服し、我と共に剣を抜け。これ我が命なり」

 聖夜の書がぺらぺらとめくられ、

葵「神雷の騎士ヴィータ、聖炎の騎士シグナム、清風の騎士シャマル」

 え? ザフィーラがいない? 話を聞くとザフィーラから聞いたけど、「私にそっちのけは無いから安心しろ」と言われた。ほっとした自分がいたのは別だけど。

 まぁ、そう言い終えるとそれぞれの騎士甲冑が別の騎士甲冑に変化する。

 ヴィータのは以前契約を執行した際のに。シグナムは蒼騎士をそのまま葵部分を赤へ。シャマルは騎士甲冑は緑を基調としたモノ(三国無双6の星彩)。ちなみにヴィータの年齢は変化していません。

 で、どうしてこれが私の管理下に置かれるかというと闇の書とのパスをいったん切り離しその代わりに聖夜の書の守護騎士とした。それだけだ。

ヴィ「これって・・・」

シャ「新しい騎士甲冑ですね♪」

シ「ヴィータのその格好を見る限り、どうやら葵の契約の執行時のものと見るが? 成長はしないのか?」

葵「私と契約を執行していないからおそらく劣化版だろ。だが威力はある程度プラスされてるはずだぞ」

な「ヴィ、ヴィータちゃんの格好が変わった!?」

フェ「二つデバイス持ってるんですか!?」

 まぁ、二人には悪いが説明している時間もなさそうだ。なんでかって? 簡単だ。

孤「あの管制人格だっけ? あれ、広域殲滅型だね」

な・フェ「「だれ!?」」

孤「孤狐だよ〜」

な「え!? じゃあ、あの少女はあなただったんですか!?」

孤「ん〜。違うともいえるし、そうともいえるな」

フェ「えっとどういうことですか?」

孤「あれはね、葵とボクが合体した姿なんだよ」

な・フェ「「えぇえええーーーー!?」」

 まぁ、その後は簡単に説明した。

な「そ、そうだったんだんすか」

フェ「でもなんで退学を」

葵「まぁ、彼女たちに協力していると知ったら間違いなく君たちも何らかの干渉をすると思ったしな。特にフェイトこれは君のためでもある」

フェ「え?」

葵「君はおそらく今は局の監視下にあるんじゃないのか?」

フェ「うん」
葵「今回こちら側に協力すれば立場が危うくなる。それを回避するためだ。なのはも、これを知れば間違いなく犯罪者になるぞ」

な「うっ」

フェ「そ、それは・・・」

葵「まぁ、それでも彼女たちを助けたあとはこっちに有利にするがな」

―ビル屋上

管「主よ・・・あなたの望みを叶えます」

 彼女がそう告げると、ベルカ式の魔法陣が展開される。
管「愛おしき者を傷つけた者たちよ・・・・今破壊します」

 闇の書が光り出し

(Gef&auml;ngnis der Magie)

―ゴオオオオオォォォォォ

 闇の書の管制人格を中心に結界がはられた。

葵「これは・・・結界!?」

アル「前と同じ閉じ込める結界だ!」

シ「閉じ込められたか・・・」

 みんな冷静だな。そう思い再び管制人格の方へ視線を移すと、なにやら魔力を収束させていた。

葵「・・・・まて、あの魔法ってまさか・・・・」

 あの攻撃どこかで見たことあるぞ。ピンク色点がどんどん大きくなっていく。あれって・・・

な「スターライトブレイカー・・・・」

葵「全員散開!! 出来るだけ距離を取れ!!」

全員「了解!」

 一気に全員がそう言って指示に従ってくれた。

 私はなのはとフェイトの援護も兼ねて三人で全力で距離を取っています。

な「ちょっ! フェイトちゃんこんなに離れなくても」

フェ「至近からくらった防御の上からも落とされる。回避距離を取らなきゃ」

 さすがあの魔法を喰らった経験者がいうと説得力がある。

な「葵君! こないだわたしの魔法を消して撃ちおとしたあれ使えば何とかなるんじゃないの!?」

葵「あれは一人の魔法につき一回の限定つきなんだ。魔法は万能じゃない! 覚えておけ! ましてやお前のあの魔法の威力はバカにならん」

フェ「どういうこと?」

(一度だけなのはちゃんのSLBを最初の結界破壊時の威力と想定して無に帰する刃(ルーンヴォルヴァ)をぶつけてみたんですが・・・・)

な「どうなったの?」

(刃を軽く呑み込んでこっちに攻撃してきた。しかも疑似的な物だから威力も弱まっている)

 あぁ。あの時ほど死を恐れたことはなかった。多分なのは本人が撃った魔法だと・・・あれも役に立たないだろうな・・・。なのはそのうち悪魔とか呼ばれるんじゃないのか?

な「葵君。今変なこと考えなかった?」

葵「・・・ナ、ナンノコトデショウ?」

・・・心が読まれるほど私は顔に出やすいのか?

(マスター!! 左300ヤードに生命反応あり!!)

葵「なに!?」

(これは・・・・アリサとすずかです!!)

 そういって視線で探すと、

葵「いた!」


SIDEアリサ・すずか


 道路に一人ポツンと佇むすずか。

す「あぁ・・・・」

 その視線の先には桃色に輝く光の球体がある。

―タッタッタッ

 すると、アリサがすずかの元へ戻ってきて、

ア「やっぱり誰もいないよ! 急に人がいなくなっちゃた・・・」

 おそらく周りの様子の変化に気付き見てきたのだろう。

す「うぅ・・・・」

ア「あたりは暗くなるし、なんか光ってるし、一体何が起きてるの!?」

す「うーん・・・・」

 困惑すずかを見て、ありさは、

ア「とりあえず逃げよ! なるべく遠くへ!」

 そういってアリサはすずかの手を取る。

す「あ、うん!」


SIDEOut
 

 いまだに、闇の書はチャージを続けていた。

葵「一体どこまでチャージを続ける気だ・・・」

(距離、70・・・60・・・50・・・)

 エクスは二人までの距離をカウント形式で二人の距離教えてくれている。

フェ「葵、なのは、この辺」

な「うん」

 そういってフェイトはなのはを離すと・・・離した!?

