小説『獣』
作者:瑚蝶()

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苺は、書斎に行ってアルバムを1冊持ってリビングに戻り自分の椅子の上に置いた。

                  *

「桃―葡萄―ご飯だよ〜。」
2階に向かって叫ぶ。
すると、ドタバタと足音をたてて桃と葡萄がリビングに下りて来た。
3人は、昼食を食べながら学校の噂話など色々話しをしながら昼食を食べ終わった。
「両親は、よく海外に仕事に行っていたけどどんな仕事かは、なにも知らなかった。両親が亡くなった後その仕事が分かったの、その仕事のスケジュールが書かれた手帳にこんなことが書いてあったの。“4月23日初めて人を殺した。処刑者の見張りと処刑をする仕事は悲しく残酷な仕事だ。”この手帳は、両親の形見なの・・・」
葡萄がこげ茶色の革の手帳を手に急に話し始めた。
そんな葡萄を見て苺驚く。
次に話し始めたのは桃だった。桃は金の可愛いペンダント握りしめて話す。
「私の秘密は、このペンダントについて、両親が家族の写真を入れてプレゼントしてくれた、最後の贈り物。このペンダントを渡す前に事故にあって、無事だった私を手招きで呼んで、もうろうとした意識で笑顔で手渡してくれたの。」
桃も家族の写真が入ったペンダントを見せた。それを見せると桃がペンダントを直しながら言った。
「苺が話しずらいなら私たちから話そうって、葡萄と話してたの。私たちってお互い干渉しないほうが良いって思っていたけど家族になったんだし干渉してもいいんじゃないかって・・・だから話して苺?」
桃の口調は、優しくて暖かいでもどこか鋭かった。
「昨日、書斎には両親が唯一使っていた部屋だと言ったけど本当は、アルバムがあったの・・・。両親が笑顔で写っている写真が・・・嘘ついててごめんなさい・・・」
その瞬間、手帳・ペンダント・アルバムが光りだした。目を閉じるほど光った。
光った後そこには、手帳・ペンダントの変わりに3匹の小さな動物の姿して、頭には天使の輪がある奴と悪魔の角が生えている生き物がいた。
3人は、顔を見合わせて大声で叫んだ。
「なんだこれはーー!!」
息ぴったりだった。
苺の前にいた、悪魔の角が生えている黒猫が混乱している苺たちを落ち着かせるように、話しかけた。
「ちょっとは、こっちの話しを聞いたらどうだ!?」
苺たちは、黒猫の方を見て静かになった。
黒猫は面倒くさそうに、ため息をつく。そのため息にはきっと、やっと静かになったという意味も入っているんだろう。
「俺の名前は、パスト。俺たちは、天獣・魔獣っていう生き物みたいなもんだ。悪魔の角が生えているのが魔獣。天使の輪があるのが天獣だ。」
パストが1部を説明した。その説明の続きを悪魔の角が生えた黒犬がした。
「俺の名前は、ペイン。俺たちは、人の想いや思い出、秘密からできた形。普通なら姿を現せないんだが、1000年前に封印したデビルドラゴンの封印が解けて大変な状況になっている。それで、魔王と神は話し合いお前らを選んだ。だから、俺らが出て来れたって訳だ。」
苺だけは、納得したが桃と葡萄はまだ納得しないところがあって葡萄が、天使の輪がある青い鳥に尋ねた。
「大変な状況ってどうゆうこと?」
青い鳥は、素直に答えた。
「デビルドラゴンは、人なのですが人間を憎んでいる人たちの集まって出来たチームで魔王を裏切った悪魔たちが、そんな人に不老長寿と力を与えて人間を抹殺しようとしているんです。」
「それで、魔王と神は3人で封印しろとでもいうの?!」
呆れながらいう葡萄。
「いいえ違います。3人ではありません。14人います。でも、その中でデビルドラゴンが封印できるのは、2人だけ。過去にデビルドラゴンを封印した者の血を引く者だけ、そしてこの14人は血を引いている可能性がある人たちなんです。申し送れました。僕の名前は、プレアです。よろしくお願いします。」
やっと納得したのか、3人は何も話さない。
部屋は、静まりかえった。
そんな時、ドアが閉まる音が玄関の方からした。そして、2人の走って来る足音がした。
「苺!熊が、熊がでた〜!」
1人は、リンだった。
「リン、落ち着きなさい!話にならないでしょ!」
もう1人は、林檎。さすが林檎、冷静だ。
「苺たちのところに行けば分かるって熊が言うから急いで来たの。」
「熊じゃないよ!ヘブンだよ!」
林檎の横にいる、熊の天獣が言う。
「僕ミートよろしく。説明するの面倒くさいから、よろしく。」
リンの横の熊の天獣が言う。
仕方なく、桃が説明した。

そうしているうちに、夕方になっていた。その日は、ひとまず解散した。
3人は、夕食を食べて、お風呂に入って早めに寝た。


第四章 龍が敵!?

