小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一三話

 さて、あれから数日後。再び場所は翠屋。だが、今回はアルバイトというわけではない。というのも、もう直ぐヴァレンタインデー。a

 で、今回翠屋もそれにあずかってチョコレートの販売をしようというわけになった。
 
 ではなぜ男の私が行くのかというとどうも意見がほしいということらしい。

桃「で、試作品なんだけどどうかしら?」

 机に合ったのは色とりどりのチョコレート。定番のもあれば、イチゴ、抹茶、アーモンド、ホワイト、ココアなど様々だ。あと・・・・・紫か黒か分からない物も。というか食べモノが「ア”ア”ア”ァアアアアア」なんていうのか!?

 それはともかくとして、

葵「なぜ、お前らがいる?」

 そう。ここには大抵の女性陣・・・というか全員がいる。

は「いやぁ〜。もうそろそろあれがあるからそれに向けての準備な」

葵「? あぁ。ヴァレンタインか。誰かあげる人が決まっているのか?」

フェ「ふぇ!? あ、えっと・・・うん///」

な「にゃははは・・・目の前にいるし///」

アリ「・・・にぶちん///」

ア「アリシア、しょうがないわよ」

す「うん。葵君だし・・・」

 フェイトの方はどうやらいるらしい。はやてやなのは、アリシアの方を見ても顔が赤いのを見るとどうやらいるらしいな。というか最後何って言ったんだ? 聞こえなかったんだが?
 
 というかアリサにすずかそれはひどいぞ。

葵「しかし、お前らも作ったのか?」

 そういってみる方にはシグナム、ヴィータ、アイン、ヴェル、孤狐・・・で、シャマルのは言わなくてもわかるわな。

 多分フェイトやアリシアはリニスに教えてもらったんだろ。形は少し歪だが初心者にしてはよくできた方だろ。なのはも桃子さんという強力な助っ人がいる。アリサとすずかは多分ファリンやノエルだろ。はやてについては言わなくてもわかる。で、はやてに教えてもらってできたのが彼女たちだろう。

葵「リニスとアルフは誰に上げるんだ?」

 すると、リニスは耳に小声で、

リニ「そ、その・・・・ザフィーラさんに///」

葵「・・・アルフもか?」

アル「・・・・うん///」

葵「ふむ。ならあまり甘くないチョコを作ることを勧める。ザフィーラはあまり甘いモノが得意ではないようだからな」

 リニスとアルフにザフィーラの好みを教えると、

リニ「! ありがとうございます!」

アル「よっしゃ! がんばるぞ!」

 さて、視線を机に戻す。

葵「シグナムやヴィータはどうやって作ったんだ?」

は「・・・・聞かんといて」

葵「へ? シャマルより優しかっただろ?」

シャ「何でそこで私が!?」

ア「でも・・・ねぇ」

す「あれは無いと思う・・・・」

葵「あれ? どんなことしたんだ」

フェ「・・・熱を加えるためにレヴァンティン出して燃やしたり」

な「細かくするためにアイゼン出して砕いたり・・・」

葵「・・・・料理にデバイス使うなよ」

 まぁその辺はなんとかクリアしただろ。明らかにまずいのは・・・これだけだし。

葵「でもなぜ私を?」

アイン「いや、その・・・・試食を」

葵「? 試食?」

シ「ほ、ほら! 男性の意見も聞くべきだろ!?」

ヴィ「お、女ばっかだとそう言うの聞けないし!」

シャ「異性である葵さんの意見も聞きたいなぁ〜って」

 必死だな。そんなに好きなのか。そいつは幸せモノだな。

ヴェ「わたしは葵様にあげるつもりなので」

全員「!?」

葵「私に?」

孤「うん!」

エ「いつもお世話になってますし!」

ル「恩返しと好意を持って!」

 嬉しいもんだな。こういうのは。

 その後は少し試食をしていく。だがやはりこういうときはなんというか。

葵「ん、これいいな」

 そのチョコレートはリニスとアルフに進めた甘くないチョコだった。

は「お。やっぱ葵君はそういう方が好きか?」

葵「はやてが作ったのか?」

は「せや。葵君、いっつもコーヒーはブラックとか紅茶もストレートで飲むからもしかしたらって思ってな」

 周りを見ると何やらメモを取っている女性陣。すると奥から。

桃「なら葵君。これも頼めるかしら?」

な「お母さんも葵君に!?」

フェ「きょ、強敵登場・・・・」

桃「あらやだ。違うわよ。士朗さんに上げるチョコの試作品。ただ、これはあなた達に食べさせるわけにはいかないの。・・・・それに、もしかしたらなのはのお婿さんになるかもしれない男性に手なんて出さないわよ。みんなもがんばってね」

全員「(ぼんっ)///」

 子供達には早い・・・あぁ、ウィスキーボンボンか。あれ? なんかみんなの顔が赤いような・・・気のせいか?

葵「なるほど」

 そう言って一つ食べると、ほどよい感じのウィスキーの風味と味が口に広がる。だが、これはなかなか。

葵「桃子さん。士朗さんはお酒強いんですか? 風味だけでもかなり強く感じますが」

桃「あら大丈夫よ」

葵「何故そう言えるんですか?」

桃「酔った勢いという言葉知ってるでしょ?」

葵「・・・なのはに妹か弟をプレゼントでも?」

桃「ふふふふっ」

 あぁ、だめだ。これ以上踏み込んだらだめだ。そう頭が警鐘を鳴らしている。士朗さん。頑張ってください。色々な意味で。


SIDE女性陣


は「そうか・・・その手が!!」

シ「主はやて?!」

ヴィ「ま、まさかとは思うけど・・・」

は「ふふふっ。酔った勢いで葵君に襲ってもらえれば」

フェ「しかも葵が襲うの!?」

な「でも、葵君のお酒強そうなの」

孤「実際強いよ? 確かアルコール度数高いのもストレートでいけるし」

は「甘いで・・・このチョコレートのように甘いで!」

アリ「何か作戦があるの!?」

は「ごにょごにょごにょ」

女性陣「・・・・(ぼんっ)///」


SIDE out


 で、ヴァレンタインデー当日。再び翠屋。なんだろ、最近翠屋の出現率が高い。

な「あ! 葵君!」

葵「呼ばれたので来た。というかどうしたお前ら? 今日は誰かにあげるんじゃなかったのか?」

フェ「うん。だから葵。はい!」

葵「・・・私に?」

アリ「うん!」

ア「う、受け取るわよね!?」

す「お、お願いします」

 まぁ、ここで拒否する理由もないからな。

葵「ありがたく受け取ろう」

は「ほんなら食べさせてあげるな!」

 ・・・・は?

葵「いや、一人で食べれるが」

ヴィ「まぁ座れ」

シ「そして食べろ」

 すると代表してシグナムが自分の作ったチョコを口にくわえ・・・・え!?

葵「いや!? それはまずいだろ!?」

シ「ん!」

葵「い、いやだから・・・」

シ「・・・」

 その黙って見つめるのをやめろ・・・あぁもう!

 その後は全員に同じことを要求されたので受け取った。体が熱かったのは酒からだと思う・・・そこ! リヤ充死ねとか思うな!? ロリコンと思ったやつ出て来い! 私がこの剣のさびにしてくれる!!

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