小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第31話『学院からの招待』

前書き

第4章突入!


※ 補足説明
 当該作品における地理事情は、オリジナルと現実のを組み合わせております。カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウは日本の地方として、イッシュは米国の地方として扱います。





 白熱した水中ショーから一夜明けた日のこと。サトシ達は現在、カスミ宅のリビングにて休息のひと時を過ごしている。


サトシ「それで、マサトとリュウカちゃんは俺たちと一緒に旅をすることになったんだな。」


マサト「うん。ここ最近、またサトシ達と旅がしたいなぁって思っていたんだ。朝それをママに言ったら…。」



<回想シーン>


ママ「いつかまた、そんな日が来るとは思っていたわ。あなたの将来のためにも、行ってきなさい。リュウカちゃんも行きたがっていたみたいから、リュウカちゃんのママには私から言っておくわ。」






マサト「…と言って、僕とリュウカちゃんがサトシ達と一緒に旅をするのを許してくれたんだ。」


ヒカリ「そうだったのね。それじゃあ、これからよろしく。マサトにリュウカちゃん。」


マサト「うん。こちらこそ、よろしく。」


リュウカ「あたしはマサト君みたいにこうした旅に出たことはありませんが、よろしくお願いします。」


 マサトは、かつてのようにまたサトシ達と旅に出たいと思っていたようだ。それと同じくリュウカも、マサトから話を聞いているうちに自分も旅に出たいと思っていた。それをミツコに告げると、ミツコは快くマサトとリュウカの旅立ちを承諾した。これでサトシ達の今後は、マサトとリュウカを加えて旅をすることになる。


サトシ「そういえば、ノゾミとスズナさんが見当たらないけれど…。どうしたんだ?」


ヒカリ「ノゾミとスズナさんは「やっぱり、しばらくは二人旅でいってみる」って言って、一足先に出て行ったわよ。」


サトシ「そっかぁ、ノゾミとスズナさんと一緒だったら特訓がはかどると思ったんだけどなぁ…。」


カスミ「歓迎してくれたことにはお礼を言っていたけれど、あまり便乗するのも悪いとも言っていたわ。」


タケシ「まぁ、あの2人なら大丈夫だろう。お互い知り尽くしている者同士だしな。」


アイリス「そうね。」


ベル「あたし達も、2人に負けないようにしなきゃ。」


 ノゾミとスズナは、一足先にハナダシティを旅立っていた。サトシ達は、2人と一緒に旅ができなかったことを残念がっていた。だが、2人を無理に引き止める理由がないので、近い将来2人と再会できることを願い、この話題を切り上げる。


ピンポーン!


カスミ「? 一体、誰かしら?」


サクラ「あたしが応対するわ。」


 その時、玄関のインターホンが鳴る。サクラがその応対のため、玄関へと向かう。しばらくすると、


サクラ「カスミ、あなたに用があるみたいよ。」


カスミ「えっ? あたしに?」


サクラ「ほら。この間、手紙を送ってくれたアリアって人よ。」


カスミ「あぁ、あの時の手紙の送り主ね。分かったわ、今すぐ行く。みんな、ちょっとごめんね。」


サトシ「あぁ、別に構わないぜ。」


デント「玄関であまり待たせても悪いしね。」


 カスミは、談笑の途中で抜けることをサトシ達にお詫びを入れつつ、玄関へと向かう。


カスミ(それにしても、誰なのかしら? 手紙では挨拶と「今度、お伺いします。」とだけ書かれていたけれど…。)


 カスミはそう思いながら、玄関の扉を開ける。すると、そこにはカスミ達と同じくらいの年齢のブロンズのロングヘアーの少女がいた。


カスミ「えっと、アリアさん…ですよね?」


 まず、カスミが目の前にいる少女がサクラの言うアリアであるかどうか確認する。


アリア「はい、突然のご訪問失礼します。わたくし、ポケヴェール女学院広報部長のアリアといいます。」


カスミ「ポケヴェール女学院って、タマムシにある超有名私立学校でしょ。そのようなところから、あたしにどんな用件で?」


アリア「先日の水中ショー、実はわたくし達学院関係の面々も観覧していました。ポケモンとの抜群のコンビネーション、そして独創性あふれる演目の数々、大変すばらしいものを見させていただきました。」


 先日開催されたショーでは、ポケヴェール女学院の関係者も観覧していた。そこでみた率直な感想をアリアが簡潔に述べる。そこからさらに、アリアは話を続ける。


アリア「特にあるお方が、水中ショーの出来にとても感動していました。是非、一度カスミさんとお会いしたいと申しておりました。」


カスミ「あるお方?」


アリア「はい、コンテストの若き“女帝”・エリーサです。」


カスミ「!? あの、北欧の大企業のご令嬢で、トップ・コーディネーターになる前から数々のコンテストを総ナメにしてきたあの、エリーサ様!?」


アリア「はい、随分とご存知ですね。」


カスミ「ご存知も何も、世界中に知らない人はいないくらい有名なお方よ!(まぁ、あたしはほとんどハルカから聞いて知っているんだけどね…。)」


アリア「エリーサ様は、故郷の国でも国民のほぼ全員がご承知なくらいですからね。エリーサ様は、先程も申しましたが先日のカスミさんのショーをとても気に入られたご様子で是非我が学院に招待したいとのことです。」


