小説『テンプレなオリ主モノ』
作者:アゲハ()

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「弱さ」

 ネギが正式に担任になった。
え?時間飛ばし過ぎだって?でも、俺自身は授業中寝てるし。働いたのはネギが図書館島行ってる時だけだお。
そして今!!
「なんで見合い相手が木乃香なんだよ・・・」
そう、学園長の卑劣な脅し(見合いしないなら減給)により、木乃香と見合いなう。

「えっエミやん。うっうち変かな!?」
おうおう、テンパってんねぇ。
「いや、綺麗だよ」
とりあえず褒めとくか。まぁ綺麗なのは事実だし。
「えっ!?ホンマに!?」
オーバーリアクション!木乃香、落ち着けよ。
「あぁ。嘘なんて付かねーよ」
「あっありがとーな!!」
そんなに喜んでくれたなら褒めたかいがあったな。
「「・・・・・・・・」」
しかし、会話が続かんねぇ。待てよ?でも木乃香って見合いとか嫌いじゃなかったけ?じゃあなんで見合いしてんだ?まさか、俺に惚れたのか!?いや、ないわ。これはないわ。自意識過剰乙。勘違い乙。
 じゃあなんで?
「木乃香はなんで、見合いをしに来たんだ?中学生にはまだ早いと思うが・・・」
「エミやんこそなんでなん?」
「ん?俺は減給されたかねーなら見合いに行けだとさ。まさか、相手が木乃香だと思わなかったが・・・」
そうだよ。なんで生徒と見合いしないといけないんだよ・・・。
「そーか。おじーちゃんがめーわくかけてごめんな」
「ホントだよ。あの糞ジジイ、一回死にてぇのか?」
それに、彼女と俺は似合わない。化物である俺と、人間である彼女が?とんだ御伽噺もあるもんだな。化物はいつか、人間に殺されるべきだ。刹那は自分のことを化物と言ってるが、違う。彼女は人間だ。本当の化物は、俺みたいな奴を言う。望んで人の身から外れた、外道。誰かの為になりたいと叫び続けても、結局俺に出来ることは、殺す、壊す、潰す、そんなことだけだ。優しい彼女が、俺と一緒にいる必要はない、理由はない、道理はない。でも、縁を切りたくても、俺は切れない。弱くて、脆くて、薄い俺は、人間でいれなかった俺は。アーカードの気持ちが少しだけ、わかるよ。やっぱり、俺は彼女の傍に居ていい筈がない。ただ、護りたい。この命に変えても、彼女は、彼女達を護ってみせる。人間でいれなかった俺が、薄くて弱くて脆い俺が、願えるのはこれだけだ。
「少し、外にでも行くか?」
「うん!」
あぁ、眩しい。俺とは、違う。決定的に、断定的に、違い過ぎる。



「やっぱ麻帆良は大きな・・・」
「そうやね」
うん。会話が続かん。やはり乗り気じゃないんだろうな。きっと相手が俺だとわかったから暇潰し程度で来たんだろ。
んあ?あれ、ネギじゃね?あいつ、なに堂々と飛んでんだよ・・・。説教タイムか?
ネギが降りたところで後ろから声を掛けてみる。
「おい」
「うひぃっ!?あっあれは最近流行りのCGでーす!!」
おう?これは面白い動揺ぶりだ。くくっ、このままからかって遊ぶか?
「ウチらやで、ネギ君」
「え?あっ!木乃香さんと衛宮さん!!」
「よう、坊主」(後で、説教な。声に出すなよ。)
念話でそう伝える。((((;゚Д゚))))ガクブル・・・・ネギめそんなに怖いか?俺は・・・?
「ネギ君、どないしたん?」
「さぁ、怖いものでも見たんじゃね?」
くくっ、コイツは面白い。

「さて、なんでお前はここにいるんだ?」
「えっと、クラスの皆さんに追いかけられまして・・・」
「ふむ、鬼ごっこか?まぁまだ子供だからな」
「違います!!追いかけられてるんです。なんだか勘違いされたみたいで・・・」
「なにを勘違いされたんだ?」
「え〜と・・・」
ネギよ、お前は薄幸持ちだったのか・・・。可哀想に。

