小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第57話『双丘の地、上陸!』

前書き

双丘という言葉には、‘ふたごじま’という意味の他に、もう一つの意味合いがあります。


ふたごじまは、ゲーム版攻略本等でのイラストではただの岩礁ですが、一応人の足が踏み入れられる陸地があるという設定で行きます。





ミドリ「ん〜! あっ、みんな早いのね」


ヒカリ「あっ、ミドリさん。おはようございます」


サトシ「おはよう、ミドリお姉ちゃん」


 ふたごじま(正確には東グレン島ではあるが)に来てから一夜明けた朝の事、サトシ達はポケモンセンターのロビーに集まって、他愛もない談笑をしていた。そこへ、前日に出会ったサトシの姉的存在のミドリが合流する。


ミドリ「それじゃあ、早速。サトシ♪」


ヒロインズ+ベル「「「「「!?」」」」」


サトシ「う、うわぁ!? 急に抱き着かないでよ!」


ミドリ「だってぇ、昨日しばらく会っていなかった可愛いサトシと再会したんだもの。これくらいしないとね。それに昔からこうやって抱き締めてあげているじゃない」


サトシ「それはそうだけど、お、俺だってあの時よりは成長しているんだよ!」


ミドリ「そう? あたしから見れば昔と変わらないけれど、ひょっとして…。ふふふ、サトシも男なのね」


サトシ「もうからかわないでよ!」


 サトシは現在、ミドリの豊満な双丘に顔を埋める形でミドリに抱き締められている。サトシはミドリから逃れようと必死で抵抗するも、もがけばもがくほど押し付けられていくので、すぐに観念した。傍から見れば実に羨ましい光景であるが、当のサトシからすればありがた迷惑な話である。さらに、ヒロインズからの嫉妬の念がこもった視線も痛いくらいに浴びている。ベルはおろおろしているせいか、それどころではなかったのだが。それにしても、ミドリのこのスタイルは実にけしから(ry)←失礼しました。 by.天の河


リュウカ「…あれ、どうしたらいいのかしら?」


マサト「リュウカちゃん、あれには下手して触れないほうが身のためだよ」


タケシ「あの光景は火傷程度の怪我じゃ、済まないものな」


デント「ある意味、デンジャラスなテイストだよ…」


 とにかく、こういった争い事(?)は下手に関わって滅茶苦茶にするより、自然に鎮静化するまで待つことが最善の策と言えよう。その後、サトシは無事ミドリから解放され、モヤモヤとした雰囲気に包まれる中全員で朝食を済ませ、ふたごじまへと向かうことになった。


ミドリ「(ボソッ)みんなも早朝のあたしのように、サトシにあれくらい出来なくちゃね」


ヒロインズ+ベル「「「「「!? (// △ //)」」」」」


 ポケモンセンターを出る間際、ミドリにこんなことを囁かれてヒロインズとベルが赤面するというハプニングは、このシリーズの王道である。とはいえ、おつきみやまでただ一名、サトシとの添い寝をするという羞恥の体験を果たしているのだが…


ブォォォォォォォォ!


ミドリ「それにしても驚いたわ。まさか、カスミちゃんが小型ボートの免許取っているなんてね。私ここの貸しボート屋の人と知り合いだったからその人に頼もうと思ったんだけれど、その手間が省けたわ」


ヒカリ「あたしもびっくりしましたよ。なんか、お姉さん達に無理やり勧められて、取ったそうです」


ミドリ「あぁ、サクラさん達ならやりかねないわね。決して悪い人たちじゃないんだけれど…」


 ミドリもかつてはマサラタウンを出て様々な地方を旅してきたトレーナーの一人。その過程でカントーのポケモンジムも廻ったわけであり、中でもハナダジムとはかなりの深い縁がある。当然カスミや三姉妹のことも知っており、特に三姉妹の原黒…もといゴーイング・マイウェイな性格については熟知している。


ミドリ「それはそうと、なかなかの操縦テクニックね。取り立てだとは思えないくらいよ。将来、あれはいろんな意味で武器になるわ」


リュウカ「確かに、水ポケモンを使いこなし且つ小型ボートを巧みに操縦するジムリーダー、なんだかカッコいいですね」


 ミドリがカスミの小型ボートの操縦テクニックに感心しつつ、サトシ達はふたご島へと向かっていく。小型ボートの速度に比例して強く吹き付ける海風に当たりながらしばらく海上を滑走し、ようやくふたご島の本島へと到着する。ふたご島の本島の陸地には文字通り二つの大きな岩礁が並んでおり、そこの大きな穴は地下洞窟につながっている。この島にまつわるフリーザー伝説、生態系などを解明するために度々研究者達が訪れており、格好の研究スポットとなっている。


ハルカ「ミドリさん、これからどうするんですか?」


ミドリ「今回私とベルちゃんの目的はふたご島の洞窟におけるポケモン達の生態系調査。上陸して間もないけれど、早速洞窟の中に入るわよ」


 ふたご島に上陸したサトシ達は、ミドリ先導の下、ミドリとベルの当初の目的であるふたご島での生態系調査を開始するため、洞窟内へと入っていった。この時、洞窟内である危機に晒されることになるなど、誰も思いもしなかった。








ピッ、ピィィィィィ! カシャ!


???「こちら第一工作部隊、順調に任務遂行中。作業が終わり次第、アジトに帰還予定」


 サトシ達がふたご島に上陸した頃、ふたご島の洞窟内では謎の人物が怪しげな行動をとっていた。謎の人物はある組織の所属らしく、現在は無線機で仲間との連絡を取っている最中である。


???「任務は滞りなく、順調に遂行出来ているようだな」


 無線機での連絡を終えた人物の下へ、またもう一人謎の人物が現れる。


※ ここから、初めの人物をA、後に合流した人物をBとします。今更ですが、台本形式なのはご容赦ください。


A「今回の任務は我々の計画を成功に向かわせるために重要な任務」


B「俺達をはじめとする研究員の活動が今後のカギを握っていると言っても過言ではない。抜かりはあってはならない任務だ」


A「あぁ、だが今回の任務も大詰めだ。このまま順調に進めれば今日の正午までには終わらせることが出来る」


B「その為にも迅速かつ的確に進めていくぞ」


A「了解!」


 ここでネタバレ説明を加えるとすれば、この二人の人物が所属するのはロケット団ではない。今も尚、カントーを中心に勢力を拡大しつつあるロケット団に加え、この二人の人物が所属する謎の組織。この暗躍勢力が今後、サトシ達にどのような影響を与えるのだろうか…


続く





後書き

次回、サトシ達が洞窟内にてある異変に遭遇します。

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