小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第61話 芽生えた気持ち…?


━Side アゲハ━


アゲハ
『……………冷静に考えたらオレやる事なくね?』

意気揚々と先程“参戦だ”と言ってファントムに乗り込んだオレだが、やる事がなくて困っていた。

レナがジュピターを防いだ事により原作と違いエルザが健在だ。ただこのせいで原作が変わるという事もないだろう。となればエレメント4はそれぞれナツたちによって倒されるはすだ。そうなるとオレのやるべき事は何もないのだ、マジで……

アゲハ
『まぁ、レナの事もあるしジョゼを探しておくか。ぶっ潰したいのは変わらねえし』

オレはその場に座り込み、ジョゼの魔力を探る。ゼロギアのリバウンドのせいで力が落ちている今ではサーチのスピードが遅く、ジョゼを見つけるに苦労していた。

アゲハ
『くそっ、中々見付かんねぇなぁ……』

中々ジョゼが見付からずイライラしてきた時だった。


ズドドドドドド

ドゴォン


アゲハ
『この音は…!!ジュピターの破壊、成功したみたいだな、ナツ』

突然聞こえた轟音にナツがジュピターを破壊したのだと理解する。

アゲハ
『あれ?ナツがジュピター破壊した後って何かが起こったような……何だっけ?』

原作を思い出せずに首を傾げていると、すぐにその答えが分かった。


ゴゴゴゴゴゴ……


アゲハ
『ん?何だ……おわっ!!』


ガタッ

ゴゴゴゴゴゴ

ガコォ


突然ギルドが横に傾きだした。とっさにマテリアル・ハイで足場を作り、着地する。

アゲハ
『何だってんだ……』

今もなお騒音は続いている。やがてその音が止まったかと思ったら次はギルド自体が動き出した。

アゲハ
『足音…?……何だっけ、もう少しで思い出せ……あっ!!思い出した!!』

確かギルド自体が巨人になるんだった!!やっと原作を思い出した所でファントムMk?(だったっけ?)が動きを止めた。

アゲハ
『止まった……何かやらかすつもりかコイツ』

止まったMk?を不審に思ったが原作では誰も犠牲になってないのでこれも止められるのだろうと結論付け、ジョゼを探すのを再開した。

アゲハ
『ジョゼ……どこにいやがる…!!』

さっきからサーチを続けているにも関わらず中々見つからない。それほどまでにゼロギアのリバウンドの影響が強いということなのだろう。

時間だけが過ぎていき、しびれを切らし始めた時、3つの魔力を感じた。

アゲハ
『これは…エルフマンにソル、それに……ミラか?』

二つの魔力がぶつかり合い、そのすぐそばに
微弱な魔力が1つ。てかミラの奴ギルドにいるハズじゃなかったのか?って、ああ、そういや原作ではMk?に捕まってたっけ?

アゲハ
『この後の展開は確かエルフマンがトラウマを乗り越えて全身接収【テイクオーバー】でソルに勝つ。その後ミラを救出して終わり……何も問題はないハズだ。なのに何だ?この胸騒ぎは……』

胸騒ぎの正体が分からずにイライラしてきたオレはとりあえずエルフマンたちの元へと向かう事にした。むやみにPSIを使うことができないので走ってだが。

アゲハ
『大丈夫だよな、エルフマン………ミラ』



━Side Out━



━Side ミラ━


ミラ
「エ……エルフマン…………」

ファントムMk?に捕まっている私の目の前で、エルフマンは全身接収【テイクオーバー】を使ってソルを圧倒していた。だけどその姿はまるで……暴走しているかのようで………

そんなエルフマンがソルを攻撃するのをやめて私の方を向いた。

ミラ
「ねぇ…私の声……聞こえてる!?」

ゆっくりと私のもとへ向かおうとするエルフマンに呼び掛ける。

エルフマン
「姉ちゃん…」

ミラ
「!!」

静かに、だけどはっきりとエルフマンは私の名を呼んだ。今回はちゃんと理性を保っている。

エルフマン
「今すぐ助けにいくからそこで待ってて……うぐっ!!」

こちらに向かっていたエルフマンが呻き声と共に膝を付く。それと同時に全身接収の発動も解けた。予想以上にソルから受けたダメージが大きかったようだ。

ミラ
「エルフマン!!!う…く……!!」

動けなくなってしまったエルフマンが心配になって呼び掛けるがファントムMk?の締め付けが強くなってきて意識が朦朧としてきた。

エルフマン
「ぐっ……姉ちゃん!!!くそっ動けよオレの体!!!」

ミラ
「あ……ぐ……」




私……このまま死んじゃうのかな?アゲハに無事に帰ってきて、なんて事言って自分が死んでちゃ世話ないよね。エルフマンともリサーナの分まで生きようって決めたのに。ダメだなぁ私……

