小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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今頃あいつら
いちゃついてんだろーな

今頃あいつら
デートでもしてんだろーな

「・・・・・・・・・・はぁ」

ごろん、と寝返りをうちながら頭の中はイヤな幻想ばかり

学校にも行く気がしない
誰にも会いたくない

心の病を患って約2週間

学校には行けない日々が続いていたカイト

携帯の着信は鳴りっぱなし

家にはタケが心配して来るも、顔を合わそうともしなかった
2週間も続けば、いずれタケは・・・

ーバンッ!!!!!!!!!!!

「俺様の部屋破壊すんなや」

強行でやってくるとわかっていた

「てめぇどうゆうつもりだよ!」

お怒りのタケは、これでも物凄く心配しているようだ

「あー?」

かったるそうにベットに寝転がるカイトを見て

「病気か?」
タケの表情は暗い

「心の病ー」

怒りが込み上げてくる
何が病気か?だよ
俺の気持ち知ってて告白うけたのかよ

「ちょっと来い」

時に外は夕暮れ
こんな時間帯にどこへ連れて行こうとしているのか不思議でたまらない

つーか
行く気になれねぇ

「イヤ」

子供のようにすねるカイトにタケは無理やり体を起こそうとした

「さわんじゃねぇッ!!!!!!」

痺れをきらしたのか、ついにカイトがキレる

「どうしたんだよお前」

初めて見るカイトの怒りに、タケは思わず後ずさってしまった
少しばかり、ショックを受けているようにも見える

「俺、お前の事嫌いになりたくねぇけどさ。今回だけはゆるせねぇ」

「は?俺が何したっていうんだ?」

コイツッ!!
俺が知らないとでも思ってんのか?

「・・カイト?」

そんな二人の険悪な雰囲気の中、エミがひょっこり顔を出す

「なにお前ら・・」

二人の姿をみたカイトはさらに苛立つ

俺に報告にでもしにきたのかよ

「帰ってくんねぇ」

二人に背を向けたカイトはまた、ベットにもぐりこんだ

「おいカイト!お前に話があんだよ。ちょっとつきあえや」

タケが必死に声をかけてくるがカイトは頑として顔をだそうとはしなかった

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