小説『テンプレなオリ主モノ』
作者:アゲハ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「時間よ、止まれ」

  迫り来る千をも超える黒い杭。それを干将莫耶で弾きながら、決定打を模索する。さぁ、目の前の敵を倒そう。
―演算を開始。
―最適能力を算出。
―展開。プログラム構築、開始。
―エラー。展開に誤差を確認。
―誤差を修正。結果、0.5秒間の時間停止を発動。
―エラー。エラー。エラー。時間停止、発動不可。
―プログラムの組み換え式を短縮。
―エラー。生命に危険有り。
―0.5秒間の時間停止を発動。
 危険信号を無視し、発動。
「プログラム、『Nemesis』発動」
 0.5秒間の時間停止。なに、それだけあれば式を構築できる。
 ―――刹那、全ての動きが止まる。
 時間停止。それも世界規模だ。流石、PSI最強・・・。
 式を構築、改竄。
「千の雷・改」
 瞬間、黒い杭が全て雷に飲まれ、消滅する。そして、
「痛ッ」
 Nemesisの反動が押し寄せる。PSIを使うのはまだ慣れていない。その反動がデカ過ぎる。
―脳の再生を開始。
―再生、完了。
―投影、破棄。
―投影、開始。
 干将莫耶を破棄し、新たな武器を投影する。それはあの吸血鬼が愛用した、拳銃達。
 右手には黒鉄の銃を、左手には白銀の銃を投影。白銀のの拳銃を発砲。しかし防がれる。続いて、黒鉄の銃をが火を噴く。瞬間、銃声が響き、奴の体を吹き飛ばす。
「な、にッ?」
「純銀マケドウニウム加工水銀弾頭弾殻、マーベルス化学薬筒NNA9、全長39cm、重量16?。13mm炸裂徹甲弾、「ジャッカル」、完璧だ、ウォルター」
 法儀式済み炸裂徹甲弾だ。魔法での防御は軽減しかできないみたいだな・・・?
 立ち上がった瞬間、奴の背後から強大な石柱が出現し始める。
「冥府の石柱!!」
―結界、展開。
「これで好きに暴れられるぞ?」
―石柱の破壊手段を演算。
―テレキネシスによる、破壊を実行。
―プログラムを構築。
―脳負荷の増大を確認。
―自己再生を全開。
―拘束術式『クロムウェル・改』の封印を第五号まで解放。
―脳負荷の軽減を確認。
―自己再生を中断。
さぁ、愉快なオブジェにしてやるよ!!
「何故、それだけの力を持ちながら、世界を救おうと思わない!!」
「あぁ?世界を救うなんて大層な理想を抱いてんじゃねよ。
 世界を救うなんて不可能だ。そんな理想に溺れてんじゃねぇよ」
 そうだ、世界を救うなんて不可能だ。それこそ、人間という種族を根絶やしにするしかない。
「理想を抱いてしか生きれない人間なんて、生きている価値がないんだ!!
 例えそれが、人形のお前だろうと、それは変わらねぇよ。理想に溺れてる人間が、解ったような事、いってんじゃねぇよ!!」
 すかさず、乱射。
「理想かもしれない。しかし、僕にはもう、これしかないんだ!!貴方こそ、知ったような事を言わないでくれ!!」
 石柱が落ちる。それを躱し、引き金を引く。
「ハッ、理想にしか生きれねぇなんて、決めつけてんじゃねぇ。それだからてめぇは人形なんだよ!!理想が全てだ?笑わせんな!見えてぇじゃねぇ、見ようともしてねぇてめぇが、理想以外の何が見える!!」
「煩い!!」
 銃は対して効かないな・・・。
―投影、破棄。
「投影開始!!」
 皮肉にも俺が使う双剣は、理想に殉じた男が愛用したものだ。それを使う俺が、理想を否定しているとは、皮肉以外の何物でもない。
 そして、石柱の上での格闘戦。なにこれ、カッコイイ・・・。
「いい加減、目ェ覚ませ、バカ野郎が!!」
 双剣を振るう。俺のにはそれしか出来ない。結局、何処まで行っても、力でしか物事を解決できない自分が赦せない。
「くだらない理想も、実らない幻想も捨てて、自分の為に生きてみやがれ!!」
―魔力反応、察知。
 またあの黒い杭かよ!!面倒臭い!!

 瞬間、時間を止めた。
 衛宮四季の内部を総加速させ、刹那を永遠に偽装する。

「投影開始」
 さぁ、勝利を掴み取ろう。
「I am the bone of my sword」
 そうだ。体は剣で出来ている。これしき、剣の体は耐え切れるさ。
「熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」
 剣の体は誰が為に。
 硝子の心は自分の為に。そんなどうしようもない俺が、化物である俺に残された、唯一の矜持。誰かの為に、この身を使う。自分の為に、心を硝子に・・・。
 ―――例えそれが、敵である彼であっても・・・。
「固有時制御、二十倍速」
 人間の限界。否、既に崩壊の領域。英雄である『紅き翼』達でさえ、耐えられない魔術行使。だがこれで、
「お前を、止めるよ。殺してでも・・・」
 それが、理想に殉じた俺の、償い。理想に溺れた俺の救済。過去を見すぎた、俺の間違い。俺が行った、罪のカタチ。