カスミ「まさか、エリーサ様にご招待されるなんて…。是非、行かせていただきます!」


アリア「ふふふ、交渉成立ですね。」


 カスミは、アリアから聞かされた『ポケヴェール女学院』へ招待されたことを二つ返事で快諾した。


カスミ「あっ、ところでアリアさん。あたしの仲間も一緒に行ってもいいかしら?」


アリア「? それは構いませんが、ショーにゲスト出演されたハルカさんやヒカリさんですか?」


カスミ「2人のほかにもいますよ。今丁度リビングにいますから、アリアさんも中へどうぞ。」


アリア「えっ、あっ、それじゃあお言葉に甘えさせていただきます。」


 カスミに促されるがまま、アリアはカスミ宅の中へと入っていく。この時、アリアはカスミの言う仲間の面子に驚きを見せることなど、露にも思わなかった。


アリア「…まさか、このような面々が揃っていたなんて。これはわたくしの情報不足です(汗)」


 リビングにいるサトシ達を見て、アリアは冷や汗ものだった。先日ショーにゲスト出演したハルカとヒカリがいることは容易に予想できたが、他の面々のことは完全に予想外だった。


ヒカリ「いえ、驚くのはあたし達のほうですよ。まさか、超有名な女学院からの誘いの他、カスミがあのエリーサ様に注目されているなんて…。」


ハルカ「カスミ、すごいわ(汗)」


 アリアから大体の事情を聞き、ハルカやヒカリも超有名女学院からの訪問にかなり冷や汗を流していた。


デント「ポケヴェール女学院。全国から世界で活躍できるトレーナー、コーディネーターを目指して優秀な人たちが集まる文武両道の私立学校。それにしても、僕たちがいることは予想外とはいえ、随分と調べているみたいですね。」


アリア「はい。わたくし、ポケヴェールの情報屋として広報部長に任命されていますから。世界の隅々まで抜けのないように徹底的に調査する、それがわたくしのモットーです。」


 アリアはポケヴェールの広報担当であることの誇りを自身満々に答える。さらに、アリアは女性陣を集めて、


アリア「(ボソッ)わたくしが本気を出せば、あなた方のスリーサイズも調べることが出来るのですよ。」


ベル以外「「「「「!?」」」」」


ベル「?」


 こう、ボソッと呟く。女性陣にとってその一言は、さらなる冷や汗ものだった。ただ、ベルだけは元々の性格からそこまで気にはしていないようであったが…


サトシ「どうしたんだ?」


ハルカ「な、なんでもないわ! サトシ!」


ヒカリ「うんうん!」


アリア(ふふふ、皆様とても面白い方々ですね。)


 この時点で、女性陣がかなり動揺していることが見え見えである。アリアは小悪魔的な笑みを浮かべながら、予想外とは言えサトシ達に会えたことに好意的な印象を抱く。


アイリス(こ、この人、敵に回さない方がいいのかも…。)


 アイリスがこう思ったように、女性陣(ベル以外)はアリアに対してこのような印象を抱いたとか(笑)


アリア「コンテストだけでなく、バトルの方ももちろん充実した学校となっております。数々のポケモンリーグで好成績を収められたサトシさんも、きっと気に入ってくださると思います。」


サトシ「へぇ〜、それは面白そうですね。あっ、俺の事もよくご存じなんですね。」


アリア「えぇ、広報担当としてはコンテストのみならずバトルの情報も欠かさず入手していますし、ポケモンリーグは毎回全国で生中継されていますから。それにサトシさんは学校内でもかなり人気があるのですよ。ファンクラブが出来るくらいに。」


サトシ「えっ?」


サトシLOVEズ「「「「「!?」」」」」


 アリアからポケヴェール内でサトシのファンクラブが出来ていることを聞かされ、驚きを見せるサトシ。当然、サトシスキーな面々の耳にもそのことは入っており、サトシ同様驚きを見せた。


サトシ「ファンクラブが出来ているなんて、なんだか照れるなぁ…。でも、ポケヴェール女学院ってなんだか面白そうだな。俺たちも是非、行かせていただきます。」


アリア「ふふふ。皆様もご賛同のようですし、この件は決まりですね。心より、お待ちしております。」


ヒカリ「え、えぇ。」


 次の目的地がポケヴェール女学院のあるタマムシシティに決まった、そんな水中ショー翌日の事だった。ただ、ポケヴェールに対する興味が湧いてくる反面、ポケヴェールにはサトシファンクラブなるものがあると知ったサトシLOVEズの面々は複雑な心境のようだ。



続いて後書きショー














天の河「作者の気まぐれによるこの後書きショー! 今回のゲストは、初登場・アリアさんです!」


アリア「どうも、皆様はじめまして。私、ポケヴェール女学院中等部所属、生徒会では広報を担当するアリアと申します。」


天の河「かなりお堅い登場ですね。」


アリア「普段からこのように他の方々と接していますので、自然と身についたのですよ。」


天の河「なるほど。」


アリア「ところで、次からは私達のポケヴェール女学院が舞台となるのですね。」


天の河「そういうことですとも。アリアさんの他にも個性豊かな学生も沢山登場しますので。それと今回の話の終盤に少し触れた『サトシファンクラブ』についても追々出していきます。」


アリア「それは楽しみですね。サトシ様はポケヴェール内で人気沸騰中ですから。」


天の河「アリアさん、あとはネタバレになりかねないのでその辺で。」


アリア「それでは、次回もこの『アニポケ編』をよろしくお願いいたしますわ。」

-35-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える