小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二九話


SIDE管制人格

管「来たか」

 私の目の前には漆黒を身にまとったかのような葵がいた。

葵「さて、もう一度お前に言う。大人しくはやてを返せ」

管「断る。貴方も闇に眠れ」

 私の周りに血のような紅い剣をだし、彼もまた見たこともない黒色の魔法陣を展開させる。

管「穿て、ブラッティダガー」

葵「放て、ダークアロー」

―キィイン

 だがいの矢が放たれ、そして、

―ズガァアアアン

 相殺する。

葵「ほぉ。あれを相殺するか」

 相殺されたことを驚いているのか、目を見らいていたがどこか楽しそうだった。

葵「・・・闘いを愉しむ・・とはな。とことん私も・・堕ちたな」

管「?」

 途中までしか聞き取れなかったがどこか暗い顔でそう言っていた。

葵「まぁ、今は関係ないか。両翼刀」

 黒と白の翼の肩を出し構え、

葵「さて、参ろうか」

管「・・・・はぁ!」

 そして、たがいに駆けだした。


SIDE Out

SIDEはやて


・・・・・ねむい
















・・・・・ねむい、なんやろ、このまま寝たらアカンのかもしれん。でも、ただただねむい。



















は「・・・うぅ・・・んっ」

 うっすらとやけど目の前には知らん女性が。

???「そのままお休みを我が主。・・・貴方の望みはすべて私が叶えます。目を閉じて心静かに夢を見てください」





















・・・懐かしい声。でも、誰か分からん・・・誰の声やったかも・・・・






















は「私は・・・何を望んどったんやっけ?・・・」

???「夢を見ること。悲しい現実は夢となる。安らかな眠りを」

























・・・そう・・・なんか?・・・でも、もう・・・どうでもよくなってきた・・・

























???「直にあの者も参ります」























 あの・・・者・・・・



















???「葵も・・・いずれ」


























・・・・・・・は?























は「えぇっと、そこのええおっぱいしとる姉ちゃん。今何っていった?」

???「え、えぇ。葵もいずr「ならあの剛腕男に胸ぶち抜かれて光りになったんは!?」えっと分かりませんが魔力で作った変わり身かと・・・」

 な・・・ん・・やて・・。

は「生きとんやな! 葵君はほんなら生きとんやな!!」

 ええおっぱいしとる姉ちゃんの腕をつかみながら何度も確認した。

???「え、えぇ。本当です」

は「よし。ほんならさっさとこんなわけのわからん場所におる理由もない! さっさと出るで!」

???「えぇ!?」

 こんな場所で寝れるか! ぐっすり安眠するんやったらやっぱ葵君のそばやないと!! 葵君、私を泣かせた罪は重いで? グフフフフッ


 そのはやての光景を見ていた管制人格は、

管「主が、主が壊れた・・・・」


SIDEOut


シ「はぁあああ!」

ヴィ「ラテ―ケンハンマー!!」

葵「鳳墜閃!」

 あの後、シグナムとヴィータも加わり、一斉に攻撃を加えるが、

―ガキィィィン!

シ「はぁ・・はぁ・・・さすがに堅いな」

ヴィ「あぁ、さすがあたしらを含め伊達に魔力を奪ってるな」

葵「〈シャマル。あとどれぐらいの耐久性があるかわかるか?〉」

 そういってシャマルに連絡を取ると、

シャ「〈えっと、およそまだ50%残ってます〉」

ヴィ「あれで半分かよ!?」

葵「一気にけりをつけるか。ルミル、黒騎士パージ、エクス、白騎士シンクロ!」

 あと、なのはとフェイトに通信を入れておかねば、

葵「〈そっちの準備はどうだ?〉」

な「〈ばっちりなの!〉」

フェ「〈いつでもいいよ!〉」

葵「〈よし。おそらくこれで壊れる。障壁破壊後は分かっているな?〉」

な・フェ「「〈うん!〉」」

葵「シグナム、ヴィータは援護を頼む」

シ・ヴィ「「あぁ(おう!)」」

葵「チャージ開始。目標62%」

(了解。チャージ開始。終了予定およそ22秒)

 耐えろよ。頼むから。


SIDEシグナム・ヴィータ


 騎士甲冑だけじゃなくて本当に管理権限もすべて全く通じない。

 ザフィーラもある程度離れていれば管理者権限が使えないらしい。

管「なぜ、私の命令が効かない」

ヴィ「へっ。今のあたしらは葵のモノだ。葵の命令にしか従わない」

シ「主はやてには悪いが。だが、主はやてを助けられるのなら!」

 そういって二人ともデバイスを構え、

シ「ハアアアァァァァァァ!!」

ヴィ「ウオリャアアァァァァ!」

―ガキィイン

シ「(やはり堅い)レバンティン」

レヴァ(Explosion)

―ガシュゥン

 カードリッジをロード。そして、炎がレバンティンの刃を覆い、

シ「紫電一閃!」

―ギギギギ、ガキッ

 すると、少し鈍い音がした。

ヴィ「葵!」

(マスターチャージ終了!)