あ…もう……意識が………






























アゲハ
『ミラァ━━━━━━━━ッ!!!!』







ミラ
「っ!!アゲハ!!?」

突如聞こえたアゲハの声に飛びかけていた意識が覚醒する。

声のした方向に目を向ければ空中を走ってこちらに向かってくるアゲハの姿。

アゲハ
『ミラを放しやがれこのポンコツロボが!!烈空覇王爪【ベリアルクロー】!!!!』


ドゴォオオオン


ミラ
「きゃあっ!!!」

アゲハの攻撃によって私を拘束していたMk?の腕が破壊され、私は解放された。私の体はそのまま重力に従い、落下する。

アゲハ
『ミラッ!!掴まれ!!!』

ミラ
「アゲハ!!」




がしっ




投げ出された私の体をすかさずアゲハがキャッチし、空中を駆けてエルフマンのいる足場へと移動した。

Mk?の上に降り立ち、アゲハに降ろしてもらった私はアゲハに向き直る。

ミラ
「ありがとうアゲハ、おかげで助かっ……」








ギュッ








ミラ
「え///」

エルフマン
「なっ!!」

アゲハが突然抱きついてきて私は顔が真っ赤になり、エルフマンは目を見開いて驚いていた。

ミラ
「アゲハ////!?い、いきなりどうしたの////!?」

アゲハ
『無事で…………ミラが無事で…本当によかった…!!』

ミラ
「アゲハ……?」

絞り出すように、アゲハが口にした。それはいつものアゲハらしくなくて、とても弱々しかった。




━Side Out━



━Side アゲハ━




今、オレの腕の中には確かにミラがいて……感じる暖かさに、ほっと息を吐く。



今回は、本気で焦った……



オレがエルフマンの元へ辿り着いたとき、原作とは違ってエルフマンはミラを助ける前に倒れていた。動揺するオレの目に入った苦しむミラの姿に頭が真っ白になって、無我夢中で飛び出していた。怖かったんだ……自分の予想外の事が起きて、大切な人を失いそうになって……怖かった。

Mk?からミラを解放して安心したオレは思わずミラを抱き締めた。

アゲハ
『ケガ、ねぇか?』

抱き締めていた体を離し、ケガの有無を問う。

ミラ
「ええ、アゲハのおかげで助かったわ。本当にありがとう」

オレの問いかけにミラが輝くような笑顔で返す。

アゲハ
『っ!!ああ///』

何だ?ミラの顔を見ると妙に胸が苦しくなる。顔も熱っぽいし風邪でもひいたかな……

ミラ
「アゲハ?顔赤いけど……まさか具合悪いの!?」

アゲハ
『へ?いやいや、全然平気!!大丈夫だから!!』

ミラ
「本当に?」

アゲハ
『っ////』

じぃーっとオレの顔を覗き込むミラにまた顔に熱が集まるのを感じた。だからなんなんだよこの症状は!!

アゲハ
『ほ、本当だって!!心配すんな、全然元気だから!!』

そう言うとミラは納得はしてないようだけど引き下がった。ふぅ、具合悪いと思われたら無理にでもギルドに戻らされるからな。そんなことを考えているとミラがなにかに気づいたように口を開いた。

ミラ
「ねぇ、二人とも見て」

アゲハ
『どうした?』

エルフマン
「何かあったのか姉ちゃん?」

ミラはMk?の描く魔法陣を指差し、言った。

ミラ
「魔法陣を書く速度が………遅くなってるわ」

エルフマン
「ええ!?」

ミラ
「なぜかしら」

そう呟いて何やら考え出すミラ。

アゲハ
『なあ、この魔法って四元素の禁忌魔法だったよな?』

時間短縮のためにミラにヒントを与える。てかオレが言っても変わらねえか?

ミラ
「ええ、そうよ。………待って、四元素…?もしかして!!」

アゲハ
『ああ、今残ってるエレメント4はあと二人』

ミラ
「ソルがエルフマンにやられて巨人の動きが遅くなってるわ」

エルフマン
「何だって!!?」

アゲハ
『つまりMk?の動力は4つの元素。エレメント4を全員倒せばこの魔法は阻止できる!!』

ミラ
「そうと決まれば急がなきゃ!!奴等はこの巨人のなかにいるハズよ!!!」

アゲハ
『うしっ、二手に別れるぞ。オレは一人で探しにいく』

エルフマン
「分かった」

ミラ
「気をつけて」

アゲハ
『じゃあまた後でな!!ライズ!!』

オレは単独で、ミラとエルフマンは二人でMk?の中の敵を探すことになった。オレはライズを発動し、駆け出した。

-62-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




アニメ「FAIRY TAIL」オープニング&エンディングテーマソングスVol.2 【初回限定盤(CD+DVD)】
新品 \3288
中古 \2578
(参考価格:\3800)