小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第25話『騒動の急展開』

前書き

実は早く次の話に移りたいので、ハナダでの停電騒動は一気に飛ばしていきます。


しかも、あっけない幕切れです(笑)








エレキッド「エレキィ…。」


ビリリダマ「ビリリィ…。」


カスミ「うぅ…。」


ヤマト「ふふふ、いい気味ね〜。さぁ、さっさと進めるわよ。コサンジ!」


コサンジ「だから、コサブロウだって!」


 ロケット団に捕えられているポケモン達を傷つけるわけにもいかず、ロケット団が任務を遂行するところを黙ってみているしかできないカスミ達。このまま、発電所がロケット団の手に堕ちていくのかと思われたその時だった。






ガンガンガン! ガン!


ヤマト「!? 何なのよ、今の音。」


コサブロウ「一体、どこから音が…って、あそこか!」


 突然、どこからか何かを叩くような大きな音が聞こえたので、音のする方を向くヤマトとコサンジ「だから、コサb(ry)」。カスミ達も一斉にそちらの方へと向く。












ガンガン! ガンガンガン!


 第2制御室の隅にある扉が、何者かによって叩かれているようだった。ちなみにこの扉は、発電所裏にある森林へとつながっている。


ヒカリ「一体、何が起こっているというの?」


ポッチャマ「ポチャア…。」


エレキッド「キィ…。」


ビリリダマ「ビリリィ」


 一同警戒心を強めながら、じっと構えを取る。















ガンガン! ガンガンガンガンガン! ドォォォォォン!


エレブー「エレェェェェェェェェ!」


ハルカ「!? エ、エレブー!?」


 すると、扉を突き破って野生のエレブーが、第2制御室内へと侵入してきた。


ノゾミ(まさか、あのエレブー。あたし達が発電所に向かう時に現れたエレブーじゃ…。)


 ノゾミは、自分たちが発電所に向かう時に遭遇したエレブーと今目の前にいるエレブーの様子があまりにも似ていたので、こう思った。実は、ノゾミの思った通り、このエレブーはノゾミ達が遭遇したエレブーと同一ポケモンである。


エレブー「エレェ…エレェェェェェ!」


 エレブーは、ヤマト、コサブロウ、ロケット団員達に雄叫びをあげながら威嚇する。


ヤマト「な、何よ。あたし達とやろうって言うの?」


コサブロウ「ふん! まぁでも、このエレブーもなかなか強そうなポケモンだ。ここは是非、捕獲すべきだろ。」


ヤマト「それもそうだね。お前達もいくよ!」


ロケット団員達「「「ハッ!」」」


 突如現れたエレブーを、貴重な戦力として捕獲にかかるヤマトにコサブロウ、そしてロケット団員達。


エレブー「レェェェェェ!」


 だが、ロケット団よりもエレブーの方が何枚も上手だった。エレブーは持ち前の素早さでヤマト達に急接近し、


エレブー「エェェェレェェェェェ!」


 怒りが最大限に込められた放電を、ヤマト達に向けて放つ。


ヤマト・コサブロウ「「ア゛ァァァァァ!」」


ロケット団員「「「ギャアアアアアアア!」」」


 エレブーが放った放電は、そのままヤマト達に直撃。ヤマト達は成す術もなく、敢え無く感電する。というより、ポケモンも出さずに任務を遂行していたとは…。なんたる、無防備な(汗)





ドォォォォォン!


ヤマト「や〜ん、なんでこうなるのよ〜!」←そうなる運命だからです(笑) by. 天の河


ヤマト・コサブロウ「「やな気持ちぃぃぃぃぃ〜!」」


ロケット団員達「「「うわぁぁぁぁぁ!」」」


 ヤマト、コサブロウ、その他ロケット団員達は、綺麗な流線型を描いて星となった。さらに、





ヒュウウウウウン!


キンバ「ん? 何じゃ? って、ナンバじゃ。」


ドォォォォォン!


サンバ「なんでこうなるんじゃあああああ!」


 海底ケーブルの中継点となっている工作船に彼らがエレブーの放電を帯びたまま、激突。待機していたタンバ博士「ナンバじゃ!」やロケット団員達もろとも、工作船は壊滅的ダメージを受ける。そして、ロケット団は甚大なる損害を受け、今回の任務は失敗に終わった。











エレブー「エレェ…。」


 一方、発電所では未だにエレブーの怒りが収まらず、今度はその矛先がカスミ達に向けられた。


ヒカリ「落ち着いて、エレブー! あたし達はあなたを傷つけるなんてことはしないわ!」


エレブー「エレェェェェェ!」


 ヒカリはエレブーに説得を試みるも、エレブー自身は一向に聞く耳を持たない。


ジュンサー「…まずいわ。怒りのあまり、あたし達の声が届いていないみたい。このままじゃ、あたし達だけじゃなく発電所も危険な状況に陥ってしまう。」


 エレブーが度々放っている電気のせいで、次第に第2制御室の機器に異常が発生している。このままでは発電所に甚大なる被害を与え、騒動後の復旧がかなり困難になる。


ヒカリ「うぅ、お願い。落ち着いて、エレブー。」


ポッチャマ「ポチャア、ポチャポチャ。」


エレブー「エレェェェェェ!」


 エレブーはヒカリに敵対する形ではあるが、この状況下でバトルを挑むのは逆効果である。おまけにここは、大量の電気を作り出す発電所。仮にバトルをしたとして、発電装置等に少しでも影響を及ぼせば、大惨事につながりかねない。一難去ってまた一難、この危機的状況にただ後ずさりするしかない面々。すると、その時だった。