葵「シグナム、ヴィータ離れろ」

 二人が射線上から退避したのを葵が確認すると、

葵「光りの道は何を示す」

(人の歩むべき正しき道を)

葵「されどその道に外れるものも在り」

(神はそれを見て嘆いた)

葵「神はその者に罰を下す」

(人はそれ恐れ慄(おのの)いた)

葵「ギュリーノス・ブレイカー!」

 そう言うと、本当に光の道と思うほどきれいな光りだった。

 砲撃が管制人格に向かっていくと、

管「盾」

(Panzerschild)

 シールドを展開し防ぐ。だが、

―ガガガガガッガ・・・・パリィン

 障壁の破壊を確認すると、

葵「なのは! フェイト!」

 葵が合図すると同時に、

な「ディバイン・・・バスタアァァァァ!」

フェ「プラズマ・・・スマッシャアァアァァァ!」

 二人が放った砲撃はそのまま、管制人格に直撃し、爆煙が上がる。

葵「・・・このまま気絶してくれるとそのままワクチンを作動させるんだがな」

 おそらくまだバグ除去のワクチンが生きており、先ほどの攻撃で停止したらワクチンを発動させたいのだろう。

管「・・・・」

 爆煙の中からは多少傷ついた管制人格が現れた。

葵「そうは問屋が―――なっ!?」

シ「神無月!?」

 葵の目の前に闇の書があり、

管「あなたも、我が内で眠るといい。永遠に」

葵「しまった!?」

―キィイイイン

 葵の身体が光り出し、そして消えた。

(Absorption)

―バンッ

 開かれた闇の書はそう告げ本を閉じる。


SIDE out


 闇の書に吸い込まれた葵はというと。

葵「油断したな・・・・しかし臭い。なんだこの悪臭は?」

 自らに結界を張り、周りからの浸食を防いでいた。

葵「はぁ、邪魔」

 溜息をつきつつも両翼刀で周りから迫る触手を斬りつけて行く。

???「なんで、どうして、私を作ったのは人なのに・・・」

 ある程度歩むと奥の方に泣いている女性がいた。

葵「管制人格?」

???「え?」


SIDEはやて


は「なるほどな。つまりここから抜け出るには外におる人に協力してもらって、ぶん殴ってもらう必要があると」

管「え、えぇ。まぁ・・・(ぶん殴るって、主よ。貴方も女の子なのですから言葉遣いには)」

は「でも、中からそんなこと頼めるんか?」

管「はい。ですが、私たちができるのは動きを止めることが限界です」

は「そこら辺は気合と根性や! それから姉ちゃんではあかんから名前教えてもらえるか?」

 目の前の姉ちゃんはいきなり黙って、口を開けた言葉に私は切れた。

管「私に名前はありません。強いて言うなら【闇の書の管理人格】でしょうか」

―プチッ

は「名前がない? ほんなら私が名前ぐらいつけたる! しかも自分をモノ呼ばわりするようなことを言うん!? あんたは生きとんやろ!? 葵君が言とった。生きとし生ける者、命ある者には幸せになる権利も未来を見る権利もある! もとならあんたにもあるんや!」

 ま、葵君の受け売りやけど、こうやって口に出して言うとホンマにそう思う。

は「それに、貴方のマスターは今は私や! マスターの言うことは気かなあかん!」

 彼女のほほに手を当てると、足元に白い魔法陣が広がる。

は「それにもう、闇の書とか呪いの書とか言わせへん! 私は管理者や私にはできる」

管「主、はやて・・・」

 涙を流す彼女。

は「名前をつける前に、することしよな。時間ないらしいし。その後や。名前をつけるのは!」

管「はい!」

 涙をふき彼女の眼に再び意思が宿る。

は「ほなやろか。やるべきことを。わたしらがつかむ幸せと未来のために」

管「はい! 主」

 私は深呼吸をし、念じるように、

は「とまって」

 そう強く念ずる。

は「〈外の方!えと、管理局の方!こちらえと、そこに居る子の保護者、八神はやてです!〉」

な・フェ「「〈はやて(ちゃん)!?〉」」

は「〈え!? なのはちゃんに、フェイトちゃん!?〉」

ヴィ「〈はやて!!〉」

シ「〈御無事ですか、主はやて!?〉」

孤「〈おぉ。聞こえるよ〉」

は「〈シグナムに孤狐、ヴィータも!?〉」

 すると、隣で、

管「なぜかは分かりませんが私の制御から守護騎士たちが切り離されてしまいまして。おそらく葵の力なのかと」

 あぁ〜、葵君か。なんやろ、葵君ならむしろできて当然。って感じがする。でもまぁ、そこが葵君らしいんやけどな。優しくて強くて、自分が落ち込んだ時は支えてくれる。やから惚れたんや!

