小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第8話 約束だ


アゲハ
『雨の止まない村……か…』

依頼板の前でどのクエストに行こうか迷っていると、面白そうなクエストを見つけた。依頼内容は雨のやまない村に青空を見せてほしい、との事だった

アゲハ
『報酬もいいし、行ってみるかな』

オレはジイさんに依頼書を渡し、早速その雨の止まない村に向かった。



ザァアアアアアア……

アゲハ
『ここか、ほんとにずっと雨が降ってるみたいだな』

そこら中がぬかるんでいて、畑も機能していない。しかもあまり外を歩きたくないほどの豪雨だ。いつもこんなに降ってんのか?

アゲハ
『たしか依頼主はこの村の村長だったよな』

近くを歩いていた人に村長の家を教えてもらい、オレは村長の家を訪ねた。

アゲハ
『魔導士ギルド 妖精の尻尾の者だ。依頼を見てきたんだけど』

ドアの前で少し待つと玄関の扉が開いた。

村長
「おお、来てくれましたか。ささ、中に入ってください」

アゲハ
『お邪魔しますっと』

村長に居間へと案内され事情を聞くことになった。

村長
「私たちの村は元々太陽が降り注ぐ暖かい町でした」

アゲハ
『え?昔からずっと降ってるんじゃないの?』

村長
「ええ、この雨は七年前、村にある集団が来たときから降り始めました」

村長が言うには、その集団はある目的のためにこの村で雨を降らせているという。

村長
「初めはずっと雨が降っていると言っても小雨の時もあれば、まれにですが晴れる日もあったのです。
しかし、五年前やつらがある女を雇ったときから状況が変化しました」

アゲハ
『ある女?』

村長
「ええ、その女が村に住み始めてから雨がいっそう強く降るようになりました。
なんとか続けていられた農産業もそのせいで続けられなくなってしまった」

雨がいっそう強く………雨女?ってもしかして!!

アゲハ
『あの、その女って青い髪の女か?』

恐る恐る聞いてみる。

村長
「その通りです!!知っておられるのですか!?」

はい決定━━━━!!
ジュビアだよ、間違いなく。そういえばここってファントムのギルドに近かったな
ここに住んでたのかよ。どうすっかな、やっぱりジュビアには会わずに雨を止めるしかねぇか。

アゲハ
『と、とりあえずその女の話は置いといて。要はオレがその雨を降らしている集団をぶっ潰せばいいんだろ?』

村長
「はい、その集団がいなくなれば雨も止み、雨女も出ていくでしょう。
甲斐ない、我らも何度か戦いに行ったのですが、力及ばず負けてしまいました。お願いです!!どうか奴等を!!」

村長が肩を震わせながら頼み込んでいる。

アゲハ
『わかった。その集団の居場所は?』

村長
「この村の外れにある丘の上に奴等のアジトがあります」

アゲハ
『分かった、すぐに行く』

村長
「お気を付けて」

村長に見送られ、オレはアジトに向かう。

アゲハ
『ん?何やってんだあいつ?』

アジトへ向かう道のと中で小さな子供が何かに向かって石を投げているのを見つけた。

アゲハ
『おい、何やってんだ?』

少年はビクリと肩を震わせて驚いたが、すぐにオレに向き直ると

少年
「悪魔退治してんだよ、邪魔だからあっち行け!!」

と叫んだ。

アゲハ
『悪魔退治?』

オレが少年が石を投げていた方を見るとそこにいたのはカエルだった。あれ?確かにたような光景をどこかで見たような気が……ああ、思い出した!!RAVEでも似たような設定の村があったっけ。

オレが物思いに耽っている間も少年が再びカエルに石を投げ始めたので慌てて止める。

アゲハ
『おい!!やめろ!』

少年
「止めんなよ!!あいつが雨を降らしてんだ。あいつを殺せば、きっと……」

ガシッ

何を言っても石を投げるのをやめない少年の手を取って石を投げるのを止める。

アゲハ
『やめろって言ってんだろ。お前だって本当はわかってるはずだ。カエルが雨を降らしている訳じゃないことぐらい』

少年
「う、うるせぇ!!何も知らないくせに!」

アゲハ
『ああ、知らねぇな。でもお前は知っているだろ。この雨を降らしているのが誰なのか。自分に嘘をついて…弱い者を虐めて…何かが解決するのか!?何も変わんねぇだろっ!!!』

オレの言葉と共に少年はうつむく。

少年
「う…うぐ…本当は知ってるよ。丘の上の奴等が雨を降らしていることぐらい。でも……オレなんかがあいつ等に勝てるわけないじゃんか……」

少年は泣きながら自分の本心を話してくれた。

こんな小さな子供がここまで頑張って自分の本音を話したんだ。
オレがその思いに答えてやらなきゃな。

アゲハ
『よく自分の本心を聞かせてくれたな。安心しろよ、オレがお前に青空を見せてやる。約束だ。だからおまえもカエルいじめんなよ』

少年
「…うん………分かった」

少年は静かにしかし決意のこもった声で返事をした。

『それじゃあ、サクッとぶっ潰してきますか』

オレはアジトに向かって駆け出した。

首を洗って待ってやがれ。
すぐにテメエらをぶっとばしてやる!!

-9-
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