「カイト、聞いてんのか」
タケの怒ったような声に反応して、ゆっくりと顔をあげた
その表情はとても悲しそうで。
じっとは見ていられないほど、今にも泣き出しそうだ
「俺さ」
ようやく口を開いたカイト
手は震え、両手でギュッと握りしめていた
「引っ越すんだ・・・家だけ」
「・・・・そうか・・」「ん?」
あれ、なんか話が・・・
「え、家だけって、転校はしないのね?」
すかさずユウが確認の質問を投げかける
「うんしないよw」
即答するカイトに、ユウは怒りの表情へと変貌
「まじで心配して損した!!!!!」
「ったく人騒がせな」
安堵のため息を吐くケイに、タケの肩は震えていた
泣いていたのか?とユウとケイは考えたが、一瞬にして違うということがわかった
額には怒りマークがでているしw
「てーーめぇーーーーいっつも大げさなんだよ!!!!!!!!」
相当心配していたタケにとって、これは称賛の言葉
本当はとてもうれしいに違いない
「えーーでも家が隣じゃないんだぜー」
「離れるわけでもねぇーしどうってことねぇだろ!」
「えーー窓から部屋に侵入できないのが苦」
「馬鹿かお前」
二人の痴話げんかが始まった
ほんと人騒がせなカイトにユウとケイは視線を合わせると
おかしくて笑ってしまった