―――それは。誰も救えず、本当に救いたい人すら、救えなかった、俺自身。

 俺の様に成るな。これは成れ果だ。これは最果てだ。極地だ。弱すぎた俺は、勘違いし誤解し曲解し、理解しなかった。強さとは暴力だと思った。心だとは想わなかった。傍にあった大切なモノすら守護できず、取り零し、自ら否定した。そんな弱い化物に成るな。貴様は人形だ。だが、人間に成れる。化物に成ってはいけない。まだ、間に合う。

―――手遅れな俺とは、違う。

「てめぇは、俺とは違うじぇねぇか!!なのにどうして!?どうして、そんなに悲しい生き方しか出来んのだよ!!」
右の干将を振るう。
「煩い!!貴方こそ!!どうして、どうして理解できない!!」
「都合の良い理想しか見てんじゃねぇよ!!そんくだらねぇ、妄想でしかねぇ理想を抱いてしか生きられないのであれば!!抱いたまま溺死しろ!!」
 渾身の一撃。
 しかし、寸で止める。

「このか?」

―――見えてしまった。彼女が追い詰められるのを・・・。

「刹那?」

―――見えてしまった。彼女が撃たれる映像を・・・。

―結界を解除。
―エラー。解除不可。
―『魔法の帽子』による脱出。
―エラー。結界からの空間操作は不可能と断定。
 やばい、やばい!!
―結界を脱出。
 落下する、刹那とこのか。
 拙い。拙い。拙い。
―空間座標の設定。
―拒否、落下との誤差範囲大。
―結論、身体強化での移動が最速。
―演算、完了。疾走が最善。
「身体強化、『加速する旋律』!!」
―固有時制御を三十倍速までの引き上げ可能。
―固有時制御、三十倍速。
―最速化、完了。
 加速、加速、加速、加速加速加速加速加速加速加速!!!!!
「間に合えェェェェェェェェェエエエエエエ!!!」
―空間解析、開始。
―敵、後方より攻撃を開始。
―結界脱出まで、距離25。
あと、一歩。
―敵、砂による広範囲攻撃を開始。
―迎撃、不可。
―否。迎撃可能。しかし、結界内。

―選択。結界の脱出。

「このか!!刹那!!」
間に合え!!
―距離、100。
―敵、後方にて沈黙。
―成功確率、演算。
―80%の確率で救助成功。
―空間解析による事象予測。
―結果、後0.45秒。
―距離、50。

―――さぁ、今こそ護ろう。

「プログラム、『Nemesis』発動」

―強制発動。
―エラー。体内組織の崩壊を確認。
―エラー。再生不可能と判断。
―エラー。時間設定不可。
―エラー。時間停止可能領域を上回り、危険域に侵入。
―エラー。生命時間の激減を確認。
―エラー。『クロムウェル・改』を四号まで開放を受諾。
―エラー。解放不可。

 知るか!!手を伸ばせば届くんだ!!剣の体は進むだけだ!!

 手を伸ばし、彼女達を掴み、抱き寄せる。
「え?せんせ、」
「ふぅ。流石俺・・・」
 水の上に立ちながら、彼女達の無事に、安堵する。
―敵、反応消失。
―空間索敵、空間解析を同時開始。
―『クロムウェル・改』、百八重封印を開始。
―封印、完了。
「先生、敵は・・・」
「引いたみたいだな・・・。ネギ、カモ、お前達と合流する」
(ハイ!)
「先生、お嬢様。今からお嬢様の実家に参りましょう。それと・・・」
「ん?なんだ?」
「あ、有難う御座います、先生」
 ・・・・本当に、可愛い奴だな。
「応。どういたしまして」
「では、行きましょう」





 体中に激痛が走る。
―再生、開始。
「ガハッ、ゲホ、ゲホ、」
 口から出た、赤い液体。
 無理もない。
―原因、判明。
―世界の修正と断定。
―再生、完了。
 世界による修正、かぁ・・・。この世界が俺の使う魔術に対応してきたのか?
―寿命、激減を確認。
 固有時制御+Nemesis、だもんな・・・。世界中の時間を受け止めたようなもんだ。プログラムを一々弄ってたら、それこそ何年も掛かるしな・・・。プログラムをちゃんとしなきゃ、俺の寿命も持ってかれちまう。
―確定事項。余命3年。
 余り、ホイホイ使えねーな、こりゃ・・・。
「だが、俺が死んでも、彼女達が無事なら・・・」
 今更さ。俺の命など、考えても意味がない。命は消費する為にあるんだ。有意義に消費しよう。

 ―――もっと、もっと強く。

 次は、仕留めるさ。必ず。



¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
  ここまで読んでいただき、誠に感謝します。作者のアゲハでございます。ここでいきなり愚痴を・・・・
 シリアスしかない・・・。
 いや、自分にギャグセンスはないんですが、シリアスが多すぎるような・・・・。
 厨二作者ですいません!!
 願わくば、次回にギャグが多いことを・・・。
 それでは皆さん有難う御座いました。

-13-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ネギま!? DVD1 スペシャル版
新品 \666
中古 \1
(参考価格:\7350)