葵「え!? なぜ!?」

(以外と大胆だな二人とも・・・・)

 冷静なルミルですら驚いているぞ?!

 まぁ、結果を言えば煙を上げて停止したが、あまり心臓によろしくないぞ。一瞬心臓がひやっとしたぞ。

 フェイトは信号機の上に着地した。これが日常だったら明らかに警察に御世話になるな。

 私は空から二人を探すか。

葵「エクス、距離は?」

(20・・・18・・・)

(接近中だな)

フェ「えっと、う〜ん・・・〈ごめん、ここからじゃわからない。葵、そっちは?〉」

葵「・・・〈なのはのまいた土煙のせいで分からん〉」

な「〈え!? わたしのせい!?〉」

(13・・・11・・・)

葵「もう直ぐ来る。視認で確認するしかないな」

 すると、ビルの間から、二人が出てくるのを確認した。

葵「なのは、いた!」

な「あっ! あの、すみません! 危ないですからそこでじっとしておいてください!」

ア「え?」

す「今の声って・・・」

 すると、煙もおさまり、なのはが姿を現す。

ア「・・・なのは?」

す「・・・フェイトちゃん?」

 やはり二人か。まずいな、この状態で発射でもされたら・・・

管「スターライトブレイカー・・・」

 ・・・タイミング良すぎるな。

―ドゴオオオォォォォ

ア・す「「あぁっ・・・」」

 二人とも迫ってくる光に驚いている。

な「〈フェイトちゃん、アリサちゃんたちを〉」

フェ「〈うん!〉」

―ガシュン ガシュン

 カードリッジをロードし、

フェ「二人ともそこでじっとしてい」

 すずかがアリサに抱きつくように佇んだ。

(Defenser plus)

 すると、黄色のバリアが展開された。

 さらにフェイトも二人の前にたちバリアを展開した。

な「レイジングハート」

(Wide area protection)

 二発のカードリッジをロードしプロテクションを展開した。

葵「エクス。白騎士展開」

 そういって私は白騎士を見にまとい、なのはの前にたち、

葵「防御魔法展開」

 水色の魔法をアリサとすずかのいるあたりまで広げ、展開した。

 そして、

―ズゴオオオォォォォォォバチバチバチ!!

 魔力嵐とでもいうべきか? スターライトブレイカが着た瞬間にすごい勢いの風で吹き荒れていた。

ユ「〈なのは、大丈夫!?〉」

ヴィ「〈葵!?〉」

アル「〈フェイト!?〉」

 ヴィータ達から念話が入ったが、今それどころではない! 正直言ってこれはきつい。本当に将来有望な魔王だよ、なのはは!!!

な「〈葵君! 今失礼なこと考えてたでしょ!?〉」

葵「〈ソンナコトハナイ!〉」

フェ「〈カタコトで威張っても・・・〉」

葵「〈それより、アースラと連絡を取って二人を安全な場所まで退避させろ! 持たんぞ!?〉」

な「〈そうだった!〉」

 オイッ!? 友達の命がかかってんだぞ!?

 その後、なのはとでフェイトがアースラと通信してどうやらこの場所が安定するまで耐えてくれと言われたそうだ。

 しばらくしてから砲撃もおさまり二人の方を確認したが、

す・ア「「うっうぅ・・・・」」

 まぁ、あれだけ怖い体験をすれば、こうなるか。

フェ「もう大丈夫・・・」

な「すぐ安全な場所に運んで貰うから、もう少しジッとしててね」

なのはとフェイトが二人に話しかけた

す「あの、なのはちゃん? フェイトちゃん?」

ア「ねぇ! ちょっと・・・」

 二人がなのは達に話しかけようとすると、アリサとすずかの下に魔法陣が浮かび上がりそして

―シュン

 別の場所に移動した。

な「みられちゃったね・・・・」

フェ「・・・うん」

葵「話せばわかるんじゃないか? あの二人なら」

フェ「葵もばれたんじゃないの!?」

葵「フェイト、私は今大人だ。つまり」

 彼女たちは私の子の姿を知らないから私=葵とはつながらないわけだ。

な「・・・・なんかずるい!」

葵「まぁ、それが大人の特権ってやつだ。まぁ、話す時はこっちも自動的に話さなきゃいけなくなるから、一緒に話すとしよう」

フェ「ホント!?」

な「ありがとう! 葵君!」

 そう言って抱きつくが、まぁ身長のせいもあってちょっと上目遣いになっていた。
葵「〈ユーノ、アルフ、ザフィーラ。二人を守ってやってくれ〉」

アル「〈でも葵!〉」

ユ「〈行こう、アルフ、ザフィーラさん〉」

ザ「〈あぁ。気がかりがあると他の連中も満足に戦えんだろう〉」

アル「〈・・・わかった〉」

葵「なのはとフェイト君たちに頼みがある」

な・フェ「「え?」」

 二人は驚いているが私はそれを無視して作戦を話した。

葵「では頼んだぞ。飛翔」

エクスからルミルに変化させた。さて、私は行くか。あの駄々っ子の元へ。

 そういって翼を出し、管制人格の元へ向かった。

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