小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第三一話


 闇の書の暴走が始まり、その暴走体が出現した。

アル「チェーンバインド!」

ユ「ストラグルバインド!」

孤「切り裂け炎狐刃斬(えんこはざん)!」

―ギィィィ ジャギィィン!

 アルフとユーノはバインドで魔法生物の足(触手みたいな)物を捕え切断し、さらに孤狐の焔の刃が追い討ちをかけるように触手を切り裂いて行く。

ザ「縛れ! 鋼の軛!! デェェェェヤ!」

―ゴゴゴッ!

 そして、ザフィーラの魔法で残りを掃討していく。

―アァァァァァァ!

 その攻撃にまるで悲鳴のような声で、暴走体が声を上げる。

 上空ではなのはとヴィータが攻撃のスタンバイに入る。

ヴィ「ちゃんと合わせろよ。高町なのは!」

な「ヴィータちゃんもね!」

 ヴィータはグラーフアイゼンを構え、

ヴィ「鉄槌の騎士ヴィータと黒鉄の伯爵グラーフアイゼン!」

―ドキュゥン ガシュゥン

(Gigant form)

 グラーフアイゼンは鉄槌から巨大ハンマーに変わり、

ヴィ「轟天爆砕! ギカントクラーーーーケン!」

―ズドォォン

 そのままハンマーは暴走体のシールドに当たり、そして、

―ギギギッ・・・バリィィン!

 バリアが砕け散った。後四枚!

な「高町なのはとレイジングハートエクセリオン行きます!!」

(Load Cartridge)

―ガシュゥンガシュゥンガシュゥン 

な「エクセリオン・バスタァァァーーーー!」

(Barrel shot)

 不可視のバインドで迫りくる触手を払いのけ、

な「ブレイク・・・」

―キィィィン

 魔力を収束し、

―ドォン

 四つの砲撃がまずバリアに当たる、さらに、

な「シューーート!!」

 その間を通るように巨大な砲撃が放たれる。

―ドォォォォン!!! バリィィン

 砲撃でバリアが砕ける。残り三枚!

―アァァァあァぁ

シャ「次、シグナムとテスタロッサちゃん!」

 シャマルが指示を出すと、背後に構えていたシグナムが戦闘態勢に入った。

シ「剣の騎士シグナムが魂。炎の魔剣レヴァンティン! 刃と連結刃に続くもう一つ姿」

―ガシュゥン

 レヴァンティンに鞘を当てる。レヴァンティンは一つ薬莢を出すと、

レヴァ(Bogen form)

 レヴァンティンは弓の姿に変わった。

 そして、シグナムは弓を引くと矢が現れ、弓からカードリッジが二発ロードされた。

シ「駆けよ! 隼!!」

レヴァ(Sturm falken)

ーキィィィィン ズバシュゥゥゥン!

 魔力の込められた矢は一直線に暴走体に向かい放たれ、

―ズガァァァン!

 爆発と共にバリアが破壊された。残り二枚。

フェ「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー、行きます!!!」

―ブゥオン ガシュンガシュン

 黄色い魔法陣が展開され、

フェ「ハァッ!」

 大剣を一振りすると、衝撃波が周りの触手をなぎ払い、暴走体に命中する。

 フェイトはバルディッシュを天高く抱えると、そこに雷が宿り、

フェ「撃ち抜け雷神!」

(Jet zamber)

 その黄色い刃が暴走体のバリアを貫通し、左部分ごと切り裂いた。

―アァァァアアァアァァ!!

 暴走体も応戦に出ようとしたのか、その足元に触手が生えて、そこから砲撃を放とうしていた。

ザ「盾の守護獣ザフィーラ! 砲撃なんぞ撃たせん!!」

 ザフィーラのはもうによって砲撃を放とうとしていた物はことごとく破壊された。

シャ「葵君! お願い!」

葵「黄泉路への案内人。神無月葵と」

ヴェ(幸福を告げる者、ヴェル!)

 杖を天高く掲げ、白い魔力がどんどん収束されていく。

葵「終焉を告げる鐘・・・」

―キィィィン

葵「ヴォルガレット・ブレイカァアアアアア!!!!」

 白い砲撃は一直線に暴走体に向かい、直撃。

―ズガアォアアアァアン!