エレキッド「エレキィ!」


エレブー「!?」


 檻の中に閉じ込められたままのエレキッドのうちの1匹が、エレブーに対して叫びだした。後ずさりする面々を威嚇し続けていたエレブーも、エレキッドの声のした方へと身体を向ける。


エレキッド「エレェ! エレエレェ! エレキィ!」


ビリリダマ「ビリ! ビリリィ!」


 エレキッドはエレブーに何かを訴えかけるように叫び続け、さらに他のエレキッドやビリリダマ達もエレブーに何かを訴えかける。エレブーは、エレキッド達に惹かれるように


エレブー「…エレェ!」


ハルカ「!? あ、あぶない!」


ガシャアアアアアン!


 次の瞬間、エレブーはかみなりパンチを檻に向けて繰り出した。カスミ達はあまりの突然の出来事に思わず、目を覆ってしまう。


ヒカリ「…? えっ、どういう事?」


 一同が目を開けたその時、目に入った光景は、


エレキッド「エレキィ!」


ビリリダマ「ビリィ! ビリリィ!」


エレブー「エレ! エレェ!」


 檻が破壊され、そこからロケット団に捕えられたエレキッドとビリリダマ達が出てきて、エレブーと抱き合っていた。先程まで殺気立っていたエレブーは一変して、穏やかな表情になっている。


ノゾミ「ひょっとして、あのエレブー。エレキッド達を助けようとして、かみなりパンチを使ったのか…。」


ヒカリ「そ、そうみたいね…。」


ハルカ「はぁ、びっくりしたぁ〜(汗)」


 一同、先程の緊張感から解放され、安どの表情を浮かべる。さらに、笑顔で抱き合うエレブー、エレキッドとビリリダマの光景を見て、自然と穏やかな気分になる。


ジュンサー「きっと、あのエレブーとエレキッド。親子なのね。」


 エレブーがあばれていたのは、最愛の我が子をロケット団に無理やり奪われたことに対する怒りから来たようだ。血眼になりながら発電所周辺を探し回っているうちに、理性が働かなくなったようである。その後、我に返ったエレブーはエレキッド達から事情を聞いて、我が子を助けるのに貢献してくれたカスミ達にお礼をした。その後、仲良くエレキッドやビリリダマ達と一緒に住処へと帰っていった。


発電所職員「皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。」


カスミ「いえいえ、あたし達は何も。」


ハルカ「状況が状況だっただけに…。」


ヒカリ「確かに、あれはあたし達のおかげじゃないものね。」


ノゾミ「う、うん。まぁでも、無事に解決したんだからこれで良しとしようよ。」


 カスミ達は、今回の騒動が無事解決したことに発電所の職員から感謝される。だが、ここまで読んでの通り、ヤマトとコサン…コサブロウ達が勝手に発電所に侵入して、勝手にエレブーの放電で退散していったというあっけない幕切れである。カスミ達は、苦笑いを浮かべるしかなかった。


発電所職員「以後、このような騒動が起こらないよう、職員一同励んでいきます。それとカスミさん。今度の水中ショー、頑張ってください。我々も応援しています。」


ジュンサー「わたしもカスミさんの水中ショー、毎回楽しみにしているのよ。これはプライベートなことだけど、がんばってね。」


カスミ「はい。皆様の声援に応えられるよう、頑張ります。」


 発電所職員、ジュンサーの水中ショーに対する声援を受けながら、カスミ達は発電所を後にした。発電所が発端の停電騒動は無事解決し、間もなく水中ショーが開催される。ショーを指揮するカスミ、そしてゲストとして参加することになったハルカ、ヒカリ、ノゾミはどんなパフォーマンスを織り成すのだろうか…


続いて後書きショー






ヤマト「ちょっと! あたし達の扱いが酷過ぎるじゃない!」


コサンジ「何だよ! やっと初登場かと思ったら、あっさり退散なんて溜まったものじゃないぜ! って、名前を直せ(怒)」


天の河「えっ? 散々暴れまわった挙げ句、最後には返り討ちに遭って退散という悪役の王道を貫いたつもりだけど。」


ヤマト「暴れまわったって…。あたし達の登場シーン少なかったじゃない!」


コサブロウ「完全に俺たち、バラエティ番組の尺伸ばしのお笑い芸人じゃねぇか!」


天の河「まぁ、初登場を迎えただけでもありがたいと思いなさいな。俺、結構アンタら2人気に入ってるんだから。」


ヤマト「あらそう。」


コサブロウ「それなら、次回の登場も頑張ってみるか。」


天の河「まっ、そういう事だからこれからも尺伸ばし頑張って(笑)」


ヤマト・コサブロウ「「って、結局尺伸ばしかい!」」


 ヤマトとコサン…コサブロウは、これからも尺伸ばしキャラとして頑張っていきます(笑)

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