小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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「カイト、聞いてんのか」

タケの怒ったような声に反応して、ゆっくりと顔をあげた

その表情はとても悲しそうで。
じっとは見ていられないほど、今にも泣き出しそうだ

「俺さ」

ようやく口を開いたカイト
手は震え、両手でギュッと握りしめていた

「引っ越すんだ・・・家だけ」

「・・・・そうか・・」「ん?」

あれ、なんか話が・・・


「え、家だけって、転校はしないのね?」

すかさずユウが確認の質問を投げかける

「うんしないよw」

即答するカイトに、ユウは怒りの表情へと変貌

「まじで心配して損した!!!!!」

「ったく人騒がせな」

安堵のため息を吐くケイに、タケの肩は震えていた

泣いていたのか?とユウとケイは考えたが、一瞬にして違うということがわかった
額には怒りマークがでているしw

「てーーめぇーーーーいっつも大げさなんだよ!!!!!!!!」

相当心配していたタケにとって、これは称賛の言葉
本当はとてもうれしいに違いない

「えーーでも家が隣じゃないんだぜー」

「離れるわけでもねぇーしどうってことねぇだろ!」

「えーー窓から部屋に侵入できないのが苦」

「馬鹿かお前」

二人の痴話げんかが始まった
ほんと人騒がせなカイトにユウとケイは視線を合わせると
おかしくて笑ってしまった


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