小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第66話 フッ、この時を待っていた


そのまましばらくミラと抱き合っていると………


グレイ
「ひゅー、お熱いねぇ」

エルフマン
「漢として複雑だがアゲハならよし!」

アゲハ&ミラ
『「なっ////」』

グレイとエルフマンの冷やかしに一気に顔が熱くなる。

アゲハ
『なななな…何言ってんだ!!こ、これはだなぁ…!!』

ミラ
「そ、そうよ!!何言ってるのよ二人とも!!」

恥ずかしくなって必死に二人で否定した。二人して真っ赤で茹で蛸みたいになっている。

グレイ
「まっ、二人がそう言うなら?」

エルフマン
「そういう事にしておくか」

そう言ってオレたちの否定の言葉をさらりと受け流す二人。

ミラ
「もう!!二人ともからかうのはやめて!!」

アゲハ
『そうだそうだ!!それにグレイだっていつの間にかジュビアとでぇきてぇるじゃねえか!!胸まで触ってたし』

ミラ
「そうなの!?ならグレイだって人の事言えないじゃない!!」

グレイ
「それは誤解だ!!あと巻き舌風に言うなアゲハ!!ってちょっと待て……お前あいつの事知ってんのか?アゲハの前で名前言ってなかった気がするが……」

アゲハ
『ああ、友達だけど。一年ぐらい前からの』

さらっと口にすればグレイの表情が怒りに染まっていく。

グレイ
「なんでそれを先に言わねえんだ!!早くそう言やあもっと楽にすんだかもしんねえのに!!」

アゲハ
『だって言ったらお前戦い辛いだろ?』

グレイ
「うぐっ、確かにそうだが……ってかそれならお前が相手すればよかったじゃねえか」

アゲハ
『何言ってんだ。オレはジュビアの恋を応援してやったにすぎないのだよ』

グレイ
「だからそれは誤解だって言ってるだろ!!」

アゲハ
『まぁ、そんなことより』

グレイ
「って無視すんな!!」

グレイが声を上げるがンなもん知るか。無視無視。

アゲハ
『さっきから気になったんだけどエルザの奴どこに行ったんだ?』

一緒に避難したはずのエルザがいないことに疑問を持ち、訊ねる。

グレイ
「ん?ああ、エルザなら魔力切れで休んでる。それでオレたちだけ先に来たんだ」

アゲハ
『そうか、じゃあ誰か呼びに行ってやってくんねえか?エルザ、動けねえんだろ?オレは今日はもうこれ以上動けそうにないから』

オレがそう提案するとグレイが何やら面白いことを思い付いたような表情を浮かべた。一体何だ?

グレイ
「分かった、じゃあオレとエルフマンで行ってくる」

アゲハ
『は?一人で十分だろ。何でわざわざ二人で……』

グレイ
「いいんだよ、これで。じゃあ行ってくるぜ」

エルフマン
「頑張れよ、姉ちゃん!!」

そして二人はそのままエルザを迎えに行ってしまった。

アゲハ
『ったく、何なんだあの二人は?意味わからん』

ミラ
「そ、そうね」

アゲハ
『…………………………………』

ミラ
「…………………………………」




気まずい!!

何なんだこの状況!!なんかさっき抱き合ったのをグレイたちにからかわれたせいか、まともにミラの顔見れなくなっちまった!!

ミラもなんか気まずそうにしてるし、どうすりゃいいんだ!?

あぁーもうなんでもいいや!!とりあえず話しかけよう。

アゲハ
『あ、あのさミラ……』

ミラ
「な、何?」

アゲハ
『あー、その……ケガ…大丈夫か?痛いならすぐ治療するけど』

ミラが少なからずケガしていたみたいなのでとりあえず治療しようかと持ちかける。

ミラ
「何言ってるの!!そんなボロボロなのに人の治療なんてできるわけないでしょ!!大人しくしてなさい!!」

アゲハ
『は、はい……』


なんか怒られてしまった。やべ、話すこと間違えたかな?なんか他の話題探さねーと!!他の話題…他の…他………

アゲハ
『あのさ……嫌じゃなかった?』

ミラ
「何が?」

アゲハ
『その……オレとの事でグレイたちにからかわれたりするの。オレは別にいいっつーかむしろ嬉しゲフンゲフン……と、とにかく…ミラが嫌がってるなら謝っとかねえとって思って』

ミラ
「そんな事ないわ」

アゲハ
『ミラ?』

ミラ
「嫌がってるなんて、そんな事ありえないわよ。私も恥ずかしかっただけで……////」

アゲハ
『そ、そっか。ならいいんだ、変なこと聞いて悪かったな』

ミラ
「ううん、気にしないで」

そこまで言うと、また沈黙が訪れた。でもさっきの気まずさは感じない、心地のいいものだった。

その時、背後から風を感じた。






スウウゥゥ……


アリア
(スキだらけ!!暴王の首はもらった!!!)















