小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第55話『進化とからをやぶる!』

前書き

今回は、パルパーク回触れなかったベルが新たにゲットしたポケモンが初登場!


それにしても、やっぱりアンズは本作きっての不安定キャラ(滝汗)





ベル「ご苦労様、エンブオー」


 引き分けではあるものの、主の指示に従い自分を犠牲にすることで相手のポケモンを倒したエンブオー。ベルは申し訳なさもありつつも、エンブオーを労いながらモンスターボールに戻す。


ベル「さすがですね、アンズさん。やっぱり、ジムリーダーは侮れないわ」


アンズ「アタイなんてまだまだ。もっと強いジムリーダーは他にもいるわ。それにベル殿の咄嗟の判断力には感服させられる思いよ」


 お互いにたたえ合う両者。ただ、バトルはまだまだこれからである。


アンズ「アタイの次のポケモンはこれだよ。行っておいで、ドラピオン!」


シュッ! ポォォォォォン!


ドラピオン「ドラァピォン!」


 アンズは、ドラピオンをバトルフィールドに送り出す。対するベルはと言うと、


ベル「さて、ここであたしがパルパークでゲットしたポケモンの初お披露目ね。出ておいで!」


シュッ! ポォォォォォン!


 ベルはパルパークでゲットしたポケモンを早速実戦に投入するようだ。ベルが投げ込んだモンスターボールから出てきたポケモンは、


プロトーガ「プラァ!」


 イッシュ地方の古代ポケモン、プロトーガであった。


サトシ「ベル、プロトーガをゲットしていたのか」


ヒカリ「海の上で釣りをしていたら、ベルが引き当てたのよ」


タケシ「ん? 海の上って、なみのりでも使ったのか?」


ハルカ「違うわよ。カスミが小型ボートを操縦して沖まで出たのよ」


デント「カスミ…」


カスミ「心配しなくても、ちゃんと免許は持っているから」


サトシ・タケシ・デント「「「……」」」


マサト「カスミ、いつの間に…」


 カスミが小型船舶の免許を取得していた事実を知り、言葉に表せないくらいの驚きを見せる様子の男性陣。一方、ベルとアンズのバトルはというと、


アンズ「ここからは出し惜しみ無くいかせてもらうわ。ドラピオン、我がセキチクジム秘伝の奥義・どくどく!」


ドラピオン「ドラァ! ドラァピ!」


 ドラピオンの口から強力な猛毒液が放たれる。


ベル「そう何度も猛毒を喰らう訳にもいかないわ! プロトーガ、まもる!」


プロトーガ「ルゥアォ!」


 その猛毒液をプロトーガは、‘まもる’で対処する。これで何とか先程のエンブオーのように猛毒状態にならずに済んだ。のだが…


ドラピオン「ドラァピオォン!」


プロトーガ「プラァオ!?」


 ドラピオン持ち前の素早さで、プロトーガに急接近。


アンズ「ドラピオン、プロトーガにかみくだく!」


ドラピオン「ドラァッピ!」


 そのままアバゴーラに噛みつく。だが、アバゴーラは堅い甲羅によってダメージはほとんど受けていない様子だ。


アンズ「そこから、かみなりのキバ!」


ベル「な、なんですって!?」


ドラピオン「ラァァァァァピ!」


プロトーガ「プラァ…!」


 最小限のダメージで済ませて安心したのもつかの間。プロトーガは、‘かみくだく’から‘かみなりのキバ’に攻撃技を切り替えたドラピオンから効果抜群のダメージを受ける。


アンズ「さらに、クロスポイズン!」


ドラピオン「ドラァピィィィィィ!」


プロトーガ「プラォ!」


ベル「ぷ、プロトーガ!」


 ドラピオンは一旦プロトーガを解放し、そこから‘クロスポイズン’をお見舞いする。プロトーガはさらなる応酬に、じわりじわりと体力を削られていく。


プロトーガ「プロトォ…、プラァオ!」


 万事休すかと思われたその時だった。突然、プロトーガの全身が光り出す。


アンズ「こ、これは…」


ベル「嘘っ!? 進化が始まったの!?」


 そう、この現象はポケモンが進化する前触れである。どうやら、ベルは進化間際のプロトーガをゲットしたようだ。ある意味、運命的な出会いである。


アバゴーラ「…アバゴォォォォォラァ!」


 光が収まると、元の姿より一回り大きくなった古代亀が姿を現す。


ベル(なるほど、進化したと同時に新しい技も覚えたのよね。これはこの状況を打開するのにはもってこいだわ)


