小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第27話『開幕! 水の祭典』

前書き

[広告] 水ポケモン達が織りなす水の祭典、ハナダジムにて開催!


序盤、サトカス描写入れてみました。





 ハナダシティの名物イベントである水中ショーの開催を迎えた日の早朝。ハナダ市民はまだ寝静まっている頃である。只今ハナダシティに滞在中のサトシ達は、カスミとハナダ美人三姉妹の自宅にて寝泊まりしている。


サトシ「ん、んん。ふわぁ〜。」


ピカチュウ「ピッ、チャア〜。」


 サトシとピカチュウが眠気眼を擦りながら、起き上がる。


サトシ「ちょっと起きるのには早かったか。ピカチュウ、岬の方に行ってみるか?」


ピカチュウ「ピィカ。」


 サトシ達は、早朝トレーニングも兼ねてハナダ岬の方へと行ってみることにした。尚、他の面々はまだ夢の中なので、サトシとピカチュウは起こさないようにそーっと外に出ていった。


サトシ「ハナダ岬周辺の朝方って、こんな景色だったんだなぁ。あたり一面真っ白だ…。」


ピカチュウ「ピィカァ,,,。」


 ハナダ岬周辺は、あたり一面が靄に覆われていた。その真っ白な景色は、幻想的な雰囲気も醸し出している。サトシとピカチュウは景色に魅入られながらも、岬へと到着する。


サトシ「さて、早速始めるか。」


ピカチュウ「ピカァ…ピィカ?」


サトシ「? どうした?」


 サトシがトレーニングを開始しようとしたところで、ピカチュウが何かに気づく。サトシが周りを見渡すと、岬の奥の方で人影を見つける。


サトシ「あれは…カスミか。」


 人影の正体はカスミであった。サトシとピカチュウは、すぐに彼女に近づく。


サトシ「カスミ〜!」


カスミ「? サトシ?」


 カスミはサトシの声に気づくと、すぐにサトシの方へ振り向く。


サトシ「こんな朝早くからどうしたんだ?」


カスミ「あっ、うん。岬の景色を眺めてリラックスしているの。」


サトシ「ショーの前はいつもここに来るのか?」


カスミ「まぁね。岬の景色を見ていると心が落ち着いて、良い気分転換になるのよ。それにこの時期は、こんなふうに靄に覆われた景色がより心を落ち着かせてくれるの。」


サトシ「確かに、なんだか不思議な感じだな。」


ピカチュウ「ピカァ〜。」


 カスミの説明を聞き、サトシも岬の幻想的な景色に魅せられていた。


サトシ「なんか、悪いな。朝ここでトレーニングをしようと思ったんだけど、カスミの時間を邪魔しちゃったな。」


カスミ「…サトシ、こんな時でもバトルのことは忘れていないのね。」


 かつての旅仲間の晴れ舞台がもうすぐ開催されるのにもかかわらずバトル脳なサトシに、カスミは思わず呆れて苦笑いを浮かべるが、このサトシの性格は今に始まったことではないと熟知しているので、軽く受け流した。


ピカチュウ「…? ピカァ?」


カスミ「どうしたの、ピカチュウ?」


ピカチュウ「ピカピカ! ピカァ!」


 ピカチュウが何かに気づき、岬の海辺の方を指さす。











ヒュン! ピチャア! ヒュウウウン!


サトシ・カスミ「「!?」」


 サトシとカスミはピカチュウが指さす方向を振り向き、そこに見えたものに思わず絶句する。なんと、水面を颯爽と走るスイクンの姿がそこにはあった。水の神と崇められるスイクンが水面を走る様は、何か神々しさを感じさせる。


カスミ「…今日はなんだかうまくいきそうな気がするわ。」


サトシ「だな。」


 本日の水中ショーに臨むカスミは、とても自信に満ち溢れていた。そんな中で水中ショー開幕の時を迎える。


デント「いよいよだね。」


アイリス「あぁ〜、ショーに出ないのにアタシ緊張してきた〜。」


サクラ「あらあら。」


ヒカリ「サクラさんは凄いですね。いつも慣れているからか緊張しているようにはまったく見えない…。」


サクラ「ふふふ、これでも結構緊張している方よ。あたし達はサポートする立場だけど、毎回ショーをどう魅力的にするかで大変なの。」


アヤメ「でも、そこまで堅くならなくてもいいわ。リラックス、リラックス!」


 (ゲスト出演の面々を除いて)見る側としてもハラハラする展開だけが予想されるだけに、サトシ達の周りは緊張感に包まれていた。それを察してか、サクラとアヤメがそれを解きほぐす。いつもカスミのサポートで慣れている彼女たちのおかげで、だいぶ楽な気分で待ち望むことが出来そうだ。その後サクラとアヤメはジムの中へと入っていき、サトシ達は入場口から会場入りすることにする。