「と言う訳なんですよ」
「なるほどな、しかしながら、お前、幸薄いな」
「酷いですよ!?」
「エミやん、いくらなんでも酷過ぎへん?」
「くっ、それは済まないな。少年」
「そういえば、木乃香さんと衛宮さんは?」
「うん?俺たちはデートしてる」
「「ぶはっっ!?」」
二人共吹きやがった・・・。
「冗談だ。彼女はお見合いで、その相手が俺だったに過ぎないよ」
「道理で今日は木乃香さんは朝、ソワソワしていたんですね」
へぇ、ソワソワしてたんだ。
「ねっネギ君!?なっ何ゆーてんの!?」
うわ、慌てているな。落ち着きなよ。
「まぁいい。それでこんなとこで油売ってていいのかい?」
「えぇ!?そうでした!!では、僕は行きます」
ん、何かいるな・・・
「木乃香、ネギを逃がしてやってくれ。近くに誰かいる」
「「えぇ!?」」
「さっさと行きな。珍しくめんどいこと引き受けてやるんだから・・・」
 
よし、行ったか・・・
「出てこいよ、超」
「アハ、バレてたカ」
「当たり前だ。俺を誰だと思ってやがる」
こいつが俺に用となると、学園祭の時のことか・・・
「で、何の用だ?」
そう言って、右手に銀色のCADを出し、構える。守るべきものに、向けて・・・
「おっと、怖いヨ先生。話をしに来ただけネ」
そう来るか・・・
「だから、その銃らしき物を降ろして欲しいネ」
「くくっ、いいだろう」
CADを降ろし、結界を張る。
「これは、結界カ?」
「そうだ。二人っきりの個人授業だ」
さぁ、腹の探り合いだ。


「単刀直入に言うヨ。取引がしたいネ」
「内容は?」
「魔法の世界的公開だヨ」
「理由は?」
「魔法使いが表に出ることで、救われぬ者達に救いの手を差し伸べるためネ・・・」
「理想論だ」
「私なら、いや、私達なら実現できるヨ」
「対価は?」
「一生困らない位の金、ではダメかナ」
ふむ、中々悪くない条件だ。しかし・・・
「却下だ」
「何故?」
「割に合わないな」
「なら、どれくらいなら割に合うのネ?」
そうだな・・・
「理由を聞くよ。お前がそれを望む」
「、!?理由さえ言えば仲間になってくれるかナ?」
「気に入る答えならば」
さぁどう出る?
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
沈黙が続く。さぁ、どうする?
 
「私は、」
沈黙を破ったのは、超だ。
「私は未来から来たネ。過去を変えるためにニ・・。詳しくは言えないが、世界的大災害によって、未来の世界は大惨事ヨ。それを変えるには、これが一番いい方法ネ」
「なるほどね」
「だから、あなたにも手伝って欲しいネ」
やはりか・・・でも、手伝うわけにはいかない。歴史をこれ以上ずらさない為に。
「お前は、弱いな」
そう、過去を変えようとする、この行為は、心の弱い者がする行いだ。俺はそう思っている。
「!?弱くて、弱くて何が悪い!!私は、私は助けられなかった人を、救いたかった人達を救いたくて、何が悪いネ!?」
だが、
「いや。なんも悪くない。むしろ誇りに思え。それは強さでもある。弱者しか持たない、強さだ。
強者は、強い人は起きたことを戻そうとしない。例え戻したくても、それまで感じたことや思ったことなど、沢山のモノが嘘になるからだ。それは裏切りだと、過去全てに対する裏切りだと言って。自らを断じ、それでもなお進む。
だが、お前や俺の様な弱者は、それが出来ない。間違っていても、嘘になっても、裏切りであっても、戻そうとする。振り返り、歩いてきた道を戻ろうとするんだ。
だが、それは決して、間違えなんかじゃない。裏切りだろうと、嘘になろうと、元に戻す為に動くのは、きっと間違いなんかじゃない。俺はそう思うよ。
だから、俺はお前を称えよう。強き弱者よ。胸を張って誇りに思え」
弱者が、心の弱い者が、嘘だろうと、裏切りだろうと、自分の為に動くことは間違いなんかじゃない。絶対、これ自体は否定してはいけないと、少なくとも俺はそう思う。
「なら・・・!」
「だが、断る!!」
この台詞、一回言ってみたかったんだ。その瞬間、鷹の目が俺を射抜く・・・。
「!?何故ダ!?」
「答えはこうだ!アブラ・ガダブラ!!」
呪文を唱え、分身する。否、した。
銃弾に撃たれたことによって、三体に分身。
「!?」
「真名。狙撃手として実力不足だ。対象に気付かれてはいけないよ?」
気付いていたさ。この結界内には、超以外にも人がいると。
「これだからさ」
分身二体は、魔法の帽子で彼女達の元へ向かわせた。


