エミの隣にはいつもカイトがいる
エミの背中にもたれながらカイトは弁当をほおばっては、嫌いな野菜をエミの弁当箱に入れたりしていた
少し前までは、タケにやっていた行為を今やエミだけにするようになっていた
そんなカイトの変化に、タケはうれしさが増す
これでカイトは俺がいなくても・・・そう考えるようになっていた
「ねぇエミ!カイトと付き合ったって本当!?」
いきなりのユウの発言に思わず口に入れたものを吐き出してしまった
「きゃーwエミりーきたなーい」
カイトがニヤニヤしながらエミを見る
「誰が言ったの!付き合うわけない!」
強気の発言にショボンとするカイトの肩を、ショウが笑いながらポンと手をおく
「いつも二人一緒だから噂が広まってるよー」
「噂した奴ぶっ殺す」
顔に似合わず、口調は荒いエミりー
「早く一緒になれば?どうせ時間の問題だろ」
そんな二人を見つめて、ケイが言う
「?」
ケイの言葉にエミは意味が分かっていないようだ
「んーまぁあたしもそう思った!♪いずれわかるときが来ると思うよ」
「ユウも何が言いたいの?意味わかんない」
「え?エミりー俺のことすきなの?」
うれしそうに聞いてくるカイトに
「それはないわ」
即座に返答を突き付けられた
「俺様、卒業するまでに何回振られるんだろう」
健気につぶやくカイトの肩をまたもやポンポンと肩を叩き、なだめるショウ
そんなショウの手を嫌々ながらに振り払う
ちょっとイラついたのかもしれない
「俺にとっては付き合ってほしいな」
タケの一言に、一瞬その場が凍りついた
そんな空気を読み取ったのか
「ん?俺なんか悪いこと言ったか?」
不思議がるタケに寄り添いながらカイトが「いや別に」と笑いながら言う
タケだけは知らない
エミがどれだけタケを想っているのかなんて
知る必要もないかもしれない