小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第三話


SIDEシグナム

 神無月の格闘戦は初めてみる。たがいに構えたまではいい。だがすぐにはやはり動かない。

貞「やはりさっさとは動かぬか」

蓮「そうでしょうね。でもあと三秒もすれば動くわ」

 簡単にわかるモノなのか? すると丁度三秒後に二人が消えた。

―ガキィイイン!

 音がする方を見るとかなり上空で戦っていた。

葵「ハァアアアアアアア!!!」

統「ウォオオオオオオ!!!」

 かなり強い衝撃波みたいなものを上げて戦っていた。

―ガキィン ガゴォン 

貞「葵もなかなか腕を上げおったな」

蓮「えぇ。ここが地球上だったら宇宙まで行ってたでしょうね」

な「宇宙!?」

フェ「そ、そんなところまで行ったんですか!?」

孤「確か葵と統楽の戦いは最大で月面で戦ってたこともあったな〜」

 つ、月で・・・・どこまで規格外なんだ。

貞「ちなみに言っとくがあいつらは今魔法なんぞは使っておらんぞ」

孤「純粋に力と力のぶつかりあいだね」

ク「魔法を使っていないであの強さなのか!?」

蓮「あら坊や。あの子に言われなかった? 武術は最低限の力はつけておくようにって。魔法が使えなかったりとか、武器が無かったらとか、ありとあらゆる場合を想定して戦うことが普通だと」

貞「まぁ、葵もあそこまで行くのに血反吐を吐いてまで強化しまくったしな。じゃが、あ奴の眼は最後まで死ぬことは無かったのぉ。お、葵の左腕が折れたな」

蓮「統楽も苦戦しているわ」

シャ「ちょ、今左腕が折れたといいました!?」

は「と、止めんと!」

 主はやてとシャマルが飛び立とうとすると、

貞「タイムストップ」

 すると、ピタッと二人が止まった。

貞「安心せい。あの程度で死ぬバカではないわ」

 上空を見ると、葵も統楽も再び拳と拳をぶつけ合っていた。


SIDEOut


葵「はぁ・・・・はぁ・・はぁ」

 さすがは統楽様。隙が全くない。それだけじゃなくもう左腕が持って行かれた。

統「腕を上げたか。だが、この程度ではまだわしの域には届かんぞ!!」

葵「確かにまだまだ未熟者です。ですが確実に一歩は踏み込ませいただきます!!」

 再び拳を構える。右腕でどこまでいけるかわからんが。

葵「はぁっ!」

 蹴りを交わすが、統楽様はそれをやすやすと交わす。

統「甘い!」

 そこに統楽様は右ストレートを持ってくる。それを交わし、私は左腕を遠心力を使い、

葵「フッ!!」

統「なっ!? がっ!?」

 それは見事に統楽様の右顔面に喰らわせた。

 さらに攻勢を続けるために右ストレートを左肩部に撃ちこみ、蹴りで腰を狙う。

統「させん!!」

―ゴビャキッ

葵「グッ!?」

 左足骨折。最低でもヒビは行った。

 しかし そのまま右腕で攻勢を崩さず攻撃する。そして、決着はついた。

統「甘いわ!!!!!」

 一瞬にして後ろに回っていた統楽様によって右回し蹴りを防ぐこともできず墜落。

―ズゴォォォォン・・・・・


SIDEなのは・フェイト・はやて・アリシア


 統楽はあの葵を圧倒的に押していた。

 攻勢に出てもすぐに防御に回られ反撃を喰らう。

な「あ、葵君大丈夫かな・・・」

フェ「でも、葵に私たち一回も勝ったこと無いよ?」

は「あ、葵君のことやし勝てるんちゃうんか?」

アリ「う、うん」

 でも、左腕折れてたし、それにさっき嫌な音がしたし・・・・

 すると、葵が空から落ちてきた。

 そして、

―ズゴォォォォン・・・・・

葵「イタタッ・・・ヤバいなこれ・・・」

 葵はかろうじて立っていたけど。

アリ「あれって、もう右足でたってるのと大差ないよ・・・」

 アリシアが言ったように左足はもう飾りとでも言うようにブランと垂れているだけにすぎない。なのは達も若干涙目だ。

統「まだやるか?」

葵「・・・」

 葵はそれでもファイティングポーズを崩さなかった。


SIDEOut


 私は再び立ち上がり拳を構える。

統「・・・根性も成長したな。まぁ今回はそれに免じて終わりにしよう」

 そう言うと、葵は仰向けなって倒れた。

統「まったく、お前には驚かされてばかりだ。死んだと思ったら生きていて、さらに魔法も武術も成長しよる」

葵「己だけでも精進せよ。その力はいずれ役に立つ時が来る。その力はいずれ必要とする者が現れる。そう教えてくださったのは統楽様ですよ」

統「そうじゃったな」

貞「葵。わしらの目から見てもお前は数段強くなっている。必要としているモノが見つかったのか?」

葵「えぇ。まあ」

蓮「それはよかったわ。シャマルちゃん、治療お願いね」

シャ「は、はい!」

蓮「あともう少しであの子も来るから」

 あの子? 誰だ?

 シャマルが近くに来て左足、左腕と順に治療していく。

葵「助かった。ありがとうシャマル」

 そういってシャマルの頭をなでる。

シャ「い、いえ。これぐらいしか私はできませんから///」

 ん? この反応は・・・・

アリ「葵、どうかしたの?」

葵「いや。どこか懐かしい魔力を感じたんだが・・・気のせいか?」

 すると、後方から、

???「あ〜お〜い〜!!」

 後ろを振り返ると、

葵「精r―グベハッ」

 言葉を続ける前に彼女がそのまま鳩尾に突進をかまして来た。

???「葵だ! この匂い、この感触間違いなく葵だ!! 生きてたんだ!!」

 そういって彼女が私の感触を確かめるようになども頭をこすりつけてきた。

 その美しい黒髪と、清楚感を出す服と、顔立ちによってまさに聖人といってもかまわない。

―ジャギン

 ジャギン?

葵「!? な、なぜお前らデバイスを構えている!?」

 後ろを振り返ると、なのは達がデバイスを構えこちらに構えていた。

な「葵君、その人は誰なのかな? かな?」

フェ「私という者がありながら。その人は誰?」

は「エェ度胸やな。正妻がおりながら!」

 フェイト、私はいつから君のモノになったんだ!? あとはやて君と結婚した覚えはないぞ!?

孤「あぁー!! ニア!!!」

ヴィ「知り合いか?」

葵「精霊皇。ニア・フォン・アースヴェル。精霊の頂点に君臨する方だ」

全員「また大物が来た!!!?」

ニ「孤狐。あんたもいたの?」

孤「あんたこそなんでここにいるのよ!」

ニ「葵のいる場所私あり」

孤「葵はボクのモノだ!」

ニ「なんですって!?」

孤「なによ!?」

 二人はにらみ合い火花を散らしていた。すると、孤狐が何かを思いついたらしく。

孤「でもボクは君に勝ってるもんね!」

ニ「なにを根拠に」

孤「これ!」

 そういって左手を彼女に見せる。

ニ「なによこれ? 模様? ・・・・まさか!?」

孤「ふふん♪ これは葵との契約の証し! あんたよりもボクの方が一歩も二歩もリードしてるもんね!」

 ニアは一気にこっちに詰め寄ってきて私とも契約してだのなんだの言ってきた。それに触発されたのかなのはとフェイト、アリシアも詰め寄ってきた。

 その後はニアは統楽様たちに引きずられながらもとの世界に戻った。

 こちらに残されたのはなのは達の説得だった。

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