分身その一・・・
「手を挙げな。真名、この距離だと君の負けだ」
「衛宮先生。私に苦手な距離などない!!」
真名は素早く拳銃を構えるが・・・
「遅いよ、真名」
それよりも速くCADを構え、引き金を引く。
瞬間、真名の拳銃二つが消える・・・。
「なっ!?」
「死にたくないなら、これ以上は何もするな」
殺気を出しつつ、警告する。
「俺に、お前を殺させないでくれ」
真名は両手を上げ、降参する。
「一緒に来てくれるな」
 
分身その二・・・
「ハカセ、抵抗はしないな?」
「ハイ」
「覗き見はいけないな」
CADを出し、引き金を引く。それだけで、大量の小型カメラが消える。
「処理、完了。来てもらうよ」
 

「超、楽しい話だった。だが、大人を舐めちゃいけないよ?」
「あなたは、大人なのカ?」
「違うね」
しかし、ホントに射ってくるとはね?しかも、実弾・・・真名、恐ろしい子!!
「今回の教訓は、人は見かけによらないってことだな」
「しかし、先生。どうやって気付いたんだ?」
「この結界を張ったのは誰だ?」
それだけだ。実際彼女達が何もしないなら放置予定だったし。
「さぁ、もう帰っていいか?」
「待て!」
またか・・・。
そう思った瞬間、黒色のCADを出す。そして引き金を引く。
たったこれだけで、真名が放った銃弾が弾かれる。
「「「なっ!?」」」
多重障壁魔法「ファランクス」。
防御においては複数の性質をもつ複数の防壁を同時展開。
攻撃においては単一の性質をもつ多数の障壁を連続射出。
「餓鬼共、わかっちゃいねぇな。実力での強さなら、圧倒的に俺が上だ。今、俺が真名に対してどんな魔法を使った?それすらもわからんなら、お前らは俺に楯突かん方がいいよ」
これは忠告だ、と俺は言う。
「先生、なんで世界を救おうとしない!!それだけの力があるのに!!」
「そんな方法じゃ世界は救えないよ。第一に世界を救うなんてのは理想論だ。それどころか人すら救えないよ。真に人を救うことなんて出来る訳がない。それは勝手に助かっただけだ」
「理想論でも、やるだけやってみないと!!」
「そんな理想しか抱いて生きれないなら、理想を抱いて溺死しろ」
残酷にも、この台詞を使った奴が抱いた理想と似ている。でも、
「理想を他人に押し付けんな。それに超は今、此処に居る。だったらお前はお前で幸せになりな」
帰ろうか。でもそん前に、
「見ていたな・・・」
「あぁ」
どうやらエヴァに見られていたらしい。
「貴様、一体どのくらいの強いのだ?」
俺の強さが気になるらしい。
「守る為ならいくらでも」
「はぐらかすな!!」
ふぅ我侭め。
「さぁな。俺でも知らん。だが、」
意味もなく前置きしてみる。
「本来は、数多くある魔法を臨機応変に使い分け、相手の弱点を付く。これが俺の戦闘スタイルだな。さっきは圧倒的な力でのゴリ押ししただけだ」
そう、俺の力は沢山ある。それを臨機応変にその場、その場で使い分け、弱点を付き、必ず殺す。それが俺のスタイルだ。力押しではなく、必殺であり確殺する。
「ホントにバグキャラだな、貴様は」








 ラカンと同じ扱いは酷くね?

-7-
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