「ここは何処だ？」
目覚めの一言はそれだった。
「やっと起きたか」
ガウルが居た。
「やっとってイテ」
肩と腹が痛い。
「あまり動くなってお前凄い怪我してんだからよ」
僕は生きていたんだ。
「それにしても僕はこいつに殺されかけたのか」
指輪を見て呟いた。
「それは違うらしいぞ」
そうするとシンクたちが入ってきた。
「ユウもう目が覚めたんだ」
目に涙を溜めながらシンクが言う。
「シンクその涙を拭け男の涙は気持ち悪い」
「うっ、心配したのにそれはないよ」
「それでガウル何が違うの」
そう聞くと
「リコが調べてきたってよ」
「ハイです」
出てきたのは小さな女の子
「ユウさんが持っていた宝剣蒼炎は武芸達者の者に渡される宝剣でありましてその宝剣が主人をテストするんです」
「もしかしてそのテストが持ち主が死ぬか生きるかのテストじゃないよね」
と聞いたら
「あたりであります」
嘘だろ。
「宝剣蒼炎ははるか昔のフロニャルドに来た騎士にその宝剣を預けたのが始まりです、その持ち主はユウさんみたいにたくさんの武器を扱うのに慣れていると書かれていました」
「他には何か書いていた？」
そう聞いたら首を横に振り
「それ以上は書いてなかったであります」
しょんぼりと落ち込みだした。
僕はベットに座り込みリコの前まで行き
「ありがとそれだけ聞けたらいいよ」
と頭を撫でてあげた。
「でもさ何でユウはその宝剣を持っていたんだい」
シンクが聞いてきた。
「うむ、私も聞きたいな」
エクレも聞いてくる。
「これは親父に貰ったんだけど親父は母さんの祖父に貰ったて言っていた」
「そうなるとユウのご先祖様はここに来たことがあるってことだよね」
そう聞かれてもな
「母さんの家は代々騎士の家だったがそんなに名が立つほどの者はいなかったはずなんだけどな」
だんだんと体の痛みが消えてきた。
「それにしても体の痛みが無いんだけど」
さっきまですごく痛かったのにな
「よっと」
着ていた服を脱いで包帯を取ってみると
「やっぱり無くなってるよ」
傷は全部治っていた。
「おっ、よかったじゃねぇか」
ガウルが背中を叩いてきた
「い、痛い痛いよガウル」
「心配かけさた礼だ」
これからどうしようかな
「思ったんだけどさこれから何する？」
僕が聞いたら
「夕方になれば祭りが開催されるそれまで休んでろ」
とエクレに言われる。
「休んでいてもいいんだけど眠たくないんだよな」
本を読みたい。
「それよりシンク僕の本を返してよ最近本を読んでなくて活字中毒になりそうだ」
「なに言ってるのユウはもう確実に活字中毒でしょ」
その言葉に皆が笑った。
「まぁいいやここの言葉は大体理解したし書庫でも行こうかな」
その言葉に皆がこける。
「小説にかけるその根性を鍛錬にまわせよな」
ガウルが言い
「凄いよユウ」
シンクが苦笑いしていた。
「書庫は何所かな？」
自分の服を探してみると騎士服しかなかった。
「むぅ、この服しかないのか」
上半身は裸だったため着替えるにはズボンを脱がなくてはならない。
「動きやすいのは良いんだけどな」
と言いながらズボンに手をかけたら
「何をしようとしている」
エクレに聞かれ。
「何って、着替えるんだよ」
と言いながらズボンを脱いだら
「何を脱いでいるんだ」
顔を赤くして訴えているが
「そんなことを言うのなら見なければいい」
エクレの横にいるリコは手で目を隠しているが少しあけながら見ている。
「ふぅ、女って分からん」
そのまま着替え終わり外に出るとジェノワーズがいた。
「なんでそこにいるんだよ居るなら中に入ってこいよ」
と言っていた。
「何で普通に歩いてるん」
「酷い怪我って聞いたのに」
「来て損した」
上からジョーヌ、ノワ、ベルの順番で言われた。
「それでさ書庫ってどこ」
聞いたら
「大怪我して目が覚めたひと言がそれかいな」
「でもさジョーヌ、僕の本はシンクが持ってるし……そうかシンクにパシってもらえばいいんだ」
そう思い部屋に戻りシンクに
「どうしたのユウ」
シンクがいきなり入ってきたことに疑問を感じていた。
「僕の本を特急に持って来い」
爽やかな笑顔で言ったら
「そうだったユウに本と荷物を返すの忘れてた」
と言って部屋を飛び出した。
「本当にあいつは優しいな」
ニヤッと笑いながら言ったら
「お前えげついな」
そう言っていたガウルの声は聞こえない。