放課後になり、ユウとケイの二人は先に帰っていなかった
タケも仕事があるとかいって先に帰り、
ショウは最近できた彼女と一緒に帰ることになっていた
そしてまた、エミとカイトの二人
ここ最近、二人きりでいることが多くなっていた
だから、カイトはエミの隣に依存するようになり、タケと同様の感情も持ち始めていた
でもカイトは知っている
エミが思っている人物が、俺の親友であることを
それでも気持ちに嘘はつけられない
俺は初めて、女を好きになることができたのだから
「なぁーエミ」
だから俺の中でエミは特別な存在で
「なに?」
タケを見つめるその瞳を独占したくて
「タケの過去、知りたくない?」
わざとタケから遠ざかるようなことをいいたくなった
「タケの過去?」
興味を示したエミが身を乗り出しながら食いついてきた
これを言ってしまってもいいのか、
タケを裏切ったような感覚が襲いかかってきたが
目の前にいるエミをみると、思わず口が開いてしまった
「教えてやるよ。それでもタケを好きでいられるかはエミ次第だからな」
「好きである以上、覚悟はできているわ」
強く見つめるその瞳が俺の心を苦しめる
君はそれでもタケを好きでいるのか・・・と、悲しみで溢れた
そしてカイトは
空を見上げるとゆっくりとした口調で話し始めた