アイリス「うわぁ、スッゴイ人だかりね。」


デント「どうやら地元のハナダ以外からも、見物客が来ているみたいだね。」


ハルカ「カスミの三人のお姉さん、すごい宣伝力かも…。」


ノゾミ「確かに。」


 ショー開幕直前ともあって、会場のハナダジムの前は入場する客でごった返していた。その光景を見て、改めて三姉妹の巧みな宣伝力に圧倒されるサトシ達。その後、ハルカ、ヒカリ、ノゾミは、残りの面々に「後で入る」と伝えた後、ショー直前の気持ちの切り替えのために一旦サトシ達から離れた。サトシ達は少し首を傾げながらも、人込みでごった返す中、会場入りする。


ヒカリ「はぁ〜、なんだかあたし達も緊張してきた〜。」


ノゾミ「この雰囲気は、コンテストじゃなかなか味わえないものね。さすがにあたしも初めてだよ。」


ハルカ「わたし何度も見に来たことあるけれど、今回はいつも以上かも…。」


 ショーの開幕が近づくにつれて、ゲスト出演の面々の間にも緊張感が漂う。コンテストとは違った何か特別なものを感じているのであろう。


???「あら? ハルカじゃない?」


ハルカ「マサトにママ! それにリュウカちゃんも!」


 そんな中、何者かがハルカを呼ぶ声が聞こえる。呼ばれたハルカが振り向くと、そこには先日トウカシティを出たハルカの母親・ミツコ、ハルカの弟・マサト、そしてハルカとマサトと面識のあるリュウカがいた。


ミツコ「ハルカ、元気そうで何よりね。ママ、安心したわ。」


ハルカ「えぇ、お陰様で。ママ達がここにいるってことは、水中ショーを見に来たのよね?」


マサト「うん。だってカスミの晴れ舞台だもの。僕、一度でいいから見に行きたかったんだ。」


ハルカ「そういえば、家にいる時もずっと言っていたものね。リュウカちゃんも水中ショーを見に来たのよね?」


リュウカ「はい。ミツコさんとマサト君に便乗した形ですけれど、あたしも兼ねてから行ってみたかったんです。」


ハルカ「ホウエンからよく来たわね。あっ、ママ、マサト、リュウカちゃん、わたしの後ろにいる2人を紹介するわ。ヒカリにノゾミよ。」


 ハルカが、ホウエンから来た3人にヒカリとノゾミを紹介する。すると、3人はそれぞれ自己紹介を始める。


マサト「はじめまして。僕、マサトです。」


リュウカ「あたしは、リュウカ。ハルカさんやマサト君の家とはご近所付き合いの仲です。」


ミツコ「そして、わたしはハルカとマサトの母親、ミツコよ。リュウカちゃんのお母さんとは古い付き合いなの。」


 マサト、リュウカ、ミツコの順に自己紹介をした後、今度はヒカリとノゾミが自己紹介を始める。


ヒカリ「あたしは、ヒカリ。ハルカと同じくポケモンコーディネーターです。」


ノゾミ「あたしは、ノゾミ。以後、よろしくお願いします。」


 ヒカリとノゾミの自己紹介が終わると、


リュウカ「あたし、ミクリカップ見ていました。はぁ、思いもよらないところでハルカさんと凌ぎを削った人たちとお会いできるなんて光栄です。」


 リュウカはヒカリとノゾミに出会えたことに深く感動し、その喜びを言葉に出す。


ミツコ「みんな、仲良くなれそうでよかったわ。それより、ハルカ。会場の中に入らなくていいのかしら?」


ハルカ「えっ、あっ、うん。わたし達はもう少し後で入るわ。ママ達は先に入ってて。」


マサト「お姉ちゃんたちがいるってことは、サトシ達もいるんだよね?」


ハルカ「えぇ。サトシ達は先に中に入っているわ。」


ヒカリ「あたし達の新しい仲間もいるわ。えーっと…。」


マサト「あっ、僕の事はマサトでいいよ。」


ヒカリ「それじゃあマサト、よろしくね。あたしのこともヒカリって呼んでいいわ。」


マサト「うん。こちらこそよろしくね。ヒカリ。」


 ヒカリはマサトのことをどう呼ぶかで迷ったが、どうにかお互いの呼び方は決まった。ミツコ達が会場入りしてしばらくした後、ハルカ、ヒカリ、ノゾミもようやく会場の中へと入って行った。そして、カスミと水ポケモン達が織りなす水中ショーは開演の時間を迎える。


続く





後書き

終わり方がメチャクチャなのは、ご容赦くださいorz


とにかく、マサトは出したかったんです(滝汗)

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