小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第54話『忍を極め受け継ぐジムリーダー、アンズ』

前書き

(恐らく)本作初めて、サトシ以外のキャラでのバトル回です。尚、早く次の段階に進行させたい都合上、二対二のシングルバトルとします。


父上の猛毒戦術をさらに極めたアタイのバトル、とくとご覧あれ by.アンズ





審判「只今より、挑戦者・ベルとジムリーダー・アンズによる二対二のシングルバトルを始めます。今回はジムバッジを賭けた正式なジムバトルではないので、ポケモンの交代は両者ともに自由とします」


 審判を務める人物からバトル形式その他もろもろの説明を受け、忍者道場を模したバトルフィールドでお互いに見合うベルとアンズ。両者ともに本格的なバトルは久方ぶりのために、かなり集中力を研ぎ澄ませている。余談ではあるが、審判はくの一の服装を身に纏ったアンズと同じくらいの年齢の少女が務めている。


審判「それでは、試合開始!」


ベル「行くわよ、エンブオー!」


シュッ! ポォォォォォン!


エンブオー「エンヴォォォォォ!」


アンズ「これがアタイの一体目。出でよ、クロバット!」


シュッ! ポォォォォォン!


クロバット「クロバァット!」


 バトルの火ぶたが切られ、ベルはエンブオー、アンズはクロバットをバトルフィールドに送り出す。


マサト「エンブオーにクロバット、相性で考えたらエンブオーの方が不利だね」


デント「でも、エンブオーはベルと一緒にそういった不利な状況は経験している。この相性のギャップを跳ね返すくらいのテイストは持ちあわせているはずだよ」


 エンブオーはベルがアララギ研究所から貰った最初のポケモン、いわゆるパートナーポケモンである。その為、他のどのポケモンよりもベルと一緒に過ごす時間が多く、バトルの経験も数多い。当然相性の悪い相手とバトルする回数は少なくない。


ベル「エンブオー、クロバットにつっぱり!」


エンブオー「エンブゥ! エンヴォ!」


 まずは、エンブオーが‘つっぱり’を決めるためにクロバットに接近。体格に似合わず、その動きは比較的俊敏である。


アンズ「かわして!」


クロバット「クロバァ!」


 クロバットは全ポケモンの中でトップクラスの素早さと俊敏さを誇る。先手はとられたものの、エンブオーの‘つっぱり’は難なく回避する。


クロバット「クロバァ!」


 さらにクロバットは華麗に空中を旋回し、エンブオーの背後へと回り込む。


アンズ「クロバット、ヘドロばくだん!」


クロバット「クロォ! クロバァ!」


 クロバットが放った‘ヘドロばくだん’は、そのままエンブオーへと向かっていく。


ベル「エンブオー、かえんほうしゃで対抗するのよ!」


エンブオー「エェン! ブウォォォォォォォォ!」


 クロバットに背後を取られたエンブオーであったが、素早くクルッと一回転してクロバットと向き合う。そしてそのまま、‘かえんほうしゃ’を放ち、‘ヘドロばくだん’と相殺させた。


ベル「今度はこっちの番よ! エンブオー、メロメロ!」


エンブオー「エンブゥ! エンブォ〜!」


 エンブオーはウィンクをしたと同時に、エンブオーの瞳から無数のハートが放たれる。これがBWシーズン1にて何故か多用されていた‘メロメロ’である。さて、エンブオーから放たれたハートはそのままクロバットに命中する。


ベル「やった、決まったわ!」


クロバット「…クロォ?」


ベル「嘘!? 全然効いていない!?」


アンズ「どうやら、メロメロは失敗に終わったようね」


 ベルのエンブオーはオス。そのエンブオーの繰り出した‘メロメロ’が効果なかったということは、アンズのクロバットはオスということである。


クロバット「クロバァット!」


アンズ「今こそ我がセキチクジム伝統の奥義、それをさらに極めしどくどくのキバ!」


クロバット「クロバァァァァァ!」


エンブオー「エンブォッ!」


ベル「エンブオー!」


 エンブオーに思いっきり噛みつくクロバット。エンブオーに強力なダメージが襲い掛かる。


エンブオー「エ、エン…」


 さらにエンブオーは急に顔色を悪くさせて、息も荒々しくなる。どうやら、‘どくどくのキバ’の追加効果によって猛毒状態に陥ってしまったようだ。


アンズ「クロバット、さらにもうどくのキバ!」


クロバット「クロバットォ!」


 さらに、‘もうどくのキバ’で畳み掛けるクロバット。再びエンブオーに噛みつき、さらなるダメージを与える。


エンブオー「エンブゥ…」


ベル「(こうなったら、ここから一気に決めるしかないわ!)エンブオー、アームハンマー!」


エンブオー「エンブォ! エェェェンブォォォォォ!」


クロバット「クロバァ!?」


 エンブオーは器用に‘アームハンマー’を繰り出し、自らに噛みついているクロバットを引き剥がす。


ベル「続けて、もろはのずつき!」


エンブオー「エェェェンブゥゥゥゥゥ!」


クロバット「クロバァ!」


アンズ「むぅ…」


 エンブオーの‘もろはのずつき’が炸裂。クロバットに効果抜群のダメージが与えられる。


クロバット「クロバァット…」


 クロバット、一気に大ダメージを受けてダウン。


エンブオー「エェン、エェン!?」


バタッ!


ベル「エンブオー!?」


エンブオー「エンブゥ…」


審判「クロバット、エンブオー、戦闘不能!」


 対するエンブオーも‘もろはのずつき’の反動ダメージに加え、猛毒による追加ダメージを受けてダウン。この2体の勝負は引き分けとなった。ベルとアンズ、両者一歩も譲らないこのバトル。果たして制するのは…


続く





後書き

このシリーズ史上、アンズほど安定しないキャラは初めてだ(汗)

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