小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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「ああ、そうだ」
何かを思い出したかのように、ケイがおもむろに口を開く

「追試で満点とらなければ留年決定だそうだ」

「なにぃっ!?」

タケの反応よりも早く、カイトが叫ぶ

「ちょっとそれは厳しすぎなんじゃない?私が先生を説得してこようか?」

ユウが同情めいた言葉であわてている様子
タケが満点を取ることなど絶対ありえないことだと考えているらしい

それはそれで失礼な部分もあるだろうけども・・・


「いや、それは必要ない」

パタンっと教科書を静かに閉じるタケの表情には自信に満ち溢れたオーラが漂っている
しかも、自分はあたかも頭のいいような言い方だ

「あ?」これにはさすがのカイトも怒りに満ちた表情に変わる

「俺様にできないことなどないっ!!!!!」

「「馬鹿なのに?」」
一斉に3人が口を揃えて言い放つ

「おいおい、この高校に合格しただけでもすごいんだぜ♪」

「カンニングだけど」

「・・・でもまぁ、どうにかなるだろッ」

「あんたね、どこからそんな自信くるわけ?」

「ほんと困ったタケ坊ちゃんだこと」

周りからは非難めいた言葉だけが飛び交ってくる中、ケイは何を考えてるのか

「タケがそんな自信あるならやってみせよう」と、言い出したのだ

ケイが先生に言えば、簡単に満点を取らずに済んだはずなのに・・


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