小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第20.5話『キッサキシティから旅立ちへ』

前書き

本編の進行とは別の話です。


サトシ達は出てきません。サブタイから大方登場人物の見当はつきますが…






 ここは、シンオウ地方キッサキシティ。冬になれば、シンオウ地方随一の銀色の雪景色が広がる街である。この街には、つい最近トップ・コーディネーターになったばかりの期待の星とこの街にジムを構えるジムリーダーが住んでいる。


???「ふぅ〜、2つの世界大会の予選が開催されてからなかなかジムに来るトレーナーが来ないのよね…。」


???「確か、世界大会の予選と本戦の開催期間中はジム戦は禁止されているんでしたっけ?」


???「今はノゾっちとのポケモンバトルで、何とか感覚だけはなくさないようにしているんだけど…。今後のためにも他のトレーナーともバトルしておいた方がいいわよね?」


???「まぁ、いろんなトレーナーとバトルの積み重ねは、違った視点や考え方でトレーナーとして成長できますからね。このことはコンテストにも通じるところがありますよ。」


???「ごめんね。別にノゾっちとのバトルが今後のためにならないって意味じゃないのよ。ただ、あたしもトレーナーのはしぐれ。もっと、いろんなトレーナーともバトルしてみたいのよ。それに、この2つの世界大会は四天王、ジムリーダー、フロンティアブレーン、どんな人でも出場できる。この機会を逃す手立てはないわ。」


???「分かっていますよ。先輩のトレーナーとしての気合いとやる気はあたしが一番知ってますから。」


 会話の内容から誰と誰との会話なのかはもうお分かりであろう。一人はキッサキジムのジムリーダー・スズナ、もう一人はトップ・コーディネーターとして日夜活動し且つヒカリの一番の親友でライバルでもあるノゾミである。


スズナ「あたしは『ワールド・チャンピオン・リーグ』、ノゾっちは『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』、それぞれに目標に向けて一歩いやもう何歩でも踏み込んだ行動に出なきゃいけないのよね。ノゾっちも見たでしょ、この前の予選選考会のカントーステージ。」


ノゾミ「えぇ、どちらの大会も凄まじいものでした。あれで世界の厚い壁を感じた予選選考会でした。」


 スズナはノゾミとともに第1回予選選考会を観戦するために、会場であるカントーのセキエイ高原を訪れていた。そこでは、国内外から集まった精鋭たちが凌ぎを削り、2人の度肝を抜かせるほど凄まじい展開が繰り広げられた。ちなみに、2つの世界大会の予選選考会および本戦は同時に開催され、予選選考会は第1回がカントーのセキエイ高原、第2回がジョウトのシロガネタウン、第3回はホウエンのサイユウシティ、第4回がシンオウのスズラン島で開催される。本戦の会場はまだ未定である。


スズナ「それでさ、あたしこんなのを見つけたんだけど。ノゾっちのコンテストの少しの参考になると思って取っておいたわ。」


ノゾミ「『ジムリーダーが魅せる! ハナダ de 水の祭典!』。あっ、これ最近テレビや雑誌で取り上げられていて、丁度あたしも興味があったんですよ。先輩の言うとおり、このショーのパフォーマンスはコンテストにも非常に参考になりますし。」


スズナ「ふふ、ノゾっちならそう言うと思ったわ。それならいっそのこと、修行の旅に出てみない? 最初はその水中ショーがあるカントーを回るわよ。」


ノゾミ「はい、是非! それにしても、先輩と二人旅だなんて何年振りだろう。」


 スズナとノゾミ、ハナダでの水中ショーの鑑賞と2つの世界大会の出場に向けて、カントーへ旅立つことになった。


ノゾミ(カントーかぁ。それならきっと彼にも会えるだろうね…。)


 スズナとの二人旅を懐かしむと同時に、ノゾミは自ら想いを寄せるある人物のことを思い浮かべていた。


スズナ「カントーには、ノゾっちの愛しの彼がいるものね…。ノゾっち、彼の事好きだものね。」


ノゾミ「!? い、いつから、気づいてたんですか!?」


スズナ「ふふふ、ノゾっちとは長年の付き合いだもの。ノゾっちの微妙な心の変化もお見通しよ。」


ノゾミ「ハ、ハハハ、やっぱり先輩には敵わないなぁ…。」


 自分が恋心を抱いていることに前々から気づくほど勘の鋭いスズナに、苦笑を浮かべるノゾミ。どうやらスズナから見れば、ノゾミの想い人に対する立ち振る舞いはかなり分かりやすかったのだろう。ちなみに、ノゾミが恋心を抱く相手が誰なのかは、前のサイトで公開していた初版、この物語の特徴を熟知している方ならもう説明しなくても分かるであろう。


スズナ「コンテストだけでなく、そっちの方も他のコに負けないようにね。その彼、どんな人やポケモンにも優しくて、それにカッコいいから、ライバルはかなりいると思うわ。」


ノゾミ「えぇ、もちろんあたしはコンテストも彼の事も負けるつもりはありませんから。」


スズナ「その意気よ。それじゃあ、準備ができ次第、カントーへレッツ・ゴー!」


 こうして、キッサキシティから一人はジムリーダー、もう一人はトップ・コーディネーターがこれからの飛躍に向けて旅立っていくのだった。旅を通じて、彼女たちは一体どんなものを得ていくのだろうか…


続く




後書き

次回は、サトシ達が出てきます。

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