タケが帰るころにはすでに陽が沈みかけていた
すでに
見たかったテレビは終わっている時間帯であろう
がっくりと肩を落としながら、家の門に手をかけた
「ようタケ、遅かったなw」
門の入り口で、カイトが座って笑っている
「はぁ・・・・・・・・・」
「まぁまぁ気を落とすなよww」
肩に手を回し、カイトが俺に近づくと目の前にチラリと一つのDVDを見せた
「なんだよこれ」
「タケが見たかった番組、録画しといたぞw」
「カ、カイト!!!!!」
こいつむかつく野郎だったけど、今だけは天使にみえるぞ!
本当に、心からそう思える
そう、今だけ。
「感謝しろ!俺様に!」
威張り散らすカイトに反論はできない自分が腹立しい・・・
だけど、我慢だ!
すべてはあの見たかった番組を見るために!
「ほらよ」
「マジサンキュー♪」
「しかし、あの女の子とはどうなったん??w」
「どうもなってねーよ」
「あらヤダ!振ったのねwかわいそうに」
「お前は女か」
「前世はきっと女だったかもw」
「だろうな絶対」
顔だって女みたいだし、色白だし。
しかも男にナンパされてたしww