アゲハ
『フッ、この時を待っていた』

ミラ
「アゲハ!?」

オレはニヤリと口端を上げ、振り返る。後のミラの証言によると悪魔のような笑みだったらしい。仕方あるまい、これから使うのは某悪魔系子育て不良マンガの主人公の技なのだから。

アリア
「なっ!!私に気付いて…!!」

アゲハ
『フハハハハハハハ!!!くらえアリア!!!超(スーパー)滅り込みパァ━━━━━ンチ!!!!』


ドゴォ!!!!


アリア
「あぐぁ!!!!」

ぶっ飛ばされたアリアはギルドの壁に綺麗に滅り込んだ。

ミラ
「今のって……エレメント4のアリア?」

滅り込んだアリアを見ながらミラが問いかけてきた。

アゲハ
『おう、ジイさんの治療めちゃくちゃ大変だったからな。オレに襲いかかってきたところを憂さ晴らしにぶっ飛ばしてやった。ジイさんをやったのあいつだし』

原作ではジョゼを倒したジイさんに襲いかかってきたからな。オレにも襲ってくることは分かってたし、1発殴れてよかったー。


ガクッ


アゲハ
『お?』

やべ、結構力いれて殴ったからな……もうそろそろヤバイかも……

アゲハ
『わるいミラ、ちょっと眠らせてもらうわ。もう限界』

ミラのとなりに座り込んで眠る体勢に入る。

ミラ
「構わないわよ。ゆっくり休んで」

アゲハ
『ああ、おやすみ』

意識を手放す直前、頭に柔らかい感触を感じたけど、それが何だったのかは分からなかった。



━Side Out━



━side ミラ━



私の膝で眠るアゲハは気持ち良さそうに寝息をたてている。

ミラ
「本当、無茶ばっかりして……心配ばかりかけるんだから」

頭を撫でながら、また心の中でお礼を言う。

ミラ
「さっきの……どういう意味なのかな…?」


━━あのさ……嫌じゃなかった?

その……オレとの事でグレイたちにからかわれたりするの

オレは別にいいっつーかむしろ嬉しゲフンゲフン……━━━


ミラ
「期待しても……いいのかな…?」


アゲハも私の事……好きだって。


ミラ
「アゲハ……」

アゲハの頭を撫でながらエルフマンたちが戻ってくるのを待っていると……

グレイ
「アゲハー!!ミラちゃーん!!」

グレイが私たちを呼びに戻ってきた。エルザとエルフマンも一緒だ。

ミラ
「こっちよ」

三人を自分たちのいるところへ呼ぶ。

エルザ
「アゲハは寝ているのか?」

私の膝を枕にして眠るアゲハを見てエルザが言った。

ミラ
「ええ、誰かアゲハをおぶってくれるかしら」

エルフマン
「ならオレが運ぶ。オレはそんなにケガしてねえしな」

ミラ
「うん、お願い。さぁ、帰りましょうか。私たちのギルドへ」

グレイ
「ああ」

エルフマン
「おう!」

エルザ
「そうだな」

エルフマンがアゲハを背負い、出口へ向かって歩き出す。


グレイ
「━━で?何か進展はあったのか?」

ミラ
「ふぇ!?」

通路を歩いていると、ふいにグレイが話しかけてきた。エルザとエルフマンは先を歩いている。

グレイ
「アゲハと何か話せたのか?」

ミラ
「……ちょっとね」

グレイ
「そうか……がんばりな、アゲハの奴めちゃくちゃ鈍感だからな」

ミラ
「うん、分かってる」

それでも、いつかは自分の気持ちをちゃんと伝えよう。アゲハには、はっきり言わないと伝わらないだろうからね。

私の顔を見てグレイは心配ないと判断したのか、私の背中を ぽんと叩いてそのままエルザたちの方に歩いていった。

とりあえず、アゲハが起きたら看病してあげようかな。今回の事で無茶して、しばらく満足に動けないだろうから。


━Side Out━




アゲハ
『ん……』

ルーシィの泣く声が聞こえる。重い瞼を開けて状況を確認すれば原作通り、みんないい顔をしている。無事に全部……解決したんだな。ジイさんが泣いてる理由はわかんねえけど。

何はともあれ、これなら安心して寝ていられるな。みんな、ルーンナイトからの事情聴取、頑張ってくれ。オレは……寝る。



それから3日3晩、オレはずっと眠っていた…………らしい

-67-
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