小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第四話



 さて、精霊皇と御三家がくると言う私にとっての大事件も一件落着した日クロノから連絡があった。

ク「でだ、明日執務官、捜査官、教導官の試験を行うことが決定したらしい。それで、午前は筆記、午後は実技試験だ。分かったか?」

葵「あぁ」

 という連絡があり、まぁそれで今は地上本部が置かれているミッドチルダ。

 まぁ、案内はクロノがしてくれた。

ク「ここで筆記試験を行う。だが大丈夫なのか?」

葵「まぁ、不合格の時はまた来年にでも受けるよ」

 試験開始まで他愛のない話をしていると、試験官がやってきた。

ク「では頑張ってくれ」

葵「あぁ」

試「準備はいいですか? では問題用紙です。合図があるまで―――」

 その後は地球でも行われている試験と同様の諸注意を受け、そして、

試「では始めてください」

 私はすぐに問題用紙をササッとみて、

葵(これぐらいなら解けない内容ではない。むしろこれぐらいのレベルで合否を出すのか?)

 その後は問題用紙を見ずに答案用紙に応えを書いて行く。


SIDE管理局


 ここは大会議室。普段なら管理局の上層部が今後の方針などを話し合うためにいるのだが、現在この場にいるのはミゼット・クローベル本局統幕議長、ラルゴ・キール武装隊名誉元帥、レオーネ・フィルネス法務顧問相談役などの伝説の三提督。

 そして地上本部総司令にして首都防衛隊代表兼防衛長官のレジアス・ゲイツ中将、そしてリンディ・ハラウオン提督とその息子で葵を案内したクロノだ。

 しかし今全員は葵の取った行動に口が空いて威厳のかけらもない表情だ。

ラ「あ、あれはどういうことじゃ・・・・」

ミ「問題用紙を一回だけ見てあとは答えているだけなんて・・・・」

レオ「ん? どうやら試験官に何か聞いているぞ?」

 そういって監視カメラの音声を上げるように指示を出す。

葵『申し訳ありません。この問題用紙は回収するのですか?』

試『い、いえ。回収はしません。お持ち替えるようにしてますが』

葵『そうですか。ありがとうございます』

 すると彼は何かを問題用紙に書き始めた。

リン「何かしら?」

レジ「拡大しろ」

 レジアスもやはり興味があるのか拡大するよう言うと、そこに書かれていたことに、

全員「!?」

 驚きを隠せていなかった。

ク「あれって・・・魔法理論!?」

 葵は問題用紙における魔法理論の問題点と改善点、さらには持論ではあるが組織の内部変革など様々なことを書き込んでいった。

レオ「・・・・彼は本当に何者なんだ・・・」

レジ「おい! 答案用紙の方を拡大しろ!!」

 答案用紙の方を拡大すると、その紙にはすでにすべて埋まっており、ざっと見ただけでも合格は必然だった。

ミ「あ、ありえないわ・・・・」

 全員がもう脱帽だった。


SIDE Out


―三時間後

 試験が終わり彼はクロノに案内されて食堂に来ていた。

 昼食時なのか食堂は混雑していた。

葵「・・・・まずいな。適当に頼んで、適当に座るか」

 そう言って安いものをたんだ。そして、近くにある椅子に座る。

葵(ミッドチルダにもかかわらずなぜ日本円が使えた?)

 とまぁ、謎があったが彼は出題された問題用紙を見つつ、さらにそこに考え方の違いをかきこんでいく。

 すると、

???「すみません。相席いいですか?」

 二人の女性がいた。

葵「どうぞ。この時間ですから」

???「ありがとうね。私はクイント、クイント・ナカジマ。で、こっちが同僚であり親友の」

???「メガーヌよ。メガーヌ・アルピーノ」

葵「ご丁寧どうも。私は神無月葵と申します。失礼ですがナカジマさんは地球の出身ですか?」

クイ「えぇ。まぁ夫の方なんですけど、祖先がそうらしいわ。あなたはなぜここに?」

葵「(隠す必要もないか)試験を受けに来たんです」

メ「へぇ。何の試験を? 執務官かしら?」

葵「えぇ。執務官も受けましたね」

クイ・メ「「も?」」

葵「あと捜査官、教導官を受けました。まぁ自信はそこそこあるんですがね」

クイ「そ、それをいっぺんに?」

葵「えぇ」

メ「ならいい情報教えてあげましょうか?」

葵「?」

クイ「いいの? 隊長に怒られないかしら?」

メ「大丈夫でしょう。ゼスト隊長なら」

 何やらかやの外になったな。

メ「貴方の実技試験の相手はおそらく【ストライカー】よ」

葵「ストライカー?」

クイ「【エース】と呼ばれているのが技術が優れていて、華麗に優秀に戦える魔導師。で、【ストライカー】というのは、その人がいれば、困難な状況を打破出来る、どんな厳しい状況でも突破できる、そういう信頼をもって呼ばれるの」

