一限目の授業が終わると同時に
クラスメイトの人や他のクラスの人たちがザッと転入生の周りを取り囲んだ
一番近くに座っていたカイトとタケは波に揉まれないように、ケイの席付近へと移動
「転入生もかわいそうねー、落ち着けやしないわ」
きっとユウもしゃべりたいであろうに・・
「ユウちんもあの波に乗ってこればぁ?w」
「いやよ。そうまでして話すことでもないし・・」
ユウは結構、双子と友達になりたいようだ
「つかさぁ、あいつらと仲良くなるのは難しい感じだぜ」
タケが口を開くと同時にケイも少しうなずき
「ああ、それ俺も思った。ユウに話したら怒るしさ」
それで喧嘩してたのかよ
なんてちっちぇ喧嘩だ
「タケまでそんなこと言うの!?」
またもや怒りをあらわにするユウの肩をカイトは優しく抱き寄せると
「小さいことに怒らないの♪老化の元だぞw」
「コロスぞ♪」
目が怖いユウから離れたカイトはタケの隣に大人しく座った
初めてカイトが負けた瞬間を見たような感覚で、タケは思わず笑ってしまった
「ちっ」
カイトも笑われたことに悔しい様子
あまり表情を崩さないケイまでもが笑っていた
なんだかそんな光景が可笑しくて、ユウも思わず笑った
周囲からみればとても仲の良いグループ
けれど、そこには入れない絆の深さが4人にはあった
そんな中、転入生を取り囲んでいたうちの一人がいきなり声を荒げた
女生徒は悲鳴をあげるも、誰も彼らを止めに入ろうとはしなかった
ーー喧嘩が始まったようだ