小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第26話『ショーのデザイン』

前書き

水中ショーに出る面々が、水中ショーの大まかなデザインを話し合うそんなお話です。



ついでに、停電騒動の総括も…






 停電騒動も無事に解決し、ハナダシティへと戻ってきたカスミ達。その後、ハナダ岬でバトルのトレーニングをしていたサトシ達とも合流する。そして現在、カスミ及びハナダ美人三姉妹の自宅にて、仲良く談笑中である。


サトシ「ヤマトにコサンジ、またアイツ等が来たのか…。」


タケシ「全く、懲りない奴らだな…。」


カスミ「ホント! あの2人には困ったものだわ。」


ヒカリ「まぁ、勝手に出てきて勝手に吹っ飛んでいったんだけどね。」


ポッチャマ「ポチャア…。」


 カスミ達から、停電騒動の事とその際ヤマトとコサン…コサブロウが現れたことを聞いて、心底呆れた表情を浮かべるサトシとタケシ。


アイリス「まぁでも、無事に解決してよかったんじゃない? 何か面倒臭そうな2人が出て来たけれど…。」


デント「なんだかロケット団って、2人組を組んで行動するというのが多いね。僕たちが出会ったムサシとコジロウだってそうだったし…。」


ベル「う〜ん、ロケット団で2人組を組む人たちってお笑いで頂点を目指しているのかな?」


アイリス「いや、多分それは違うと思うけど(汗)」


 イッシュ組も、カスミ達から今回の一件を聞いて、改めてロケット団について知ることになる。ただ、ベルだけは、ロケット団で2人組を組む連中の事をお笑いコンビか何だかずれた認識をしているようだ。とはいえ、ロケット団にも有能な人員の裏にヤマトとコサン…コサブロウやかつてのムサシとコジロウみたく、間抜けな人員も数多く存在するので仕方ないと言えば仕方ないのだが…


カスミ「そういえば、2人組で思い出したんだけど…。ムサシとコジロウ、最近見かけなくなったわね。」


ハルカ「サトシのピカチュウを必死の形相で追っかけていたのにね。」


ヒカリ「それで最後はいっつも、「やな感じ〜!」って叫びながら飛んでいったんだっけ。」


 ロケット団の2人組と言えばこの2人と言わんばかりに、ムサシとコジロウ、そして喋るポケモンのニャースの事を思い出すカスミ、ハルカ、ヒカリ。


サトシ「そういえば、最近見かけないなぁ。イッシュでもたまに見かける程度だし、いつもの「やな感じ〜!」も言わなくなっていたなぁ。」


アイリス「それに、カスミ達が言うような2人組には見えなかったわ。立ち去る時も、ハイテクなもの使っていたし。」


カスミ「嘘っ!? あの2人が…。」


ハルカ「し、信じられないわ…。」


ヒカリ「サトシがイッシュに旅立ったのって、シンオウでの旅を終えた直後の事でしょ。その間に何があったのかしら?」


 サトシ達の言うムサシとコジロウ、そしてニャースのイッシュでの変貌ぶりを聞いて、カスミ、ハルカ、ヒカリは驚きを隠せないでいた。彼女たちは、サトシのピカチュウを付け狙ってはいつも失敗している彼ら(ムサシ、コジロウ、ニャース)しか知らないので、無理もない。


ベル「やっぱり、ロケット団ってお笑い集団なのかしら?」


ノゾミ「…だから、それはないって(汗)」


 ベルの皆とはずれた認識はあるものの、ロケット団は今に至るまで活動を続けているようだ。今後、サトシ達の旅に影響することは間違いない。サトシ達はロケット団に顔を知られているだけに、さらに厄介な展開になりそうである。


