放課後になると
ケイとユウは塾に通い始めたため、帰りは早い
ショウも違う学校にいる彼女の迎えで帰りが早い
そしていつも残るのがエミとカイトと仕事がなければタケもいる
最近のタケは、仕事を覚えるために忙しそうだ
卒業まであと1年をきっているためであろう
「あれタケ坊ー今日仕事は?」
「あー今日はそんな急がなくてもいい」
「ふーん、じゃぁ俺、ちょっと担任に呼ばれてんだわ。ちょっとエミりーと待っててな!」
そう言うと、カイトは急ぎ足で教室からでていった
正直、タケとエミを二人きりにするのはイヤなことであったが・・
「クソ担任め」
今日に限って俺様を呼びつけるとは!!
不満を露わにしながらカイトは職員室へと向かった
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
進路の話が終わると同時に、カイトは急ぎ早に教室に向かった
教室のドアに手を差し伸べたときだった
「・・・・・つきあってほしいの」
エミの声が静かに、カイトの耳に響いてきた
ドアに手をかけていたカイトは固まって動けない
タケは絶対に断ると思っていた
俺の気持ちも知っているだろうし、二人はお似合いだとも言ってくれた
なのに
「ああ、いいよ」
いとも簡単に、返事を返すタケの言葉にカイトは震えだした
そしてこの後
カイトが教室に帰ってくることはなかった