 進化したと同時に、アバゴーラは新しい技を覚えたようである。それを図鑑でチェックしたベルと対峙するアンズは、気を取り直してバトルを再開する。


アンズ「進化したその勇姿、しかと確かめさせてもらうわ! ドラピオン、こわいかお!」


ドラピオン「ドラァ! ドラピィ…」


アバゴーラ「アバゴォ!?」


 ドラピオンの繰り出した‘こわいかお’に、思わず怯むアバゴーラ。


ベル「負けないで、アバゴーラ! げんしのちから!」


アバゴーラ「アバァ! アバゴォォォラァァァ!」


 怯みながらもアバゴーラは、‘げんしのちから’を発動。アバゴーラの周囲から無数の岩石が浮き上がり、その後ドラピオン目がけて次々と飛んでいく。


ドラピオン「ドラァァァァァ!」


 無数の岩石はそのまま、ドラピオンに命中。


ベル「アバゴーラ、進化して覚えた技を見せてあげて! からをやぶる!」


アバゴーラ「アバァ! アバァァァァァァァァ!」


 アバゴーラはここで、進化直後に覚えた新たな技である‘からをやぶる’を使う。‘からをやぶる’は自分の防御と特殊防御を下げる反面、攻撃と特殊攻撃と素早さの能力を測り知れないくらい上昇させる。一撃必殺を狙うのにはうってつけの効果技である。


ベル「そのまま、アクアジェット!」


アバゴーラ「アバゴォ! アバゴォォォォォ!」


 攻撃用の能力を格段に上げたアバゴーラは、その効果を活かして‘アクアジェット’でドラピオン目がけて猛突進する。


ドラピオン「ドラァ…」


 攻撃は見事にドラピオンの急所に命中し、大ダメージを与えることに成功する。


ベル「今よ、アバゴーラ! みずのはどう!」


アバゴーラ「アァァァバァァァァァ!」


ドラピオン「ドラァ!? ドラァァァァァ!」


アンズ「ぬっ!?」


 さらに攻撃の手を緩めることなく、アバゴーラは‘みずのはどう’を発射。至近距離で攻撃をまともに受けたドラピオンを見て、アンズは険しい表情を浮かべる。


ドラピオン「…ドラァ」


審判「ドラピオン、戦闘不能! アバゴーラの勝ち! よって勝者、挑戦者・ベル!」


 ドラピオンが目を回して戦闘不能になり、アンズの手持ちには戦えるポケモンはいなくなる。そこへ、審判からベルの勝利が告げられる。


アンズ「見事だったわ、ベル殿。アタイもまだまだ修行を足りないわね」


ベル「アンズさんの方こそ、どのポケモンもよく育てられていましたし、何しろあの猛毒戦術には苦戦しました」


 バトル後、お互いを称え合うベルとアンズ。この二人の表情からは、短い時間であったが中身のあるバトルをしたということがうかがえる。


アンズ「これが約束のチケット。とは言っても、本当は欲しかったらすぐに差し上げるつもりだったけどね。バトルはその口実」


ベル「いいですよ、別に。目的が達成できればそれでいいですよ」


サトシ「アンズさん、今度是非俺とバトルしてください!」


アイリス「あっ、サトシずるい! アタシも!」


アンズ「えぇ、こちらからもお願いするわ。サトシ殿にアイリス殿」


 本当に短い時間であったが、サトシ達とアンズの間にはすっかり交友関係が構築されたようだ。その後、サトシ達は手に入れたチケットを手にしてジムを出て、ふたごじま行きの連絡船が出る波止場まで向かっていった。


アンズ(サトシ殿達は、非常にバトルにコンテストにと情熱を捧げている者たちであった。そう、アタイがジムリーダーになって初めての相手をしたあの者のように。これからアタイも、サトシ殿達やあの者に負けぬよう、日々励んでいかなければ!)


 ジムリーダーとして初めての対戦相手のことを思いつつ、波止場に向かうサトシ達を見送るアンズであった。


続く





後書き


最後のシーン、フラグなんて建っていない。建っていないんだ!(滝汗)

-60-
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