小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第49話 立ち止まるな、歩き続けろ


━Side アゲハ━

リオン
「アイスメイク“大鷹【イーグル】”!!」

グレイ
「アイスメイク“盾【シールド】”!!」

グレイとリオンの闘いが始まった。手を出すなと言われているのでオレは黙って闘いを見守っている。まぁ“創造【クリーチャーズ】”で人型の禁人種【タヴー】を数体作り出して、ザコ共の制圧に当てているけど。
リオンは鷲の形をした氷を大量に飛ばす。グレイはそれに対し氷の盾を作り出したがリオンの氷は盾にぶつからずに動き回り、グレイに襲いかかった。

グレイ
「ぐはあぁぁ!!」

リオン
「お前は物質の造形が得意だった、“静”のアイスメイク。オレの造形は生物、“動”のアイスメイク。動き回る氷だと忘れたか」

なんとかリオンの攻撃から抜け出したグレイは両手を合わせ次の攻撃に移る。

グレイ
「アイスメイク“大槌兵【ハンマー】”!!!」

リオン
「アイスメイク“大猿【エイプ】”」

グレイの繰り出した氷のハンマーはリオンの大猿型の氷によって防がれた。

リオン
「話にならん。造形魔法に両手を使うのも相変わらずだ」

グレイ
「ウルの教えだろ。片手の造形は不完全でバランスもよくねぇ」

リオン
「オレは特別なんだ。ウルの力もとうの昔に超えてしまった」

グレイ
「うぬぼれんなよ……」

リオン
「その言葉、お前に返そう。一度でもオレに攻撃を当てた事があったかな」

グレイを挑発するリオン。リオンの言葉を聞いてグレイは再び攻撃体制に入る。

グレイ
「あの頃と一緒にするんじゃねぇ!!!“氷欠泉【アイスゲイザー】”!!!」

グレイの氷により辺りは煙に包まれる。煙が晴れ、砕けた氷の中から現れたのは、無傷のリオンだった。

リオン
「一緒だ。オレはお前の兄弟子であり、お前より強かった。オレは片手で造形魔法を使えたが、お前は出来なかった」

リオンが何やら語り出すが、グレイは自分の最大の技が破られたことにショックを受け、動けずにいる。

リオン
「何も変わらん。互いに道は違えど、オレたちの時間はあの頃のまま凍り付いている」

再びリオンが魔法を発動し、グレイに氷の龍が襲いかかった。

グレイ
「ぐぁあぁあっ!!!!」

アゲハ
『グレイっ!!!』

今のは大ダメージだ。重症を負っているはず。もう少しで止めた方がいいな……

リオン
「だから氷を溶かす。塞がれた道を歩き出すために」

グレイ
「がはっ」

空中に打ち上げられたグレイが地面に激突する。

リオン
「ウルはオレの目標だった。ウルを超える事がオレの夢だったんだ。しかしその夢をお前に奪われた。もう二度とウルを超える事が出来ないと思っていた。だが、一つだけ方法があった。
ウルでさえ倒す事が出来なかった、あのデリオラを倒す事が出来たら……オレはウルを超えられる。夢の続きを見られるんだよ」

グレイ
「正気か…!!?そんな事が目的だったのか!!?デリオラの恐ろしさはお前もよく知ってるハズだ!!!」

その言葉にリオンはわずかばかり反応を示した。
そしてグレイはリオンにとっての禁句を口にした。

グレイ
「やめろ…無理だ…!!!」

カッ

グレイ
「うあぁぁぁっ!!!」

リオンは怒りの表情でグレイに容赦ない一撃を浴びせる。

「“やめろ”“無理だ”だと…?あの時オレたちも同じ言葉をお前にかけた。忘れた訳ではあるまいな…
お前がデリオラなんかに挑んだからウルは死んだんだぞ!!!!」

その言葉にグレイは反論出来ず、次々と襲い掛かるリオンの魔法をただ受ける事しか出来なかった。

アゲハ
『そこまでだ』

カァン

オレはマテリアル・ハイでリオンの攻撃からグレイを守った。

グレイ
「アゲ…ハ……?うっ……」

オレの名前を読んだところでグレイは気を失った。もう限界だったのだろう。

リオン
「どうした?手は出さないんじゃなかったのか?」

アゲハ
『もう勝負はついてる。これ以上続けるとグレイの命に関わるからな。止めさせてもらうぞ』

今のグレイは満身創痍だ。これ以上怪我を負うと後々動けなくなる。

リオン
「オレがお前らを逃がすとでも?」

リオンが自信満々で言い放つ。

アゲハ
『………あんま調子に乗んなよ』

ズァアアアアア!!!!

オレはPSIと魔力を最大限まで解放する。

リオン
「くっ!!!」

オレの解放したPSIと魔力によって生まれた衝撃が大地を震わせ、衝撃波を放つ。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


リオン
「な、何だ……この力は……?」

リオンが十分びびったところで力を抑える。

アゲハ
『今ので分かったろ?オレはその気になればいつでもお前をぶっ飛ばせるんだ。それをしなかったのはグレイの成長に必要な試練だったからにすぎない』

リオン
「ぐっ」

アゲハ
『今回はここで退いておく。追おうだなんて思うなよ。お前が無事でいたいんだったらな』

“電磁'n【ショッカー】”ホワイト・ショック!!!

カッ

リオン
「っ!!!」

オレは電磁'n【ショッカー】によって周囲に電磁波を展開させ、 それをフラッシュさせることによって、目眩ましを行った。
リオンの目が眩んでいる隙にグレイを抱えてその場から離脱する。

村に戻る前に治療と説教しておいた方がいいな。そう思ったオレは森の中の岩にグレイをもたらせかけ、CUREによる治療を始めた。


コオオオオ……




グレイ
「━━━━っ…」

アゲハ
『お、目が覚めたか。傷は大丈夫か?』

治療を始めて数分後、グレイが目を覚ました。

グレイ
「アゲハ……オレは…負けたのか?」

アゲハ
『……ああ』

グレイ
「そうか………」

グレイはそのままうなだれる。

≪「よせ!!デリオラになんか勝てる訳ないだろ!!お前じゃ無理だグレイ!!!」≫

グレイ
「……!!」

≪「オレはS級クエストやるんだ!!!」「オメー等の実力じゃ無理だからS級っていうんだよ!!!」≫

グレイ
「…くそっ……ナツの事……言えねえじゃねえか……何も言えねえ………」

S級クエストに勝手に行こうとしたナツと、デリオラに一人で挑もうとした過去の自分を重ねるグレイ。その目から涙が流れているのが見えた。

ピシッ

グレイ
「つっ!?」

オレはグレイの額にデコピンを食らわせた。

アゲハ
『負けたぐらいでぐじぐじすんな。今の闘いをしっかり反省して次に活かせばいいだろ?』

グレイ
「アゲハ………」

アゲハ
『立ち止まるな、歩き続けろ。お前は妖精の尻尾の魔導士だろ?自分の心を強く持て。そうすりゃお前の魔法はきっと応えてくれる』

グレイにオレの言いたいことがちゃんと伝わったかどうかは分からない。だけどグレイの目は先程とは違い、光が戻ってきていた。

アゲハ
『傷も大分治ってきた。立てるか?』

グレイ
「ああ」

グレイは足に力を込め、立ち上がる。

アゲハ
『村へテレポートするぞ。オレに捕まってろ』

グレイ
「分かった」

アゲハ
『うし、行くぞ』

キュン

“瞬間移動者【テレポーター】”を発動し、オレたちは村へテレポートした。本当これ便利。

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