月曜日。
今日は、3人とも6時30分にはリビングに集まって朝食を食べていた。正確には、3人と3匹。
パストとペインは、朝食を食べ終わると「学校に行く時間になったら、起こしてくれ。」と言って寝てしまった。
そして、制服を着て顔を洗って、学校の準備を済ませた。
今日は、余裕を持って7時30分に家を出た。パストとペストは、あくびをしてまだ眠たそうにしてる。
でも、3人は1つ気になる事があった。それは、この3匹が周りの人に見えているのかどうかだ。
苺が、恐る恐るパストに聞いてみた。
「ねぇパスト、まさかとは思うけど周りの人にあなた達の姿は見えないのよね・・・」
パストは、苺の方も見ずにあっさり答える。
「あぁ、でも相手が天獣か魔獣を持っていたら見えるけどな。」
苺たち3人は、ホッとした。
いろんな話をしていると学校に着いた。
苺たちの学校は、星月学園と言って小等部・中等部・高等部に分かれてる大きい学校。
星月学園には、いろんな謎がある。それが本当かどうかも謎なんですけど・・・
「おはよう、苺。今日は、黒魔に怒られなかったのか?」
龍が、笑いながら教室に入って来た苺に言った。
桃は、友達に引き止められて廊下で立ち話。葡萄は、先生に呼び止められて先生の手伝いで職員室に行っていた。
「私だって、毎日怒られないもん!失礼な。」
目を逸らすと、龍のシャツの胸ポケットに天獣の黒猫が入っていた。苺は思わず「あっ!」と言ってしまった。
「どうした苺?」
当然な質問。
「いや何でもないよ。」桃は、階段に座り込んで皆と喋っていた。そこに、苺が割り込んで桃を呼び出す。
「桃ちょっと来て。」
「何、苺?」
そう言って苺の元に来た。一緒に、喋っていた友達は桃なしで喋り続ける。
苺は、桃を壁の方に連れて行き小さい声で話した。
「龍の胸ポケットに天獣の黒猫がいたの!天獣を持っているってことは仲間ってことでしょ!?話してみようよ!」
そこに割り込んで来たのはパストだった。苺はも〜と言う顔でパストを見た。
「それは止めた方がいい。」
真剣な表情で言うパストには、説得力がある。だが、真剣な表情のパストに何か隠しているような表情もある。
苺はパストに理由を追求する。
パストは、渋々ながら理由を話し始める。
「お前らのグループ、ブラックアゲハは人助けの仕事だよな。」
パストの確認するような問いに、桃と苺は頷く。
それを確認をしたパストは話を進める。
「お前らの基地は、星の森にあるが正反対の森、月の森にある新しいグループを知ってるか?」
また、問い。桃と苺は、首を横に振る。
「月の森らへんも、私たちの活動範囲だけど聞いたことないよ。」
桃が念のため情報を教えた。
パストは1つ頷いて見せる。
「そう。そのグループはブラックドラゴンと言って、お前らのグループとは根本的に正反対だ。基地の場所、性別、仕事のやり方、仕事の目的・・・」
「その目的って?」
苺が尋ねる。桃も気になっていたことだから、何も口出しはしない。
「ブラックアゲハを追い抜かすこと。仕事だけじゃない、獣の使い手としてもだ。」
「それと、龍がどうゆう関係があるっていうの?」
答えが分かりきっていることを聞く。
桃は、呆れて口出しせず疲れた顔をする。
「田口 龍は、ブラックドラゴンの副リーダーだ・・・」
桃と苺だけが絶句する。桃の中で副リーダーは予想外だったらしい。
「それより、なんでパストが私たちの知らない情報を持ってるの?」
「それはな・・・」
桃の問いに答える前に、チャイムがなった。上がって来た先生に“教室に戻れ”と指示され教室に戻る。話の続きは後になった。
昼休み。
葡萄、苺、桃、初等部からリンが中等部の食堂に集まった。
葡萄とリンにも、龍のことを話した。
「私的には、話し合わないといけないようなきがするけど。大体ブラックドラゴンがライバル心持ってるだけでしょ?こっちには関係ないわ。」
葡萄が、冷静に言う。
獣たちはどこか不安そうに話を聞いている。
「やっぱり、そう思うよね。今日5時間だし月の森に行ってみる?」
桃が提案してみた。
葡萄は少し考えた。
「それ良いね。偵察しに行っちゃう?」
葡萄も賛成した。その横で黙々と苺がさんま定食を食べている。
「ねぇ苺、今日月の森に行ってみない?」
「依頼書の数と内容しだい」
食べながら言った。
桃と葡萄とリンも、その通りだと思った。最優先は仕事だ。
獣たちは、納得していないがここで口出しするとさっきの桃の疑問が話に出てしまう。それだけは、なるべく避けたい。
昼食を食べ終えて、リンは初等部に戻り苺たちも教室に戻る途中ペインたちがポケットから出て来て、ペインが大声で言う。
「何か出た!!急いで神社に行け!」
「何言っているの!今から5時間目なんだよ!」
桃のもっともな反論。
「なんとか理由を付けて早退しろ!」
それでも、ペインは神社に行かせようとする。
丁度そこに、葡萄の担任と吉徳先生が通りかかった。
苺が、病人役で桃が病人を支えて心配そうにする役、説得するのが葡萄だ。
「先生、苺が急に具合悪くなって倒れたんです。だから、一緒に住んでる私たちが病院に連れて行くので、早退して良いですか?」
すごい説得力と演技力のある葡萄と桃と苺。それに騙されて慌てる先生。
「それは、大変だ!早く連れてって家で安静にしていなさい。」
「はい!」
後ろを振り返り、教室にむかう3人。
先生たちが見えなくなってから廊下を走って、カバンを取って神社に行った。
その途中、苺があることにきずいた。
「パスト、私たちが行って力を持っているデビルドラゴンに、どうやって勝つの?」