は「〈それから、今魔導師で一番強力な魔法使いを撃てる人って誰?〉」

フェ・シ・ヴィ・シャ・孤「〈・・・・・(クイッ)〉」

 なんやろ、私は今声しか聞こえんけどなのはちゃん以外がみんななのはちゃんを指差したような気がする。

な「〈え!? わたしなの!?〉」

 ほら〜。

は「〈ほな、なのはちゃん! 一番強力な魔法でこの人にでかい魔法ぶちかましてやって!!〉」

ヴィ「〈はやて!?〉」

シ「〈正気ですか!?〉」

シャ「〈お願いですはやてちゃん! 考え直してください!!〉」

孤「〈はやてちゃん!? 自殺する気!?〉」

 あれ? 人選ミスった? しかも孤狐の最後の言葉がメッチャ気になる・・・

な「〈うん! 任せてなの! 全力全壊でするの!!〉」

・・・・本気でミスったような気がするってなのはちゃん? 今字違ったよな!?

作者:誤字にあらず! って、待て?! はやてさん!? それをどこから!?

 ふふふっ・・・関西人なめたらアカンよ?

作者:エセのくsあぁ冗談ですごめんなさいだからそのシャマル特性スープ:@[@;.okijhuhl;@[p;^[:
/・・・・・

は「(悪は滅びた!)しかし・・・なぁ、ほんまに私ら生きてここから出れると思う?」
管「し、信じましょう。彼女たちのことを・・・・(主よ・・・いったい誰を殺したんですか・・・)」

 そ、そやな。な、なのはちゃんのことを・・・・すると、胸のあたりから光が広がっていた。

管「暖かい光ですね。太陽の光のような、誰かに包まれているような」

 その光が出ている場所からモノを取り出すと、それは葵君がくれた宝石のペンダントだった。

管「この力は・・・・葵の魔力、なら。主、これなら外の攻撃入りません! 今すぐ中断を!?」

は「マジかいな!? なのはちゃんす「エクセリオンバスター・フォースバースト!ブレイクシュートォォォ!!!」ノォォォォ!!」

 ストップというとしたがなのはちゃんの方が早かった。今さらだが、なのはちゃんに任せたうちのミスや。一生の・・・。

 ま、まぁええわ。結局いい方向に入った・・・はず。

は「・・・ごほん! 次は姉ちゃんのほうやね。夜天の主の名において、汝に新たな名を贈る、強く支える者、幸運の追い風、祝福のエールリインフォース」

 するとあたりを光が包み込む。

リ「新名称、リインフォースを認識。管理者権限の使用が可能になります

は「うん」

リ「ですが防御プログラムの暴走が止まりません。管理から切り離された膨大な魔力が直に暴れ出します」

は「うん。まぁ、なんとかしよ。いこかリインフォース」

 私は目の前に現れた闇の書をそっと抱き締めた。

リ「はい。我が主」



な・フェ「「はやて(ちゃん)!!」」

 脱出成功!

は「リインフォース。私の杖と甲冑を」

(はい)

 リインフォースが私の杖と甲冑を準備してくれた。甲冑言うから西洋騎士みたいなものを思っとったんやけど違うみたいやな・

ヴィ「はやてー!」

 すると真っ先にヴィータが抱きついてきた。

シ「主はやて。すみません」

シャ「はやてちゃん、私たち・・・」

 多分、私に黙って蒐集したことやろ。

は「ええよ、みんなわかっとる。リインフォースが教えてくれた。そやけど細かいことは後や。今

は・・・お帰り、みんな」

 そのまま優しくヴィータの頭をなでる。

な「はやてちゃん」

は「ごめんな。うちの子らが迷惑かけて」

フェ「ううん」

は「それより葵君は?」

全員「えっと・・・・その・・・・」

 すると、空中にモニターが映って、・・・・どちらさん?

???『みんな気をつけて!』

フェ「エイミィ?」

 ほぉ。エイミィさんいうんや。

エイ『あの球体から膨大な魔力反応が!』

全員「なに!?」

―ドパァァァァァアン

 目の前には、私と同じ格好をした『彼』がいた。

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