ヒカリ「話は変わるけれど、水中ショーの後、ノゾミとスズナさんはどうするんですか?」


スズナ「しばらくはノゾっちと二人旅かな?」


ノゾミ「ただ、ヒカリ達とも旅をするのも面白そうだし…。どうだい、ヒカリ。」


ヒカリ「あたしは大歓迎よ。」


ハルカ「わたしも。」


サトシ「断る理由なんてないぜ。ノゾミ、スズナさんがもしそうするんだったら、大歓迎だ。」


 トップコーディネーター、ジムリーダーと旅をする中で行うトレーニングは、さらに厚みの増したものになる。これほどまでの好条件を、サトシ達が逃す手立てはない。ノゾミとスズナに今後の事を聞いた後、サトシ達は雑談を楽しんだ。入浴後、リビングにはカスミ、ハルカ、ヒカリ、ノゾミと、水中ショーに参加する面々が揃っている。


ハルカ「ゲスト出演のわたし達は、主役の水ポケモンとカスミをより魅力的に引き立てるの役目。」


ヒカリ「ポケモン達のパフォーマンスならコンテストの経験で何とかなるけれど、人が相手となるとどうすればいいのか…。」


ノゾミ「ハルカやヒカリはともかく、あたしはまだカスミのこと熟知したわけじゃないしね。」


 ゲストとして出演するハルカ、ヒカリ、ノゾミは、自分たちが水ポケモン達をどう魅力的に目立たせるかで思案していた。3人は、参加することに対しての興味、自らのパフォーマンスの向上するためから、この水中ショーに参加を決めた。だが、自分たちがコンテストで培ったノウハウだけでは乗り越えられない何かにぶつかっているようで、悩みに悩んでいた。ここで、カスミが3人に対して助け舟を出す。


カスミ「みんな、そこまで心配しなくてもいいわ。あたしだって、正直なところ、水ポケモンをどう魅力的に引き出すかでいつも悩んでいるんだから。」


ハルカ「…いつも、水中ショーをこなしているのに?」


カスミ「うん。いつもこなしているからって、毎回モチベーションやコンディションも変わって来るから、同じようなパフォーマンスが出来るとは限らない。コンテストだって、そうでしょ?」


ヒカリ「確かに。コンテストは、コーディネーターとポケモンのコンディションによってパフォーマンスのバランスが左右されるってこともあるわ。」


カスミ「それに、この水中ショーの本来の主役は水ポケモン達。見に来てくれる人のほとんどはあたし目当てで来る人も多いけれど、あたしはあくまで水ポケモン達の引き立て役。ハルカ、ヒカリ、ノゾミと同じ立場なのよ。」


 ハナダでの水中ショーの本来の姿を語りつつ、ゲスト出演をする3人の不安を払しょくしようとするカスミ。そのカスミの話す内容を、真剣な眼差しでしっかりと聞き取るハルカ、ヒカリ、ノゾミ。話の内容は、3人の心に深く浸透しているようだ。


ノゾミ「カスミも、水中ショーの観衆のために頑張っているんだね。」


ヒカリ「でも、街頭での広告や雑誌の宣伝ではカスミがメインみたく紹介されているけれど?」


カスミ「あぁ、それは気にしないで。姉さん達が出来るだけ多くの観衆を集めるためにしていることだから。」


ノゾミ「自分ばかり目立ちすぎる宣伝で、やりにくさとかはないのかい?」


カスミ「正直初めはそう思ったんだけど、あの姉さん達にやめるように言ったところで無駄だし、水中ショーをこなしているうちに大して気にならなくなったわ。」


ハルカ「あぁ、そうなの…。」


 『ハナダ美人三姉妹』による水中ショーの裏事情が判明し、唖然となるハルカ、ヒカリ、ノゾミ。ただ、カスミは、この件に関しては開き直りの精神で乗り越えているようだ。


ハルカ・ヒカリ・ノゾミ(((カスミって、改めて思うと凄い…。)))


 水中ショーの裏事情が判明するも、カスミがフォローしてくれたおかげで、水中ショーにゲスト出演することへの不安は払拭されたハルカ、ヒカリ、ノゾミ。そんな中で、彼女たちは一体どんなパフォーマンスを魅せてくれるのだろうか…


続く





後書き

次回、いよいよ水中ショーの開演! とその前に、閑話休題な話を一つ…

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