葵「・・・・やりすぎたか?」

 バリアと右部分の一部を破壊した。

シャ「はやてちゃん!」

 隣にいるはやてに、シャマルが指示を出す。

葵「はやてならできる。安心しろ。そばに私がいる」

は「うん!」

 はやては力強くうなずき、夜天の書を開き、

は「彼方より来たれ、やどり木の枝 銀月の槍となりて撃ち貫け!」

―キィィン

 暴走体の目の前にはやてが展開した魔法陣が現れ、

は「「石化の槍! ミストルティン!!」

 光は一斉に放たれ、暴走体に突き刺さる。

―ガギガギガギガギ

 暴走体はそのまま石化し、あの女性みたいなものも石化し崩れ去ると、

―ズバァン・・・グチュ・・ガガ・・・・グルガカッカッカカ

葵「!? 今の声・・・まさか・・」

 今一瞬あいつの声が・・・いや、そんなバカな・・・気のせいだろ。

 暴走体はそのまま再生をしようとしたが、もはや何の姿を取りたいのか分からない状態に陥っていた。

アル「うわっ! なぁ・・・」

シャ「なんだか・・すごいことに・・・」

 完璧なキメラだな。

エ『やっぱり並みの攻撃じゃ通じない!? ダメージを入れそがばから再生されちゃう!』

ク「だが、攻撃は通っている! プラン変更はなしだ! 行くぞ、デュランダル!!」

デュ(OK Boss)

ク「悠久なる凍土、凍てつく棺なのかにて、永遠に眠りを与えよ」

―キィイン

 クロノから放たれた冷気は海すらをも凍らせ、暴走体の周りの海も凍らせた。

ク「凍てつけ!!」

デュ(OK Boss)

―パキパキパキ

 一気に暴走体を凍らせた。だが、

―バリィーン

 一瞬で暴走体は氷を破壊し再生を開始した。

葵「仕上げにかかるぞ。なのは、フェイト、はやて!」

な「うん!」

フェ「うんっ!」

は「行くで!」

 なのはレイジングハートを構え、

(Starlight Breaker)

な「全力全開スターライトォォ・・・」

―キィィィィィィン

フェ「雷光一線! プラズマザンバァァ・・・」

―ゴォォン バヂバヂバヂ

―キヒュィィィン

は「ごめんな・・・おやすみな・・・くっ・・。響け! 世界の終焉の笛! ラグナロク!」

―キィィン! バチィチィ

な・フェ・は「「「ブレイカァァアアアアア!!!!」」」

―ズガァアアアアアン!!!!

 三人の砲撃が暴走体に向け放たれる。

葵「・・・あれだけで十分じゃないか?」

(念には念です!)

(油断は禁物だ)

ヴェ(二人の言うとおりです)

 そうか、なら、

葵「人の業に神は怒った。これは神の怒りなり」

 暴走体に黒い球体が浮かび上がり、

葵「時来たり・・・神の裁きの鉄槌!!!」

 暴走体の頭上から黒い砲撃が一気に放たれた。

―ズガァアアアアアン!!!!

 四人の砲撃によってあたり一面に爆風と爆煙が広がる。

シャ「本体コア露出・・・」

 シャマルは旅の鏡を使い、暴走コアの捕獲に取り掛かっていた。そしてときは来た。

シャ「・・・捕まえた!」

ユ「長距離転送!」

アル「目標軌道上!」

 二人の魔法陣がコアを囲み、

シャ・アル・ユ「「「転送!!」」」

―ゴゴゴゴゴッ シュィィン!

 そして、暴走体は空に向かって飛び出していった。


SIDEアースラ


局員1「コアの転送! きます! 転送されながら生体部品を修復中! すごい速さです!」

エイ「アルカンシェル! バレル展開!!」

―ギュゥゥゥイィィィィン

リン「ファイアリングロックシステムオープン」

―キュゥイン キュオン

リン「命中確認後、反応前に安全距離に退避します! 準備を!」

局員「「了解!」」

 リンディ提督が鍵を刺すと、ロックシステムが赤色に変わった。
 
 そして、暴走体がアルカンシェルの射線上に出現すると同時に、

リン「アルカンシェル発射!」

―カチっ

―ズゴォォォォォン! バチバチバチバチ!

 アルカンシェルは暴走体に命中した。

―・・・カッカッカッカ




―地上

葵「やはり。エクス、ルミル。まだ終わらないようだ。作戦を対【異端児】戦用に」

エ・ル((え!?))



―軌道上

 軌道上のアースラでは目標の完全消滅を確認していた。

エイ「効果空間内の物体・・完全消滅! 再正反応ありません!!」

リン「ふぅ。準警戒体制を維持、もうしばらく反応区域を観測します」

エイ「了解!・・・ふぅ」

エイミィは椅子にもたり掛かり安堵した


SIDE Out


エイ『というわけで現場のみんな! お疲れさまでした〜! 状況無事に終わりました〜! この後残骸の回収とか、市街地の修復とか、色々あるんだけどみんなはアースラに戻って一休みしていって!』

な「あっ、アリサちゃんとすずかちゃんは?」

エイ『あぁ、被害がひどい場所以外は結界を解除しているから、元いた場所に戻っておいてもらったよ。大丈夫!』

葵「・・・・・そうか。そいつは好都合だ」

な「葵君?」

シ「どうしたんだ神無月? ずっと空を見上げているが」

葵「・・・第二ラウンドの幕開けだ・・・」

エイ『え?』

――グルルルルカッカッカッ

全員「!?」

 さぁ、始めようか。第二ラウンドを。

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