 なるほど。

葵「信頼、信用。仲間が互いにそれを持っていないとできないことでもありますね。互いに信じ互いに信じあう。なるほど。ある意味楽しみになってきました」

 少し笑みをこぼすと、

クイ「・・・///(か、かわいいわね。子供みたいだけどどこか大人の雰囲気もある・・・はっ! ダメ、私には娘たちと夫が!)」

メ「///(食べちゃおうかしら。ちょうど娘にもお父さんが・・・ダメダメ!)」

 時計を見るとそろそろ時間なので、

葵「では失礼しますね。時間なので」

メ・クイ「「は、はい!」」

 食堂をあとにすると、クロノと出会い、試験会場に案内された。


SIDEメガーヌ・クイント


メ「はぁ〜、あの子可愛かったわね・・・」

クイ「う、うん。娘にもいいかなって思っちゃったわ」

???「お前らいつまで食べてる! 時間だぞ!!」

メ・クイ「「は、はい!!」」


SIDE Out

SIDE管理局


―数分前

ク「試験結果が出ました」

リン「それで結果は?」

ク「全科目において満点。過去最高得点です」

 その言葉にもはや驚くのもバカらしいお思ったのか四人は溜息が出ていた。

レオ「彼はいったい何者なんだ・・・。で、相手は誰を用意したんだ?」

レジ「ふん、そう簡単に合格してもらっては困るからストライカーを二人、そしてそいつの部下二人だ」

ラ「相変わらず容赦ないなレジー坊」

ミ「あの子もかわいそうに。今回はダメかしら・・・」

 そういってミゼットはリンディとクロノの方を見ると、二人は顔を青くしていた。

ラ「残念じゃが彼は「い、いえ、可哀そうなのは・・・おそらく試験官側・・・かと・・」は?」

レジ「どういう意味だ?」

ク「か、彼は魔法なしでもSランク並みの魔導師と互角、いえ下手すれば圧倒して戦えます。実際彼と僕が戦った際、彼は魔法を一切使っていません」

ミ「も、もし彼が魔法を使ったらどうなるの?」

リン「時の庭園をご存知でしょうか?」

ラ「あ、あぁ」

リン「あれを一瞬で無にします」

ラ・ミ・レオ・レジ「「「「・・・・・・はぁ?」」」」

ク「あ、そろそろ時間なので彼を呼んできます」

 クロノはおそらく管理局の上層部のこんな顔を見たくなかったのかさっさと退席した。


SIDE Out


ク「というわけで四対一だ。分かったか?」

葵「あぁ。ところでクロノ。一ついいか?」

ク「なんだ」

葵「魔法を使わなくてもいいのか? それとも絶対に魔法を使わなければいけないのか?」

ク「・・・その辺は任せる」

葵「了解」

 まぁ、使う必要がなければそれまでだ。

 私は試験会場の模擬戦ルームに入ると、

葵「あれ? クイントさんにメガーヌさん!?」

メ「やっほ〜」

クイ「昼食ぶりだね」

???「知り合いだったのか?」

 なんか武士! みたいな感じの人だな。

 その隣では若いな。私と同じぐらいか?

葵「確か、そちらの方がゼスト・グランガイツ。管理局・首都防衛隊に所属。階級は二佐。ベルカ式カートリッジシステムを使っているため騎士の名がついた。装備は槍。その実力は一騎当千の力を持っている。確かにストライカーの名に恥じない。で、もう一人の私と同い年でしょうか? そちらが、ティーダ・ランスター。階級は一等空尉。精密射撃魔法を得意としており、ガンナーとして優秀な成績を残している。しかしそこだけではなく、戦術の上手さも目を見張るものがある。戦術は相手の二手、三手先を読む。そのため指揮官としても優秀」

ティ「よ、よく知ってるね」

ゼ「調べたのか?」

葵「どんな相手が来ても万全な用に。それに最低でもそれぐらいは来るだろうと想定してましたし」

 まぁ、三職同時なんてまず前代未聞だろ。

エイ『やっほ〜、葵君!』

葵「エイミィさん?」

エイ『今回私が審判務めるね! 勝敗の区別は倒すか倒されるか! 簡単かつシンプル!』

 それでいいのか!?

葵「あ、あの質問していいですか?」

ゼ「なんだ?」

葵「さっき言ったことは本当でしょうか?」

ティ「あぁ。ま、倒せれればの話だがな」

 まぁいいか。

葵「ストライカーの実力を見せていただきます」

 そういって黒騎士を展開し手甲を出す。

葵「よろしくお願いします!」

 そういって頭を下げた。


SIDEなのは・フェイト・アリシア・八神家


は「ま、間にあったか?」

フェ「うん。今始まったところみたい」

ヴィ「相手は誰だ!?」

アリ「ちょっと待って・・・え・・・えぇ!?」

な「どうしたのアリシアちゃん」

アリ「相手・・・・ストライカー二人」

シ「ストライカー!?」

な「なんなんですか? そのストライカーというの?」

シャ「簡単にえばどんな困難約何でもその人がいれば突破できるってい人のこと。それが二人なんて・・・」

リイ「厳しいな」

ヴェ「・・・・そうでもないと思うぞ」

孤「うん、ボクもそう思うな」

 ヴェルと孤狐の一声に皆が「え?」という顔をした。

リイ「なぜそう思うのだ?」

ヴェ「葵様は強い。それも過去では管理局員が一生で体験することはまずないと思われるほどの戦線を生き抜いてきた英雄」

孤「それに、葵は合計で二回しか本気を出したこと無いよ。それに、本気を出したら試験どころじゃないけどね」

 そういって再び模擬戦会場を見る。


SIDEOut

-70-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのは 全5巻セット [マーケットプレイス DVDセット]
新品 \84600
中古 \16979
(参考価格:\)