小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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第5章ー悲しみの過去

冬が過ぎて季節は春を迎えていた

冬にはいろんなことをやった
クリスマスも6人で過ごしたし、初雪のときも6人で雪合戦をしたり..
今でしかできないことを思いっきり遊んだ気がする

でももう俺たちは進級して高校二年となっていた

二年生にもなればやっぱり将来のことを考えずにはいられない

「ターケ坊♪なに青春してんだよー」

カイトが窓辺に寄り添っていたタケの背中にもたれた

「んー俺たちまた同じクラスだなーと思って」

二年に進級した今、またもや4人は一緒で、双子もプラスで6人とも同じクラス

「俺たちやっぱり結ばれてんじゃないw」

カイトがププと笑いながらタケの肩に頭を乗せた

「なんか早いよな」

そうつぶやくカイトの声はなんだか寂しげであった

二人が戯れていると、間からショウが割って入ってきた
ショウは見た目は遊び人に見えるが根は一途なタイプらしい。本人曰く・・

しかも、すこしばかり、性格がカイトに似て、イタズラ好きでいつも明るい

「なぁー聞いてくれよーー」

「あ?俺たちの邪魔すんじゃねぇ!」

「あ?てめぇ誰だよ」

「俺様だよ」

相変わらず変な喧嘩が始まるショウとカイト
性格が似ている分、衝突は日常茶飯事である

「お前らウザすぎ」

「「タケ坊ひどすぎ」」

そして相変わらず、息が合う二人

「なんかカイトがもう一人増えた感じね」

後ろからユウが笑いながら話しかけてくる
隣にはほくそ笑むエミの姿もあった

「あれ、愛しのケイちんはw」

「図書館でしょ」

呆れた様子のユウを見てカイトはニヤリと笑う

「あれーユウより勉強を選ぶんだケイちんはw」

「うるっさい!カイト!!」

憤慨するユウをかばってエミがカイトの首を掴むと猫のようにつかみあげた

「やだエミちん♪俺動物じゃないよんw」

「少しはお黙り」

にっこり笑うエミの表情はとても怖い
さすが総長に選ばれるだけ素質はある・・

「エミりん・・」

ユウが目を輝かせながらエミを見つめる

「ショウたん助けて!!!w」

近くにいたショウに助けを求めるも、ショウは口笛を吹きながらタケと楽しく話している

チッと舌打ちするカイトにショウはニンマリと笑い挑発してきた

「なんかお前イラつく」

「こっちのセリフだわ」

「「どっかいけや」」

またもや言葉が被るカイトとショウに
タケとユウ、エミの3人は思わず笑ってしまった

こんなにも息が合うのにいつも喧嘩ばかりする二人に勿体なさも感じていた

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