小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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放課後になると
ケイとユウは塾に通い始めたため、帰りは早い

ショウも違う学校にいる彼女の迎えで帰りが早い

そしていつも残るのがエミとカイトと仕事がなければタケもいる

最近のタケは、仕事を覚えるために忙しそうだ

卒業まであと1年をきっているためであろう

「あれタケ坊ー今日仕事は?」

「あー今日はそんな急がなくてもいい」

「ふーん、じゃぁ俺、ちょっと担任に呼ばれてんだわ。ちょっとエミりーと待っててな!」

そう言うと、カイトは急ぎ足で教室からでていった

正直、タケとエミを二人きりにするのはイヤなことであったが・・

「クソ担任め」

今日に限って俺様を呼びつけるとは!!

不満を露わにしながらカイトは職員室へと向かった


・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・


進路の話が終わると同時に、カイトは急ぎ早に教室に向かった

教室のドアに手を差し伸べたときだった

「・・・・・つきあってほしいの」

エミの声が静かに、カイトの耳に響いてきた

ドアに手をかけていたカイトは固まって動けない

タケは絶対に断ると思っていた
俺の気持ちも知っているだろうし、二人はお似合いだとも言ってくれた

なのに

「ああ、いいよ」

いとも簡単に、返事を返すタケの言葉にカイトは震えだした




そしてこの後
カイトが教室に帰ってくることはなかった

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