小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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目が覚めてガウルに聞いた話では両国の宝剣を賭けての戦らしい。

「何だか裏がありそうなんだが」

 ガウルと話していると

「ユウ少しいいか」

 閣下が部屋に入ってきた。

「はい、いいですよ」

 僕は閣下の所まで行くと

「戦で足止めして欲しい奴がおる」

 真剣な目で話しかけてくる

「誰ですか?」

「ダルキアンを足止めして欲しい」

 ダルキアンって自由騎士で最強の人なんだよな

「そんな人の相手が僕にできるでしょうか」

「今のユウならできる」

 僕はその言葉に自信のようなものを貰った気がする。

「本当に出来るでしょうか?」

「主の今の力ならできる我を信じよユウ」

 何だか知らないがその言葉を聞けて安心できる。

「分かりました僕にできるだけがんばります」

「なら、期待しているぞユウ」

 そして部屋から出ていく。

「やっぱり何かあるよガウル」

 部屋に居るガウルも頷く。

「あぁ、姉上なら自分で出向くはずなのによ」

「でも僕等にはどうしようもできない」

「俺らは自分らができることをしようぜ」

 そうだね

 そして戦の当日、僕は自分専用のセルクルを貰い騎士服を纏った。

「僕はあの人だけ足止をする」

 ふぅ、息を吸って開始の合図が鳴った瞬間にセルクルを駆けださせダルキアンさんを狙う。

「これならコレだね」

 指輪から弓をだし周りの奴から潰していく。

「ここから狙う」

 ダルキアンさんを狙い矢を撃つが大きな剣で防がれる。

「やっぱりダメか」

 セルクルを軽く蹴り前進させ弓をしまって槍を出す。

「弓の次は槍でござるか」

 槍の突きを防ぐ。

「コレも防がれるか」

「多種多様の武器の数面白いでござるよ」

 槍を横に振ったりするが剣で軽く防がれる。

「コレも軽く防がれますか、さすが最強の騎士ですね」

 皮肉の様に言ったが

「お褒めに預かり光栄でござる」

 少し距離をとって槍をしまって刀を出す。

「お主の本気でござるな」

「そうですね」

 刀を鞘に納める。

「(抜刀でござるか)」

 ここで勝負を決める。

「いざ、勝負」

 セルクルが両方一斉に駆け出し。

「はぁ」

「抜刀・影」

 抜刀と同時に先に刀ではなく鞘で相手の刀身を流し本命で斬る。

「くっ」

 刀身を流し損ねて肩を少し切った。だけど

「なっ」

 相手の防具が少し壊せた(上着だけですが)

「でもここで足止めしないと」

 と呟いているとダルキアンさんの側にユキカゼさんが近づき何かを言っている。

「ユウ殿すまないがこの勝負預けてもよろいいでござるか」

 どういうことだ。

「なにかあったんですか?」

 聞いてみると

「こればかりは言えないでござる」

 と言ってセルクルで駆けていくが

「気になる」

 僕はセルクルを軽く走らせ後ろの方から追いかける。

「(空が暗い、何かがありそうだ)」

 この時、僕は後悔した

 父親に昔気配の消し方を教えてもらった通りに追いかけていくと全くばれることはなかった。

「僕の爺さんたちは何もんなんだよ」

 僕は全く父親に爺さんの事を聞いたことはないけど今度聞いてみようかな。

 モニターではおかしな怪物が映っていた。

「なんだよあれ」

 これ以上ダルキアンさん達の後を追いかけるのにこいつは感づかれてしまう。

「ありがとなここで休んでいてくれ」

 セルクルから降りて森に入って行く。

「それにしても木の移動もまだできるんだな」

 昔、ナナミに教えてもらった以来だけど体が覚えていた。

「これは会ったら本当に感謝しないと」

 木での移動をしていると凄く嫌な気配がする。

「なんだよこれ」

 思った時には遅くそれは近くに落ちていた。

「何だあれは」

 近づくのも嫌なぐらいに禍々しい感じがする。

「なっ」

 いきなりたくさんのなにかが剣から出てくる。

「ユウ殿なぜ」

 気がついた時には後ろからダルキアンさん達がいた。

「悪い感じがして」

 指輪から双剣を出す。

「すまないがコレを抑えるのを手伝ってもらうでござる」

 するとユキカゼさんが

「お館様ですが」

「分かりました手伝います」

 構えていつ攻撃が来てもいいようにする。

「油断は禁物でござるよ」

 その瞬間、剣から出る黒い物が襲ってくる。

「そんな物」

 軽く避けながら黒い物を斬って行く

「再生する」

 斬った所から再生している。

「破裏剣舞」

 周りの黒い物を回転しながら斬ったがすぐに再生する。

「大丈夫でござるか」

「はいまだ行けます」

 黒い物、簡単に言うと枝の先は凄く鋭い。

「はぁ、はぁ」

 体の周りに傷が出来てきた。

「ユウ殿少し時間を稼いでもらってもいいでござるか」

「分かりました」

 相手の動きを止めるなら本体に大きなダメージがいる。

「行くぞ」

 走りながら周りの枝を攻撃し最後に剣に向かって。

「これで終わりだ!」

 地面を力強く蹴り。

「三爪炎痕!」

 剣の周りに赤い爪の跡が出来た。

「はぁはぁ」

 疲れ切っていたところに

「済まなかったでござる」

 終わったのか凄く気が緩んでいたところで

「アレ、僕の剣は」

 両手に持っていた剣が無くなっていた

「最後の攻撃の所で上に飛ぶのが見えたでござるよ」

 上の方を見ると二つの影が落ちてくる。

「ほん……」

 二つは刃を向けたまま僕に落ちてきて。

「違う」

 見えた影は槍と刀だった。

「えっ」

 二つは僕の体を貫いた。

 刀がお腹に刺さり、槍は肩に刺さった。

「ぐっ」

「ユウ殿!」

 僕はそのまま地面に倒れて気を失った。

 ここで死ぬのか? そう思いながら僕は目を閉じた。

-10-
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