焦りながら言う苺。
そして、通学バックを机の上に置いて桃のところに行った。

             
桃は、階段に座り込んで皆と喋っていた。そこに、苺が割り込んで桃を呼び出す。
「桃ちょっと来て。」
「何、苺?」
そう言って苺の元に来た。一緒に、喋っていた友達は桃なしで喋り続ける。
苺は、桃を壁の方に連れて行き小さい声で話した。
「龍の胸ポケットに天獣の黒猫がいたの!天獣を持っているってことは仲間ってことでしょ!?話してみようよ!」
そこに割り込んで来たのはパストだった。苺はも〜と言う顔でパストを見た。
「それは止めた方がいい。」
真剣な表情で言うパストには、説得力がある。だが、真剣な表情のパストに何か隠しているような表情もある。
苺はパストに理由を追求する。
パストは、渋々ながら理由を話し始める。
「お前らのグループ、ブラックアゲハは人助けの仕事だよな。」
パストの確認するような問いに、桃と苺は頷く。
それを確認をしたパストは話を進める。
「お前らの基地は、星の森にあるが正反対の森、月の森にある新しいグループを知ってるか?」
また、問い。桃と苺は、首を横に振る。
「月の森らへんも、私たちの活動範囲だけど聞いたことないよ。」
桃が念のため情報を教えた。
パストは1つ頷いて見せる。
「そう。そのグループはブラックドラゴンと言って、お前らのグループとは根本的に正反対だ。基地の場所、性別、仕事のやり方、仕事の目的・・・」
「その目的って?」
苺が尋ねる。桃も気になっていたことだから、何も口出しはしない。
「ブラックアゲハを追い抜かすこと。仕事だけじゃない、獣の使い手としてもだ。」
「それと、龍がどうゆう関係があるっていうの?」
答えが分かりきっていることを聞く。
桃は、呆れて口出しせず疲れた顔をする。
「田口 龍は、ブラックドラゴンの副リーダーだ・・・」
桃と苺だけが絶句する。桃の中で副リーダーは予想外だったらしい。
「それより、なんでパストが私たちの知らない情報を持ってるの?」
「それはな・・・」
桃の問いに答える前に、チャイムがなった。上がって来た先生に“教室に戻れ”と指示され教室に戻る。話の続きは後になった。
昼休み。
葡萄、苺、桃、初等部からリンが中等部の食堂に集まった。
葡萄とリンにも、龍のことを話した。
「私的には、話し合わないといけないようなきがするけど。大体ブラックドラゴンがライバル心持ってるだけでしょ?こっちには関係ないわ。」
葡萄が、冷静に言う。
獣たちはどこか不安そうに話を聞いている。
「やっぱり、そう思うよね。今日5時間だし月の森に行ってみる?」
桃が提案してみた。
葡萄は少し考えた。
「それ良いね。偵察しに行っちゃう?」
葡萄も賛成した。その横で黙々と苺がさんま定食を食べている。
「ねぇ苺、今日月の森に行ってみない?」
「依頼書の数と内容しだい」
食べながら言った。
桃と葡萄とリンも、その通りだと思った。最優先は仕事だ。
獣たちは、納得していないがここで口出しするとさっきの桃の疑問が話に出てしまう。それだけは、なるべく避けたい。
昼食を食べ終えて、リンは初等部に戻り苺たちも教室に戻る途中ペインたちがポケットから出て来て、ペインが大声で言う。
「何か出た!!急いで神社に行け!」
「何言っているの!今から5時間目なんだよ!」
桃のもっともな反論。
「なんとか理由を付けて早退しろ!」
それでも、ペインは神社に行かせようとする。
丁度そこに、葡萄の担任と吉徳先生が通りかかった。
苺が、病人役で桃が病人を支えて心配そうにする役、説得するのが葡萄だ。
「先生、苺が急に具合悪くなって倒れたんです。だから、一緒に住んでる私たちが病院に連れて行くので、早退して良いですか?」
すごい説得力と演技力のある葡萄と桃と苺。それに騙されて慌てる先生。
「それは、大変だ!早く連れてって家で安静にしていなさい。」
「はい!」
後ろを振り返り、教室にむかう3人。
先生たちが見えなくなってから廊下を走って、カバンを取って神社に行った。
その途中、苺があることにきずいた。
「パスト、私たちが行って力を持っているデビルドラゴンに、どうやって勝つの?」

3人は、立ち止まる。
「苺たち、目を閉じてみろ。きっと解るから。」
3人は従って目を閉じる。次に目を開けて口にしていた言葉。
苺は、『ブラックキャッツハート』
桃は、『ブラックウルフハート』
葡萄は、『ブルーバードハート』
言った瞬間3人の姿は、煙に包まれて煙が消えたころには、3人の姿は変わり黒がベースの服や靴に黒のレースがあしらえてあるのを身に着けていた。3人は、自分の頭やお尻に生えている物を手で触って確認している顔は動揺と驚きに満ちている。
苺には、黒猫の耳と尻尾。桃には、黒狼の耳と尻尾。葡萄には、青い鳥の尻尾があった。
「なにこれー!!」
息ぴったりの3人。
「それだったら、俺らの力が加わって力が倍増する。技なんかは、お前等の属性次第だな。詳しいことは後で話すから神社へ急げ!」
パストが3人の前で急がせる。3人はとりあえず神社に向かう。
苺と桃は、足が速くなっているし葡萄は、家の上を走り家と家との間はどんな広い幅でも飛び越える。3人は、驚いたがパストたちの説明では急がないといけないのが解っていたから自分の考えをなくし、神社に向かうことだけに集中した。
神社に着くと金髪の男の子が、待ち構えていたかの様に立っていた。
「あなた達がブラックアゲハですね。」
まだ、声が高いところから苺たちよりも年下の様だ。
「僕の名前は、森羅よろしく。」
森羅という男の子は、にこやかに自己紹介をする。金髪に青い瞳で外国人ぽくっても名前からしてハーフだと解った。
「そんなに警戒しないで下さい。今回は誰も殺しませんよ。ただこれから敵になる子たちがどんな顔をしているのか興味があって来ただけですから。」
表情変えずに、にこやかなまま言った。
葡萄が森羅を睨みながら挑発気味に言う。
「聞いてもないことペラペラ喋るなんて敵に情報与えるよなものですよ?」
「なかなか威勢が良いんですね。」
少し表情を崩し、神社の社を横目で見る森羅を不自然に思い苺たちも社の方に目を向ける。
そこには、苺たちの様に動物の耳や尻尾が生えた少年たちが立っていた。
「ブラックドラゴン・・・?」
苺が疑問気味に呟く。
「こんにちは。ブラックアゲハの皆様。」
先頭に立つ、緑色の髪に癖がある毛先の少年が微笑んで挨拶する。


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